名古屋離婚弁護士ヒラソルの男性親権離婚の法律相談!

名古屋市の離婚弁護士ヒラソルによる男性夫のための離婚弁護 男性は愛すべき家族だと思っていた人たちにいかに多くの給料を家庭に運ぶだけなのでしょうか。
最近、男性が包丁で刺されるというDV事件の離婚を男性側で担当いたしましたが、驚くべきことに、名古屋市の配偶者暴力相談センターは「女性じゃないと扱わない」といって援助を拒みました。現在、約2割から3割の男性がDVの被害を受けているといわれています。弁護士は刑法に守秘義務がある数少ない職業です。どうぞ、おひとりや相談先がみつからないという理由でひとりで抱え込まないようにしましょう。
また、最近は妻の児童虐待を問題にして、親権・監護権を男性親が取得されたいとのご希望も増えています。こうした男性の親権、監護権、面会交流、財産分与の防御などについてのご相談にも応じております。

はじめにーごあいさつに代えて

 男性夫にとって離婚は最初から不利な闘いになります。
 離婚調停に持ち込まれた時点で、離婚のこと、こどものこと、お金のことなどすべてにおいて不利な闘いを強いられることになります。
 
 弁護士の中には女性の離婚弁護しかしないという方もいますが、男性の離婚弁護はエキスパートでなければ行うことができません。
 すなわち、男性の離婚はもともと不利ですから、不利な中を戦い抜いてきた経験のある弁護士、具体的には同じような構図にある刑事事件、労働事件など争いがとても鋭利な裁判を数多く経験してきた弁護士でなければ、男性の弁護はできない、まさに「アウェイでの闘い」となります。
 男性の弁護は顔の見える事件であることが求められます。キャッシュが行き詰りそう、とご相談に見えた男性夫も、前の弁護士に「普通」の弁護をしてもらったためにあらゆる不利な条件が、こどもの面でもお金の面でも飲まされていました。 その弁護士は企業法務中心で、独立後生兵法で離婚も手掛けるようになったそうです。
 私はこの内容では生活していけないのではないかと思い、生存権を侵害している調停である、というところから出発をしました。企業法務など一般民事は金銭請求ですが、当事務所の弁護士は刑事事件で有罪か無罪か、離婚裁判で親権をとるかとられるか、審判前の保全処分で子供をとるかとられるか、労働裁判で復職できるかできないか、など二者択一で争いが大きくなる案件をとても多く担当してきました。

鋭利性ある紛争案件に経験豊かな弁護士に依頼すべき

 こうした経験と多くの離婚相談の経験豊富な弁護士としての経験を活かして、男性のための離婚弁護も行っています。 私は、「普通」の弁護士に離婚の依頼したため不幸になった、あるいは離婚不幸の度合いを強めた方を多くみてきました。人生は戦わなければならないときは戦わなければなりません。当事務所の理念は、「強い者にも勇敢に挑む」「難しいところを狙いにいく」ということをあげています。こうした点は、当事務所の男性弁護にいかされています。

主な相談内容

■親権・監護権を取得したい!

■跡取りがいらないという妻と離婚できますか  

■家事ができず、整理整頓ができない汚部屋の妻と離婚できますか

■妻が不倫しています。しかも出会い系で複数の男性とです。

■自分が有責配偶者の場合は弁護士を通じて協議を  

■妻からのモラハラ、カジハラ  

■妻げ家を出たが離婚したくない場合  

■冤罪DVをでっちあげられたとき  

■妻から信じられないような高額な慰謝料を請求された場合 ヒラソルの代表弁護士の弁護士経験を活かして、事務所の理念に基づいて、離婚相談等を通じ依頼者の不安や悩みを解いて幸せを増やす愛知・名古屋への社会貢献を目指します。 勇敢さと戦略離婚・男女問題の解決目的を定めて、その目的を達成できるよう依頼者の方のパートナーの弁護士として、離婚紛争を解決することを通して依頼者の幸せを増やすお手伝いをさせていただくとの考え方で、愛知・名古屋の離婚・男女問題に特化して60分無料離婚男性夫相談を行っております。

