名古屋駅で不倫・浮気慰謝料減額に強い安藤一幹弁護士なら豊富な実績

名古屋駅の弁護士で不倫・浮気慰謝料減額に強い安藤一幹弁護士なら|名古屋駅ヒラソル法律事務所

 

不貞をしてしまって,基本的に慰謝料を支払わないといけないという場合において、慰謝料減額の交渉のために弁護士さんに相談したいという方はいらっしゃいませんか。不倫慰謝料の減額交渉に強い弁護士なら安藤一幹弁護士へ。

 

しかし、法的に裏付けのある減額事由を主張しないと、かえって相手方を逆なでしてしまう可能性もないとはいえません。そこで、名古屋市に事務所がある安城在住の弁護士が、浮気・不倫慰謝料の減額について法律相談をします。

 

弁護士に依頼して、法的に妥当な減額事由を主張しておけば、示談後に後悔するリスクも低下するでしょう。

 

今回は、浮気・不倫慰謝料について,知っておくべき知識を離婚・浮気・不貞慰謝料の減額に強い弁護士が紹介していきます!

不貞の示談交渉を進めている方、話し合いが難航している方など、ぜひ「悩みを笑いに変える法律相談」を参考にしてみてください。

 

不倫の慰謝料請求を受ける場合、1)本人からメールやLINEが来るパターン、2)行政書士から本人名義の内容証明が来るパターン、3)会社に連絡が来るパターン、4)大量広告事務所から、弁護士を名乗り電話で請求されるパターン、5)弁護士から内容証明が届くパターン、6)訴状が届くパターンがあるようです。

 

民法は、刑法上は犯罪ではありませんが、民法上は、現在のわが国では社会的相当性を逸脱する行為として民事上違法とされています。

しかし、個人と個人が自由意思で性的関係を持った場合、これが不法行為になるかは、学説からは批判があるところです。また、海外の多くも、こうした不法行為訴訟は、離婚の手助けに関与する人たちに対する不当な妨害行為を招くとして廃止されているところが多くあります。

日本でも、こうした流れを受けて、学説では不倫の慰謝料否定説が通説であり、特に配偶者の貞操権を独占できるといった考え方は時代錯誤との見解もあります。

こうしたことも踏まえて、最高裁は、婚姻破綻後の慰謝料請求はできないとの理論を打ち出したり、不貞相手には離婚の慰謝料請求はできないとの理論を打ち出したりと、理論的に不貞の慰謝料請求を後退させようとしています。

 

また、不倫の慰謝料請求を受けてしまったとしても、上記学説の「不倫の慰謝料否定説」から、多くの減額事由があります。

したがって、不倫が民事上不法行為に当たるため、相手方の配偶者に対して、金銭的な損害賠償責任が発生するとしても、適切な減額交渉を行う必要があるのではないでしょうか。

また、不倫行為に関しては、かつては、刑法上の違法性もあったことに照らして、会社に連絡して失職させようとしたり、名誉毀損行為に及ぼうとしたりする人もしばしば見られます。

そして、事件の種類上、類型的に、感情的軋轢が高くなり、1)法的な議論、2)裁判例に基づく解決-を困難にさせている事情があると思います。

 

特に、「土下座」「暴力」「誹謗中傷」「会社への通報」などの違法行為を防止するためには、早期に代理人弁護士を選任して、法律上正当でない主張ははねつけるような形にしておくのが良いでしょう。

 

下記でご説明するように、法的な減額事由も様々であり、ネットの安易な「相場観」や不当な待遇、境遇に甘んじる必要はありません。

そこで、不倫慰謝料の減額交渉に強い弁護士が読むと、内容不適当なことが記載されている内容証明もたくさんあります。

このため、不倫慰謝料を請求される立場になってしまったあなたがすることは、ネットで調べて混乱するよりかは、弁護士に相談して、一回的に紛争を解決することだと思います。

