面会交流の実施要領で間接強制ができる場合、どのように拒めますか。
最近の名古屋高裁管轄の間接強制の実情をみてみます。
一般的には、大阪高裁平成15年3月25日家月56巻2号158頁は、「請求異議事由」として主張するにとどまるとしています。
この場合ですが、権利義務を形成するのはあくまで本案の審判ですから執行で争うことはできません。
そこで、基本的には面会交流を命じた審判後の事情の変更によって面会交流を行うことが子の最善の利益を害することになったということで本案自体を変更するという必要が出てきます。
すなわち、間接強制の申出がなされた場合、現実にはお子さまが嫌がられているということが多いと思います。そこで禁止の審判を申し出て本案の内容の変更をしたうえで、本案が変更されていることを「請求異議事由」にすべきとの考え方が主流のように思われます。
子の面会拒絶が、それをもって審判時と異なる状況といえるとき、新たな調停や審判の理由になるとしています。
そして、子の拒絶意思は請求異議事由になるかどうかですが、時的制限は受けないものと解されている。
審判時と異なる状況というのは事情変更ということになりますが、面会交流については、その時々によって流動性を有するものであります。
例えば、子の拒絶意思は、調停、審判時における客観的状況と同列には論じられない。
具体的には、以下の決定があります。
「後行審判の抗告審である名古屋高等裁判所は・・・審判を変更して,本件調停条項を本決定書別紙面会交流要領のとおりに改めた・・・(減らしたもの)
上記認定事実によると、平成27年6月以降現在までの、未成年者らと債権者らとの面会交流の全部又は一部の不履行については、・・・未成年者の拒絶によるもの・・・正当な理由があったものということができるから、間接強制によってそれらの履行が強制されるべきものではないことは明らかであり、今後についても同様であるということができる。」
これは、名古屋高裁平成28年9月16日ですが、子の意向が、請求異議事由であるとか、執行抗告事由になることを認めたものと考えられます。