心をいためる親権・こども問題

 
 私は、父親・男性を早くになくしているので父親に対する喪失感があるかもしれません。
 ですから、離婚すればこどもと会うことは自重しなければならないでしょうが、こどもに喪失感を抱かせることは避けるべきだ、と考えています。
 しかし、女性は、一度嫌いになってしまうと男性を生理的に受け付けなくなってしまい、心の対話のドアを閉じてしまいとりつく島もないケースがあります。
 最近は、女性の社会進出に比例し育児に男性がかかわることが増えてきました。アットホームダットのような家庭も増えてきています。 しかし、典型的には、妻が断りもなくこどもとともに別居してしまう子連れ別居です。男性は常勤の仕事をしていることが多いので、仕事の間に別居をしてしまうのです。日本では主たる監護者基準があり、主たる監護者が妻であれば別居の際こどもを連れ出すのは当然、とまで述べた判決もあります。

男性が生活を支えているのに、こどもとの関係をシャットダウンされ、親権も得られず、婚費のみ請求される理不尽さ

しかし、外で働いて生活の柱となっていて育児に参加している男性が従たる監護者であったとしても、こどもとの関係をシャットダウンされ、婚姻費用や養育費のみ請求されてしまうことが理不尽に覚えるケースもあります。
 また、前の事務所では慰謝料はいくら女性が悪くても、男性が支払われるものという「普通」の事務所でした。これは女性であれば、夫婦生活を「性暴力」といったり、夫婦ケンカの記憶力が抜群などといった性差から来る特性が裁判にも男性に不利に働いています。
 私は、10代の男性が騙され住宅ローンを組まされ、わずか数か月で「追い出された」事件を担当したことがありますが、調停委員も裁判官も、「これは結婚詐欺だ」という男性側の訴えはほとんど通りませんでした。男性は理性が強いので調停は「話し合い」といわれれば、自分で担当できると思いがちですが、実際にはもともと不利なルールが設定された世界での闘いになります。

女性依頼者にしか関心のない弁護士事務所に失望して訪問される方も

 名古屋の離婚弁護士ヒラソルによる離婚相談では、女性依頼者にしか関心のない弁護士事務所に失望して訪問される方もいらっしゃいます。 男性は家事事件では圧倒的に不利な立場にいますので、そもそも男性から離婚弁護を受けるという発想はなく断ってしまう弁護士も多くみられます。
 私は、ハーグ条約の批准や諸外国との比較、子の意向表明権の整備から、現在、男性だけが一方的に不利な状況はおかしくて、「フェア」にして欲しいと願っています。例えば憲法違反を主張する特別抗告についても持論のハーグ条約批准後は、子連れ別居は違法となる特段の事情がある場合もあるはず、と考えて、依頼者も理解してくれ特別抗告におよんだケースもあります。
 さらに当事務所は共同親権でないことは違憲であるとして、憲法違反を主張して上告した、おそらく先駆けの法律事務所かと存じます。
 このように当事務所はクレドにもあるように「難しいところを狙う」「勇気をもって事にあたる」というのが行動指針です。私の事務所には離婚後紛争の依頼も多く受けますが、前任者の弁護士の和解調書をみて、「なぜこの婚姻期間で慰謝料500万円も支払っているのだ」とか「養育費から住宅ローンが控除されていない」など男性からの離婚案件のご依頼に誠実ではない弁護士も多くいます。

こどもが自由に行ったり来たりできる関係の構築を

 私の想いは、こどもの福祉のために、こどもがたとえ親が再婚しても、血縁上の父母の間をいったりきたりすることができ、別れても父子であるという、とても当たり前のことを実現したいとも考えています。これはドイツ、フランス、オランダでは既に当たり前とされています。 それは残念ながら男性のためでも女性のためでもなく、「こども」の最善の利益のためです。よく面会交流調停では子の心理的負担が問題とされます。