名古屋駅の弁護士・安藤一幹では、▼内容証明郵便が届いた方、▼裁判を起こされてしまった方-など請求を受けた方を対象に、ご相談・ご依頼を受け付けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

内容証明が届いたり、訴状が届いたりした場合には、お早めに弁護士に相談してください。

 

*請求者は女性、不貞した人は、夫と女性、請求を受けている方は女性というパターンで解説している場面があります。

1.請求者と夫との間にこどもがいないパターン

こどもがいないからといって、「慰謝料の減額事由」になるのでしょうか。

一般的に裁判官の感覚からいえば、夫婦共同生活の平和に毀損が生じるかというアプローチから判断をしますから、こどもがいるか否かということで、偶然、請求者にこどもがいないからといって減額事由にならないと思います。

しかし、東京地裁平成28年5月17日、東京地裁平成28年11月8日、東京地裁平成29年3月16日は、それぞれ、「XとAとの間に子がいないことを考慮」とか、「両者の間に子はいない」ということを指摘しています。

他方で、次にお話するように、こどもがある程度の年齢に達していることをもって慰謝料の減額事由にしています。ですから、小さなこどもがいるような場合はかえって慰謝料の増額事由のパターンと位置付けることもできます。

このように、夫婦にこどもがいないことをもって、慰謝料減額事由であることになる可能性もあるでしょう。

2.こどもがある程度の年齢になっていること

さて、こどもがある程度の年齢に達しているパターンも減額事由になることも既にお話しました。具体的には、こどもが1)成人をしているパターン、2)既に独立しているパターンがあり、実質的に不倫によって、こどもが悪影響を受けないことをもって慰謝料の減額事由ととらえているのではないかと評価することができます。

 

3.夫婦の婚姻期間が短いパターン

ときどき「不当」な請求ではないかと考えられるパターンとして、結婚半年だが、500万円近い慰謝料の支払いをめぐって揉めているようなパターンです。

たしかに、夫婦が妊娠している胎児や未成熟子がいるパターンは、高額になることを否定するものではないと考えられます。

しかしながら、婚姻期間一般において、4年弱をベースラインとして、減額の可能性を認めているのではないかと思います。

具体的な裁判例としては、1)内縁であった、2)1年であった、3)2年4か月であった、4)3年6か月であった、5)3年9か月、6)約4年間弱であること―などが挙げられています。

しかし、個人的には、2年程度がメルクマールではないかと思います。また、それに付加してこどもがいるかどうかにより、条件は相補的となり、こどもがいるような場合は、1年~3年の夫婦だからといって、直ちに減額事由になりにくい可能性も想定したうえで弁護活動をするのが相当ではないかと思います。

 

4.浮気・不倫期間が短いパターン

不貞期間が短い場合は、慰謝料額の減額になるかは、裁判官の判断によるような気がします。最近は、継続的不法行為的な立証は許されず、具体的な肉体関係をもった日を特定して立証するよう求められる傾向があることに照らすと、期間が長いか、短いかは当事者の「自白」に頼らざるを得ません。

そうすると、「自白」を得られた場合は高額でそうでない場合は減額事由になるというのは公平を失するようなところもあります。

もちろん、総合的な判断であると思いますが、一回の不貞であっても、別居など、夫婦関係を破綻させるインパクトがあるかどうかということも総合的に検討しなくてはいけないということはあると思います。

 

もっとも、一般的に、あなたが、不貞されたとして、「1週間のことでしょう」と裁判官がもし発言したらそれは減額方向にとらえているのだろうと理解することができます。

 

そこで、個人的には、6か月程度前後で長短が決まるベースラインになるのではないかと思っています。また、婚姻破綻を一つの終期として、協議離婚の開始後は不貞期間としてカウントしないという認定手法をとる裁判例をとるものもあるようです。

裁判例の分析においては、「1年程度」であれば、慰謝料減額事由となるケースもあるようです。

一例を挙げると、東京地裁平成29年1月11日は、1週間のパターンですが、これは減額事由にするということは社会的相当性もあると思われます。

次に、1)1か月、2)5か月、3)一時的なもの、4)5か月という裁判例は比較的多いように思いますし、6か月減額説にも整合的な裁判例ではないかと思います。

しかし、他方で、東京地裁平成30年2月20日は1年、東京地裁平成30年5月25日は9か月、東京地裁平成30年2月27日は1年と比較的長い不貞関係においても、短いという評価を与えて減額事由としています。

なお、東京地裁平成28年4月22日が、「その交際期間は1年8か月程度と比較的短期間にとどまっている」という裁判例もあるようですが、これは社会的に納得が得られないように思いますし、控訴されると維持されるか微妙な認定といえるでしょう。

 

5.不貞行為の回数が少ないこと

実際の裁判例でも、交際期間が長いけれども、不貞行為は少ないという認定手法をとっている裁判例があります。(東京地裁平成29年2月27日)実際問題になるのは、交際期間は、6年にも及ぶがセックスは、3~4回に過ぎないという認定手法をとった裁判例もあります。(東京地裁平成29年8月25日)

そもそも、不倫慰謝料ないし不貞慰謝料というのは、配偶者がいるものと肉体関係を持つことにより生じるのですから、不貞行為の回数が少ないということは、「違法性」が微弱であると論理的にならざるを得ません。

つまり、肉体関係を伴わない交際は、多くの裁判例は、不貞行為と位置付けていないと考えられています。そこで、例外はありますが、概ね、不貞行為の回数が数回であれば、慰謝料減額事由として評価されるのです。

この点については、裁判所は、一般的には学説の「不貞の慰謝料否定説」の流れを受けて認定を厳しくするトレンドにありますから、証拠上、認定できる不貞行為は、「1回」という場合は、不貞行為は一度だけであるとか、反復・継続していたものとはいえないという認定になることが多いのです。

そこで減額事由として考慮されるものですが、おおむね3回程度は、裁判例上減額事由になっているように思われます。

これに沿う裁判例としては、1~2回のパターンのほか、東京地裁平成28年3月25日、東京地裁平成28年10月11日、東京地裁平成29年2月27日が3回のパターンのようです。

 

6.婚姻関係が円満ではなかったこと

1-1 「円満とはいえない」パターン

そもそも、最高裁判所の判例(最判平成8年3月26日)によれば、不貞行為が行われた時点で、夫婦間の婚姻関係が「破綻」していれば、保護法益がないので、不貞行為とならず不法行為にならないとされています。

このアナロジーから、婚姻関係が「破綻」とまではいえないとしても、保護法益である「夫婦共同生活の平和」が不貞ないし不倫と関係なく、少なくとも円満ではなかった場合は、違法性が少ないことになりますから、慰謝料額の減額事由になるのが妥当といえそうです。

しかしながら,こどもがいるような場合、たしかに円満とは言い難い場合でも、離婚しないで、請求されている側が追い込まれてしまう可能性もあります。

特に、夫婦関係が、「円満とは言えない」ことを証明するのは、一般的には、夫婦である夫と妻の証言によらざるを得ないので,請求されている側では立証が難しいことも念頭に置いておかなければいけないと思います。

では,どのようなパターンが「円満とはいえない」というパターンと認定されるのでしょうか。

1-2 「円満とはいえない」パターンの具体例

そもそも、自分たちの不貞が理由で、夫婦が「円満とはいえない」となったとしても、不貞行為と因果関係がありますので、この場合は慰謝料の減額事由にはなりません。

そこで、以下のようなものが考えられると思います。

1)夫が前にも別の女性とも不貞行為に及んでいたことがあり、単にこどもたちのことを考えて婚姻関係を継続させているに過ぎないパターン

2)夫が離婚を具体的に考えていた状況にあったと認められることというパターン

3)不貞とは関係ない、育児の姿勢や会食の場における態度に対する不満などで、円満かつ平和な家庭生活を継続していなかったパターン

4)もともと複数回にわたり離婚話が出ていたパターン

5)意見の相違や生活上、不満・いらだちなどが目立ち、双方の努力によって関係こそ維持されていたが、円満とは言い難いパターン

6)コミュニケーションの不足、生活費問題、義母に不満のメールを送付していることなどから、婚姻関係は相応の問題があったパターン

 