シャットダウンされても、「やっとパパに会えた」「パパ、ちょっと髪薄くなったね」「パパの方にすれば良かった」というこどもも

 しかし、こどもの中には、ちょっとだけお父さんを「見てみたい」「話してみたい」という場合もありますし、血縁上のルーツに関心を持つ年頃のこどももいます。
 ですから、私は素晴らしい人格を持ち、努力を惜しまない人に積極的な協力は惜しみません。あくまで「こども」の喪失感を埋めてあげ、こどもにプラスになるように配慮することが、こどもに対する責務ではないかと考えています。
 男性弁護だと「前例にとらわれず挑戦する」ということもあるかもしれませんが、私は前例で利用できるものは利用するため研究もしています。そして、男性側に有利に援用できる裁判例を利用して、勝負を挑むというのがクレドです。

離婚となると「誘拐国家」と欧米から非難される日本

 日本は平和な国です―しかし離婚となると「誘拐国家」といわれてとても平和な国ではありません。
 母親が連れ去ってそのまま今生の別れとなり、養育費だけとられるというパターンが犯罪的であるとアメリカを中心に世界的な非難を浴び、ハーグ条約への加盟を余儀なくされました。
 
 しかしハーグ条約は、父親の同意のない子の連れ去りを犯罪行為と位置づけ原状回復を基本としていますので、日本でもハーグ条約批准を受けて男性にとっても、こどもにとっても、世界的に「平和」な国になってほしいと願います。というのも、
 私は、不良少年の更生など付添人活動を長年してきました。そこでの科学調査の結果をみると、思春期までは「母親だけでなんとかなっていた」実態と、思春期以降、それ以前に父親と接していなかったことによる問題が表面化するというような傾向があるように思います。
 
 フロイトの論を借りれば、男の子は幼児期は、エディップスコンプレックスといっても母親を父親と一緒に取り合う時期がきます。ところが、次のステップになると父親の価値観を受け継ぐ時期がやってきます。いわゆる同化というものですが、父親は社会と広いつながりがあるので、ファシリテーターとしての役割をもって、思春期における自我の芽生えの手伝いをすることになります。ヒラリー・クリントンなどはこの典型といわれています。
 
 これに対して、父親の価値観との同化を経験していない場合は、母子密着が続くことになり、いわゆるマザコンなどの原因になったりすることがあります。女性は家庭的なことに関心が向かいがちなので、社会へのファシリテーターとしては適当ではないことが多く、社会を知らないままの新人類扱いをされたり、社会での不適合を起こす可能性も高くなります。ですから、可愛い時期だから夫には逢わせたくないという母親はあまりこどもの発達のことを考えていないといえます。他方、父親の側も謙虚にして驕らずだれにも負けない努力をしている素晴らしい人格を保持しなければ、ファシリテーターとなることはできないといえます。

親権と監護権の分属

 こどもについては、離婚協議で、親権と監護権を分属させる場合もあります。親権はこどもの財産管理権、監護権はこどもの教育や面倒をみる権利のことをいいます。しかしながら、親権を男性が持っていた方が、今般は面会交流がしやすいのではないかとの論説もみられるようになっています。したがって、面会交流に応じなければ親権に基づいて子の引渡しを求める最終手段を使うことができますから、女性側もフェアに面会交流をさせやすくなるのではないか、その担保として親権と監護権の分属も離婚協議では一つの方法です。
 裁判所は極めて消極的ですが、分属を認めた裁判例もあることから、やはり担保的措置として男性に財産管理権を中心とする親権を持たせるということはあり得ると考えられます。 親権者は、離婚届できめますが、協議が決まらない場合は調停や裁判で決めることになります。

親権は一つしかない

 しかし、量的に調整の聴く財産分与や慰謝料と異なり、親権は一つしかありません。

面会交流は月1回2~3時間でいいのか?

 面会交流を活発にやることで相対化を図る試みもありますが、女性側が面会交流を求める場合でも月1回数時間というケースもあり、男性側の場合は親権に代わり得るこどもへのコミットメントとはなり得ていないのが現状といえます。これは離婚協議で、自由交流を認めてもらったり、月2回短時間こどもと接するなど裁判所を通してしまうと、わずかになってしまうので協議で面会交流を定めるのも一つと考えておきましょう。
  訴訟になると、判決で親権者も決まりますが、残念なことに親権者は、ここ50年ほど女性有利というのは変わっていません。また、男性が親権者になるのは離婚協議の場合が多くを占めています。一般的には、現状維持の原則と主たる監護者基準というものです。
 現状維持の原則は、現在のこどもの環境を変えない方に親権を与えるというものですが先行して子連れ別居がありますので、子連れ別居されてしまうと現状維持の原則が立ちはだかります。そして、主たる監護者基準は、分かりやすく言えば量的にこどもと多く接し面倒をみている人というものと考えられます。

監護が不十分な場合、こどもを守れるのは父親だけ

 フルタイムの男性と専業主婦の場合では、この基準は「母性優先の原則」に近いといわれています。
 しかし、今後、フルタイム同士のカップルが多くなることも予想されますので、判断の傾向が気になるところです。
 男性が親権者になるのは、妻に子連れ別居されてしまうと事実上不可能になってしまいます。
 ですから、妻が一方的にこどもを連れて別居を始めてしまわないようにする必要があります。しかし、男性は仕事があるので見ているわけにもいきません。両親がきても「ちょっと買い物に」という間にこどもを拉致して連れて行ってしまいます。また、保育園の顧問をしている立場からすると、保育園にいわれてもというのが実情で、保育園では法的責任は負いかねるのでお断りする、ということになってしまうと思います。
  男性は、社会で話し合いにより仕事をしています。ですから「きちんと話し合いたい」といいます。
 しかし、妻は弁が立たない人が多いので、話し合いをする前にまずは子連れ別居をして、有利な離婚条件を勝ち取るまでは面会交流もさせないということがほとんどです。  

男性のための離婚協議

 実は、日本では離婚協議が8割以上ですが、離婚協議での話し合いが男性にとって最も有利に解決ができるといわれています。つまり、裁判所は「アウェイ」になってしまうことから、親権や養育費、住宅ローンの問題なども離婚協議で柔軟に解決している方もいらっしゃいます。

 しかし、弁護士は協議離婚が苦手です。なぜなら、お金だけとられてしまい離婚届を提出せず、不受理申出をなされ、さらにお金をとられるという事態になっている人が多いからです。
 ですから、離婚届はなるべく自分でもらい、もらったら夜間窓口に出しに行くことが大事です。離婚届をもらっておきながらいそがしい、いそがしいという間に不受理申出がなされる人もいます。
 このようにお金だけ払って離婚できないというケースもあります。

親権と子連れ別居の問題

 次に、子連れ別居の問題です。たしかに男性はこどもをひとりで育てていくのはとても大変なことです。しかし、それでもがんばっている方に裁判所が複数の兄弟のうちひとりが不満をもっているから、精神病が疑われる母親に引き渡せという審判を出したこともありました。離婚に詳しい弁護士に依頼すれば、無駄な紛争は避けて最も公平に勝負できる局面に変えてしまいます。
 しかしながら、妻がこどもを拉致してしまうと、父親が親権をとることが難しくなることがあります。場合によっては母親の家の環境が悪くても引渡しが命じられるほど、男性は「アウェイ」を離婚の世界では生きているのです。