1-3 「相当程度悪化していた」パターンの具体例

次は、「円満とはいえない」に続いて,「相当程度悪化していた」パターンです。「婚姻破綻」といえなくても、「円満とはいえない」パターン、「相当程度悪化していた」パターンがあるということになります。

 

もっとも、「円満とはいえない」とどのような点が異なるかは微妙な問題です。

裁判例をみていくと、次のような事例があります。

1)離婚という選択肢が存在していた程度に破綻状態が進行していた

2)口論、怒鳴る、自宅の扉に穴を開ける、物を壊す、食事を作らない、会話なしなどの状態

3)退職時に相談をしなかったこと

4)暴言を述べたり舌打ちをしたりしていたこと

5)10数年にわたりセックスレス状態にあり、請求者にも原因の一端がある場合、その後別居

6)共同生活を回復できないままに推移し、十分な協議がされていなかった

7)食事を作らなかった

 

などの事情があるようです。

これらを総合的にみても、明確なメルクマールはありませんが、1)離婚協議に値する状態、つまり、家庭内離婚状態というようにも思えます。そのメルクマールは、2)同居状態の場合は、セックスレス、口論、食事を作らないといった事情が重視されており、3)別居状態の場合は、いろいろ事情は挙げられているものの、別居の経緯や別居前に、上記2)の状態があるのかという観点から判断されているのではないかと思います。

 

1-4 「破綻の危機」というパターンの具体例

そもそも、上記で述べてきたように、「円満とはいえない」「相当程度悪化していた」に続いて,「破綻の危機」というパターンです。

このパターンと、「相当程度悪化していた」との区別が問題になります。

裁判例では、

1)不貞行為開始時において、破綻の危機に瀕していた

2)離婚条件について話しをしていた

などが挙げられています。

裁判所によっては、「別居」=「破綻」とはいわない場合の苦し紛れの論法といった印象があります。

この場合は、すでに婚姻破綻状態にほぼ立ち入っているというような判断といえるようですが、かように、「家庭内離婚状態」とか、「離婚調停」が起こされている場合は、そもそも裁判所は、「婚姻破綻」しているといって、浮気・不倫慰謝料請求を認めない裁判所が多いので、どれくらい有意義なメルクマールになるか分かりません。

言い換えると,「破綻の危機」は同居で離婚を目指していたケースであてはまるケースが多いのかなと考えています。別居している場合、多くは、「婚姻破綻」が認定できるケースが多いのではないかと予想いたします。

ポイントとしては、不倫と離婚との「因果関係」が乏しいというメルクマールが、この「破綻の危機」の判断にあたって、ポイントである。

 

 

7.不貞行為の結果に対する寄与度(原因力)が大きいこと

さて,そもそも、不貞行為をしてもしなくても、「婚姻破綻」してしまうだろうという身もふたもないケースも、世の中には存在します。

例えば、不倫・浮気の結果以外に、例えば、性的不調和、暴力、性格の不一致、悪意の遺棄、行方不明、義父母との高葛藤など、もとより家庭内離婚状態に別の原因で陥っているというようなケースは、不倫慰謝料の減額事由になります。

1)DVで警察沙汰になった

2)単に素行調査を利用し離婚手続きを有利に進める場合(可能性として)