住宅ローン問題

更に住宅ローンの問題です。住宅ローンがオーバーローンである場合は弁護士をつけるべきです。そしてなるべく協議で養育費や婚姻費用を決めてしまうことです。住宅ローンを抱えていると、意外と年収が高い人でも生活レベルは慎ましいものです。しかし、裁判所の算定表は住宅ローンを次第に考慮してくれなくなってきています。裁判所に持ち込まれてしまうと、妻が住宅に住んでいても住宅ローンがほとんど考慮されず、男性の家の家賃もあることから、破産に近い状態に追い込まれてしまうことがあります。 今の日本の裁判所の欠点は住宅ローンに対する認識が甘いことと、男性をうちでの小槌と考えているのではないか、ということです。特に審判になるとキャッシュフローベースの主張はまず取り入れられません。

真っ先に婚費だけ決められる不公平を防止するために

 そこで、協議でも調停でも合意をしておく必要があるのです。調停委員は婚姻費用は簡単に決められるので、裁判所にいくと男性は真っ先に「コンピ」といわれます。婚姻費用を決められようとしていますが、ここでももともと節約してきた家庭が別居されたとたん住宅ローンがあるにもかかわらず、ローンがない家庭の同じだけの出費をするのは現実的に困難なのです。そこで住宅ローンの支払をあきらめ最悪残債務があることから破産に追い込まれる直前の男性もいました。これは失敗談かもしれませんが、まずは協議で別居される前に婚姻費用を妻と合意しておき住宅ローンの考慮に理解をしておいてもらうことが最善です。これは書面、しかも綺麗にワープロで書いたものでなければ無意味です。

公正証書は作成前に必ず弁護士の有料相談で意見をもらう!

男性は裁判の場にいくと、「アウェイ」となり、先行きは不利となります。そこで事前に協議でまとめたいという考えもありますが、妻が公正証書を作成したいといってきた場合には、まずは弁護士事務所でリーガルチェックを受けることが大事です。特に、いいかげんな公証人がいる役場では、強引な公正証書でも平気で作成してしまう公証人もいます。そこで、男性の離婚にあたっての味方は弁護士しかいません。特に、「養育費一時金」と称して財産分与がなされていたり、相場の3倍の養育費、500万円の慰謝料など驚いてしまうような内容も多くありません。ただし、それが公正証書になると、なかなか交渉が難しくなります。なぜなら、妻側は夫側をだますつもりで、相場からかけはなれている案で公正証書を作り有利な地位を得たので、あとはどんどん不利に追い込まれていってしまいます。企業にお勤めの方は給与の差押はさけたいところです。未成年者がゼロ歳だと裁判所から「20年分の給与を差し押さえる」という文書が会社に届き、会社は大騒ぎとなります。そしてこれに対する法的救済の手続はありませんので、粘り強く交渉をしていくしかありません。

男性にとっての離婚調停

今の皆さんの気持ちに加えて法的に何が一番良いか、ということを一緒に考えるパートナーとなるとともに、相手方からの法律上認められない要求は勇敢に立ち向かっていく、そのような取り組みを目指しております。これは調停でも変わりません。 調停は女性に優しく設計されていますし、婚姻費用分担調停など成立させやすいものは調停委員の成績アップにもつながるので、利害も一致しているのです。すなわち離婚調停で、子どもの問題や面会交流の問題を話し合うのは、あまり向いていない可能性もあるということを念頭に、弁護士と協議をしながら調停を続けるか打ち切るかのタイミングを決めます。 また、調停には目指すべきゴールがありますが、特に調停委員だけで生活している人などを中心に仕切りが悪い人もいるので、不利な男性の側こそ「仕切り」をしていかなくてはいけない立場だと思った方がよいと考えられます。また、最近は調停は裁判の準備手続と位置づけられているので額面通り「話し合いの手続」と考えるのも妥当ではありません。また、調停は「乗り降り自由のバス」の議論と一緒で、争点整理などといって合意を押し付けられそうになったら退席する勇気も必要です。 訴訟は男性にとってもリスクがあります。一番は婚姻費用のリスクでしょう。妻が専業主婦の場合まとまった額になることもあります。しかし、市役所の無料相談などを渡り歩いている女性は、「あの弁護士がこういった」「あの司法書士がこういった」などといって、無茶な要求を意固地に続ける場合もありますが、その場合調停ではどうしようもありませんから、弁護士と相談して訴訟にシフトするタイミングの判断のお手伝いをすることもできます。