3)就労や家計の管理を怠った

4)詐欺で逮捕され、退職に関する嘘があり、もともと実の父母からも離婚を勧められていた

5)請求者が職場に乗り込み、上司や同僚を問いただすなどして、恥をかかせたことが離婚の発端となっており、本来このような手段は執るべきではない。(東京地裁平成28年10月17日)

6)不倫関係よりも前から、DVがあった

7)長女に対する暴力があった

8)風俗店で働いていて、それが理由で離婚話に発展したこと

9)夫婦関係におけるコミュニケーションの食い違い(東京地裁平成29年9月13日)

10)夫は、Yだけではなく、Bとも不倫関係にあった。Bとの不倫関係も、離婚への重大な一事情になる。

11)夫婦の別れが、不貞関係を理由とするものではなく、「病気」を藉口したものであること

12)海外で過ごす機会が多く、価値観の不一致が大きい

 

さて、ここまでの、婚姻関係が円満でないことや寄与度(因果関係)が乏しいことは、請求を受けた相手としては恋人の協力がなければ、なかなか立証が難しい分野ということができます。

しかし、浮気・不貞の慰謝料請求の減額を求めるにあたっては、常に恋人の協力が得られるとも限りません。

そうした場合は、現在の夫婦関係の良好さを主張すること、言い換えれば、「不貞行為の結果の重大性が認められないこと」、「婚姻破綻に至っていないこと」、「離婚には至っていないこと」、「請求された側に婚姻関係を破壊する積極的加害意思がないこと」、「交際当初には、不貞行為について故意がなかったこと」、「不貞行為の終了」、「請求者が許してくれた経緯があること」、「請求を受けた場合の謝罪の有無」、「不貞行為に関して、主導性が認められないこと」-などを主張していくことになるのではないかと思います。

 

8.婚姻破綻に至っておらず、また離婚もしていないこと

婚姻関係が破綻に至っておらず、また離婚には至らず婚姻関係が維持されている場合には、主には、請求者の精神的苦痛を中心に損害が把握されると理解されても良いように思います。

こうした、婚姻破綻に至らなかった、離婚に至らなかったという事由については、そもそも浮気・不倫慰謝料の保護法益である「夫婦共同生活の平和」が乱された程度が軽いということになりますから、違法性が低減され慰謝料の減額事由になるのではないかと思います。

これ以外に、請求者が配偶者に無関心であり、例えば、別居後事務所での寝泊まりに5年間詮索していないとか、看病にも興味を示さない、請求者が離婚後すぐに再婚したという事情については、結果に対する因果性の程度が低いという判断や精神的苦痛の程度が低いということになり、減額事由になるものと考えられます。

9.請求を受けた側に「積極的加害意思」がないこと

一般的には、浮気・不倫の場合、最高裁判所の定式は、「配偶者以外の者との肉体関係」ということになっています。したがって、肉体関係を持った以上、それが婚姻関係を壊す意図があったかなかったかということについては、十分な審理対象とふつうはされないのではないかと思います。

もっとも、学説の「不倫慰謝料否定説」からすると、多くの浮気・不貞慰謝料請求においては、「積極的加害意思があること」の存在をいうことは難しいと考えられるので、これは理論的な主張が根底にあるものと考えられます。(東京地裁平成29年5月24日)

学説の中には、制限説が、請求を受けている側に「積極的加害意思」がある場合に限り不法行為の請求を認めるべきとの見解をとります。この判例は民法上の学説によったものと理解されます。

 

10.交際当初、請求を受けた側に故意がないこと

そもそも、浮気・不倫慰謝料請求においては、不貞行為時に、恋人が婚姻をしている認識ないし過失がなければ、成立しません。

したがって、途中から故意を有するに至った場合、あるいは、当初は過失に過ぎない場合には、慰謝料の減額事由とすることを認めている。

具体的な裁判例で、めずらしいものといえば、YはAの婚姻関係が破綻していると聴き、それを信じてAとの不貞行為を継続していたと認められるという事例において、「慰謝料の算定の段階においては、これを、慰謝料額を減額するに際して斟酌すべき一事情」としています。