女性の武器「コンピ」

婚姻費用は、離婚交渉において妻側の武器になります。婚姻費用を支払っていないと、所得によっては100万円から200万円程度たまってしまう方もおり「第二の慰謝料」と呼ばれています。婚姻費用は養育費+妻の生活費で所得によりますが、概ね3万円から6万円程度高くなります。ですから、調停委員が仕切りにすすめてくる「コンピ」も他の条件と同時並行に進めていくコツが必要になってきます。コンピの計算方法ですが、夫の所得、妻の所得、こどもの数と年齢だけだから、家庭裁判所では、算定表をベースに決まります。なお加算調整もあるので機械的にきまっているというのは語弊はありますが独り歩きを始めている面はあります。離婚騒動が起きた後、妻が家庭裁判所に婚姻費用の分担請求をするケースがあります。夫を裁判所に呼び出して、婚姻費用を決めることになります。特に、こどもがいない場合は養育費を含みませんので、かなり男性としては打撃を受けます。また、養育費との比較ではコンピは、3万円から5万円程度養育費より高くなる可能性があります。このように、婚姻費用は、裁判などで離婚が認められるまで男性が損をする建付けになっているのですが、その一方で男性はコンピ地獄からは免れません。そこで、なるべく早く男性としては、離婚は男性にとっては清算と考えて対処しないと例えば月10万円の婚姻費用の場合、年間で120万円、2年間で240万円を支払うことになるのです。これに住宅ローンの支払いなどでキャッシュフローが息詰まるケースもありますが、裁判所はこうした点を全く考慮してくれません。裁判が2年~3年となると30代の夫婦の場合、全財産を超えることもあります。ヒラソルの弁護士では、かかる期間も考慮して、婚姻費用の潜在的な期間、すなわち結婚債券の満期がいつなのかという視点から考えるのが合理的という見地のもと、交渉にあたります。

ヒラソルでは、裁判という選択肢も

普通の30代、40代、50代の男性は働いています。したがって、平日の調停は参加しにくいものです。したがって、ビジネスマンにとって離婚裁判は実は楽です。  離婚自体にあまり争いがない場合はヒラソルの弁護士に頼んで、裁判にしてもらうということも考えられます。というのも、調停では、自分も主体的な関わりが必要とされる側面がありますが、訴訟では弁護士が主役です。依頼者は、平日昼間の裁判に参加する必要はなく、裁判では、裁判所にいくのは弁護士だけであり和解が成立した場合や尋問の際に1回出頭する必要がある程度です。その余はヒラソルでは土曜日も気楽に打ち合わせができますので、この場で夫側のインタビューを行い書面の作成を行います。しかし、本人調停と異なり、訴訟は書面も弁護士が準備をします。もうひとつ調停との違いは論理的に話しが進むということです。  調停では、女性が感情をむき出しにして夫を破滅させてやるというような調停も多く、しかも調停委員のおばちゃんやおじちゃんは、法曹資格がなくあっ旋の仕事に携わっていたわけでもない弁護士の奥さんや元公務員で天皇の叙勲を受けたい人などが中心で志をもってやっている人はいません。以前も、当代理人が、家事調停事項と訴訟事項はすべて合意しているので、調停に代わる審判を求めたことがありましたが、妻が感情的に困らせてやろうという情緒から離婚調停の成立を拒み続けたということがありました。しかし、当代理人は、異議を申し立てて離婚訴訟に移行しても、訴訟事項はすべて合意しているので、感情をぶつける場になって恥をかくのはそちらですよと、さりげなく指摘をして、裁判官が調停に代わる審判を宣言したという事例もありました。