つまり、「婚姻関係が破綻」している程度の言質では、Yさんは、Aさんが本当に婚姻が破綻しているか信じてはいけません。裁判例の多くによると、この場合、例えば、「離婚調停」が提起されているか、「別居しているか」などの調査義務があるものと考えられています。

したがって,これを怠っているので、「少なくとも過失」があるとされているわけですが、調査義務を果たすことが実際は、YがAさんに事情を詳細に聴くことくらいしか民間人には方法がないことなども考慮されたのではないかと思います。

とはいえめずらしい裁判例といえます。(東京地裁平成28年9月30日)

弁護士は状況に応じた最適なアドバイスができるので、話を聞いておけば不利な条件で合意してしまうことはありません。相手との協議が難しい場合には、弁護士に代理交渉も依頼できます。調停を申し立てるべきケースでは弁護士がスムーズに手続きを進めるので、依頼者に手間は発生しません。

11.不貞行為の終了

ご相談がある場合は、「不貞行為が終了しているパターン」と「不貞行為が終了していないパターン」があります。

終了している場合は、それを有利に斟酌するよう求めるということはあり得ますが,職場関係の交際の場合は、不貞はともかく、「職場仲間としての付き合い」は継続するでしょうから、弁護士にご相談することをおすすめいたします。

12.請求する側が配偶者に、他の者との性交渉を「許していた」こと

法的には、XがAに対して、不貞の慰謝料請求の請求権について、「債務免除」の意思表示をしていたとしても、これは、不真正連帯債務であることに照らして、法的には、その効果はYには及びません。

しかし、事実の経緯として、妻が、「自らの夫と性交渉したくないため、風俗に行け」であるとか、「セックスフレンドを作れ」との言動をすることは、しばしば遭遇するケースといえます。

この場合、減額事由になるかどうかは問題となりますが、法的に、XのYに対する請求についての客観的な請求には影響を与えないといえます。

一般的に民法として考えると、XのYに対する請求は減額が認められるかは見解が分かれるが、YのAに対する求償権の行使を考えると、Aの側からは、「Xから債務免除されている」という抗弁が出る可能性があります。私は、その場面では、XのYに対する減額事由に直ちにならない可能性を前提に交渉してくる弁護士も多いだろうと考えます。

しかし、事後的に請求者が、恋人につき不貞行為の「債務免除をした」という事案について、東京地裁平成29年7月10日は、「Xが共同不法行為の一方当事者であるAを宥恕していること」と判示しており、慰謝料減額事由として評価している。

また、事前に性交渉を許容している場合についても、慰謝料減額事由とした裁判例もある。(東京地裁平成30年2月22日)

 

協議離婚する場合でも、合意できたら「離婚公正証書」を作成しておくべきです。

弁護士が対応するときちんとこうした書面も作成するので、後に約束があいまいになって破られるリスクも大きく低下します。

13.XがAに対して責任追及を行っていないこと

自分の配偶者に法的請求をしていないことは、求償権の考慮などで減額事由になると考えるのが示談における実務ではないかと思われます。

しかし、裁判所では、求償権を考慮しなくても、「これまでに別居等には至っておらず、夫に損害賠償を求めたこともなく、同居生活を継続している」とか、「夫に対して損害賠償をしておらず、誤っておらず許すつもりである」、「夫に損害賠償を請求するつもりがない」との意向があることは、減額事由となり得るものといえます。

14.AがXに対して弁済したこと

恋人が自分の妻に慰謝料を支払っている場合は、請求された側としては、その分を減額事由として主張することができます。

一般的には、離婚調停などが継続し、離婚の中で、恋人が離婚慰謝料を請求している側に支払っているケースなどがあるといえます。しかし、財産分与の場合は、減額事由になるかは実質的な判断になることが多く、弁護士に相談されることをおすすめいたします。

15.恋人は他にも不貞行為をしていた

恋人が、請求を受けた側以外にも、浮気・不倫行為をしていたというパターンも考えられます。

この場合は、「慰謝料を減額するパターン」と「慰謝料を減額しないパターン」があるので注意が必要です。このような事情がある場合は、不倫慰謝料の減額に強い弁護士に相談すると良いでしょう。

この点は、刑法の「遡及禁止理論」が参考になります。同時に不貞行為をしていたというよりかは、時期の新しい順番に、Yさん、Bさん、Cさんと交際していることが多いといえます。

このような場合、裁判所は、Yさんの交際が婚姻破綻に大きな因果性があると認めた場合には減額は認めない可能性もあります。

しかし、同時並列であるとか、Bさん、Cさんの方が寄与度が高いといえる場合には減額事由にある可能性があります。なお、「慰謝料を減額しないパターン」は

婚姻関係に影響を及ぼしたという面では一体的に作用した」と指摘しています。(東京地裁平成30年2月15日)しかし、例えば、Yさんの交際期間が短く、性交渉の回数も1回であり、既に交際が終わっているというような場合、その他の不貞相手であるBさん、Cさんとの関係と「一体的に作用した」と認定するには無理があるように思います。また、この裁判例は、XのYに対する請求のほか、XのBに対する請求、XのCに対する請求につき、「共同不法行為の関係になる」と指摘しています。このため、減額事由にならないと判決していますが、AY間の不倫関係が、AB、ACの不倫関係と全体として一体のものとして共同不法行為になるという論拠は明晰ではないと考えられます。少なくとも、慰謝料額の減額という観点から、寄与度は少なくなるのですから、減額を認める裁判例の方が妥当であると思います。

16.請求を受けた側が不倫行為につき請求側に謝罪していること

示談交渉においては、浮気・不倫の慰謝料請求では、謝罪文言が入ることが通例ですし、裁判所で行う和解においても、謝罪文言が入る可能性も少なくありません。

そうした実務の実態からすれば、社会通念上、民法上の不法行為をしたのですから、謝罪の意思を表するというのは、自然なことといえ、このことが大きな減額事由にならないことも裁判例上は多いのではないでしょうか。

この点、不貞行為について謝罪をしたことを取り上げる裁判例は複数ありますが、慰謝料の微調整をする要素程度にとどまっている可能性はないとはいえないように思います。

他方、示談交渉の場合、Yが不貞を認める場合は、XAとの間で、Aは有責配偶者として扱われ、Xにとって、離婚全般の交渉で不利となるので、「不貞の事実確認付」の謝罪文言は、裁判上の謝罪文言と比べて減額事由になるような気もします。

17.請求を受けた側が不倫行為につき請求側に謝罪していること

さて、請求を受けた側に、浮気・不倫行為としての主導性が認められるかは、示談や裁判でもしばしば議論になります。

この点については、主導性がなければ減額事由になるという立論もあり得るところです。

しかし、法的には、AとYは不真正連帯債務の関係にあります。つまり、「連帯債務」を負う関係にあるので、いずれかに主導権があるのかを語る意味があるのかという議論もあるようです。

しかし、少なくとも、慰謝料額の減額という観点に限れば、「積極的・主導的な役割を果たしたとはいえない」とか、「交際はAが求めたものであり、Yが主導したものではない」とする裁判例もあります。(東京地裁平成30年5月18日、東京地裁平成30年1月26日)

ポイントとして挙げられるものとしては、「不貞関係は、もともと、AがYと個人的な連絡を取るようになったことに始まるなど、Yが主導的とまでは言い難い」と連絡や交際の経緯を挙げている裁判例もあります。(東京地裁平成30年1月19日)