 離婚のエキスパートの弁護士はいつ調停を打ち切っていいかなども踏まえています。したがって、終わらせるべきときには終わらせないといけません。

面会交流

 そもそも面会交流自体拒否的な妻の場合は面会交流は事実上難しいといえます。

 しかし、素晴らしいお父さんという印象をもってもらえれば話は変わってきます。ですから、面会交流でも協力的な態度を示すことが大事です。もっとも良いのは協議で話し合い、親権を得ておくというのが最も簡単ですが、裁判になると容易ではありません。裁判所は現状を尊重する傾向にありますので妻が主たる監護者としてこどもの面倒をみていて別居された場合は、親権を取得することは困難となります。日本では「先に連れて行ったもの勝ち」であり、男性であっても子連れ別居した方がよいともいわれています。 面会交流を拒まれた場合は、書面で理由を記録しておくことなどが有意義なケースもあります。

住宅ローン問題

夫1名で住宅ローンを組んで夫婦離婚の際、自宅に妻とこどもが住むことになる場合があります。協議離婚では、住宅ローンは夫が負担し、それをこどもの養育費代わりにするというものです。 離婚協議では、ローンと養育費を一致させるということをします。自宅に妻が住み男性が別に住居を借りるケースです。早期の離婚を勝ち取るために、今後も住宅ローンの全額を返済していきますが、その代わりにこどもの養育費を現金で振り込まずに済むことになります。他方、自宅に男性夫が住むのもシンプルな解決策ですが、「広すぎる」という問題があるようです。この場合、住宅リーン+養育費となりますので、キャッシュベースで支払可能か検討される必要があります。ローンの場合は夫婦の年収÷住宅ローンの返済額×100となっており、返済比率が20パーセントから30%の範囲におさまっていると、債務者変更の審査も受けやすくなります。ですから、今後、婚姻生活を続けられる方は、返済比率が10パーセントいないのものの物件をおすすめします。そうすると、債務者変更に苦労することも少なくなります。 しかし、住宅ローンを抱えたままであると、再婚した場合、改めての住宅ローンを組むことが難しくなってしまいます。そこで男性が再びローンを組もうとする場合は元妻とこどもが済む家の住宅ローンの債務者から抜ける必要性があります。

銀行の再審査のポイント

銀行の再審査のポイントですが返済比率です。

返済比率とは、年間返済額÷年収×100で求めます。

年収にもよりますが、年収に占める住宅ローン返済の割合は25パーセントから35パーセント以内でないと審査の対象になりません。

返済比率が40パーセントになる場合は、どのような要件を満たしていても困難となります。

もっとも、妻も非協力な姿勢を示すことが多いといえます。しかし、支払をとめてしまうと男性がブラックリストに載ってしまいます。そこで安易に協議で養育費とローンをバーターするよりも根本的解決を目指す方が相当であると考えています。

保証を外すテクニックとしては、借り換えが考えられます。住宅ローンをそっくりそのまま他の銀行に移し替える方法です。新しい銀行で、住宅ローンを借り入れ、古いものは返してしまいます。そして、新しい銀行で、配偶者を保証人にしないという話しをすれば、なしで審査にかかることになります。いずれにしても返済比率が30%を下回ることが必要であることが多いようです。債務者変更は銀行にとって手間でしかないので、真面目な対応が期待できません。 これに対して、借り換えは新規案件なので親切に対応してくれます。場合によっては「金利が安いから」という動機を説明すればよく、離婚の話しをしなくて済む可能性もあります。  