18.不倫当時、請求された側が未婚や年少であること

先の主導的か否かという議論と重なるが、例えば40歳の男性と20歳の女性の職場での不倫の場合、社会通念上、女性が主導的役割を果たしていたというよりかは、男性が女性をもてあそんでいたという通念で理解することが自然ではないかとも考えられます。

この点は、多くの裁判例がある分野ではありませんが、婚姻していないとか、社会経験に乏しいであるとか、結論として、女性の判断能力の未熟さに同情の余地があると認め減額している可能性がないとはいえません。(東京地裁平成30年1月31日)

しかし、結論的には、主導的であったかどうかの慰謝料減額事由の議論になっていくのではないかと思います。

19.陳述書や原告本人の尋問申請をしないこと

これは本人訴訟なのか、よく分かりませんが、原告の訴訟のやり方に熱心さが欠けることを減額事由としていると思われます。

こうした訴訟での立ち振る舞いも減額事由になる可能性がないとはいえません。

一度、相手方の主張をそのままとしないままで、私の法律事務所にご相談ください。

当事務所では離婚案件を最重点取り扱い分野と定め、これまで多くのケースを解決まで導いて参りました。離婚協議の段階からアドバイスや代理交渉を承っております。

離婚を決意されて今後に関して不安を抱えている方がおられましたら、まずはお気軽にご相談ください。

20.浮気・不倫慰謝料の減額に強い弁護士とは?

弁護士も、多くは、浮気・不倫慰謝料分野の重点課題としているわけではありません。

したがって、ここで、紹介した理論的考察なく、何となくの「相場観」でやっていることが多く、「不倫慰謝料の相場」といったことを判例の裏付けなくいう弁護士は、まず精通していないといってよいでしょう。

不倫慰謝料請求の事件は、ヒラソルの弁護士の重点課題であり、示談や裁判において豊富な経験があります。

その結果、訴訟提起や応訴の末、「裁判」の「判決」をもらうこともありますから、主張についても適切に研究を進めています。特に、裁判手続きを嫌がる弁護士の場合は適正な解決が難しい可能性もあるのではないかと思います。

また、依頼者の方のご希望に寄り添った形での解決を図る弁護士でありたいと思います。この点は、「経営理念」やフィロソフィを定めているかなども参考になります。

当事務所のフィロソフィの一つを挙げれば、「私たちは、子どものころ、助けて欲しいときに助けてもらうことができなかった、そういう経験をしたことはないでしょうか。そういうときに、摩擦を恐れず、勇敢に挑んでくれる代理人・弁護人がいれば、どれほど心強いことでしょう。

弁護士などのサムライ業は交渉を伴うことがあり、ときにタフ・ネゴシエーションが必要となることもあります。私たちは、依頼者の運命にも関心を持ち依頼者を支援・応援・慰めをする利他の精神をベースに一生懸命に働くということが誠実であると考えています。

例えば、ご不安が大きい場合は、具体的な請求が行われる前であっても代理人活動をしてくれるのか、不倫慰謝料請求は場外乱闘が多いといえるので大事であると思います。

特に大手の法律事務所の場合は、訴訟を進めることが忌避したいため、無理な和解をすすめ、結果トラブルとなっているような事例を見たことがあります。

依頼者のお気持ちに寄り添って紛争を解決する弁護士であるかの見極めも不倫慰謝料の代理人選びの際重要ではないかと思います。

この点、大型事務所の大量集客事務所は、本当にクライアントであるお客様の思いをかなえるため、例えば初回無料相談をしているかも分かりません。

ご自身のお考えに沿う解決が図れる弁護士かどうか、本当にその弁護士が不倫慰謝料請求に力を入れている弁護士なのか、 また、不倫慰謝料請求は、「場外乱闘」、つまり会社への連絡など、そうしたことを防いでくれる頼りある弁護士であるのか、も含めて、ご判断されることをおすすめいたします。

以上

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問題解決へ導きます。

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