家事をせず、整理整頓ができない妻との離婚はできますか。

 結論からいうと、最近、専業主婦の家事放棄や片づけられない妻に対しては比較的寛容な傾向がみられています。  もっとも、共働きの場合はフェアではない場合もあるでしょう。  学校教育では、女子教育というものがなくなり家事を教えることがなくなり、就業率も上がった関係で、花嫁修業は死語に近くなっています。ですから基本的な料理や要塞もできない女性も増えているのです。もっとも、社会的な統計では、働いている男性は家事を100パーセントとした場合、分担率は概ね30パーセントといわれています。家事が得意な男性でも仕事との関係等で、30パーセントまでしか分担しないのが統計的な結論なのです。  問題は、専業主婦や少しパートをやっている程度の夫婦に問題を生じます。一部の女性は家事が不得意というのを超えてアスペルガー障害の「汚部屋」と思えるほど、家事や整理整頓ができず、家の中が、まさに「汚部屋」になっているというケースもありました。特に、洗濯ものを干さないで、こども部屋に隠しておくであるとか、シンクがぐちゃぐちゃというのはよくみられる傾向です。夫が妻の家事放棄を到底容認できない場合は、やはり証拠を収集しておくことが大事と思われます。  ただし、この場合でも男性離婚の手順を踏む必要はあり、妻との別居は必要となります。  しかし、汚さの許容度というのは、人によって異なります。誤解を恐れずにいえば、働いていたり、独り暮らしを経験したことがある人の場合、汚さに対する寛容度は高いと思います。これに対して、専業主婦やハイソサエティでお手伝いさんがいたりした家庭で生育した人は汚さへの許容度は極端に低くなります。家事代行ビジネスが成り立つのも、汚さに対する寛容度が低い人が主要な顧客層であることが分かります。  そこで、ベースラインとなる就業規則やマニュアルがなく、社会通念で決めるしかないということが重要です。  つまり、こどもがいるか否かなどの考慮要素によっても社会通念は変わってくるのです。  最近の家裁実務は、裁判官の個人的なポリシーが反映されやすく、はっきりいって、妻だけが家事をすべきだ、とは思っていません。ですから、親権争いにおける監護状況が誰が見ても不適切でも寛容さが強調される事態が起きているのです。したがって、夫が妻の家事放棄などを理由として離婚を求める場合は、家の中の写真をとり、食事の内容や家計費、内容なども具体的に立証する必要があります。当代理人の経験でも、夫が家の中の乱雑を究める写真を出すと、男性裁判官の場合は、うわ、と思ってくれるケースが多い印象です。やはり自分も30パーセントの家事は分担しているが、余りに許容限度を超える、ということを主張していくスタンスがポイントです。

監護者父代理人としての離婚弁護士としての経験も豊富

 離婚弁護士の出発点は、依頼者のニーズから出発します。依頼者のニーズを裏付ける事実を重視し、その事実の妥当性を弁護士として、法解釈の探求、創造をして裁判所を説得する活動をするのです。ときどき家事調停官や裁判官経験者であることを売りにしている弁護士がいますが、こうした弁護士には依頼は誰もしないでしょう。なぜなら、裁判所の代理人になって依頼者をなだめ、その不満を放棄させるだけの存在にすぎないからです。こうした弁護士は依頼者にとって「良い弁護士」ではありません。 代理人は、裁く人ではありません。裁判所の心証は当事者の提出する事実と証拠によって揺れます。調停委員会や担当裁判官が比較基準をどのようなものにするかは、離婚弁護士の弁護活動にかかっているといえるかと思います。

 監護親父代理人としての対応を依頼された経験も豊富です。こうした離婚弁護士は少ないのではないかと思います。いずれも、こどもの意向や活発で難しい年齢、祖父母の健康状態を父親と協議のうえ、子を母に引き渡すことの納得を得たり、稀ではあるものの子の父への愛着度合が強いことを働きかけて母の承諾を得て、面会交流中のステイの案件でしたが監護者に指定してもらったケースがあります。面会交流については、合同面会交流を実施したことで葛藤状態を低くしたのであって、狙って下げたという側面がありました。しかし、やはりまっすぐな人ほど相手方の弁護士や裁判官のいうことも聞いてくれる印象があります。こうした事案では、母親との面会交流も紛争として再燃することはありません。

 面会交流の非監護親の男性側弁護士はラクといっている弁護士には依頼しない方が良いでしょう。 夫婦間の葛藤が高い場合は、裁判所は、「子の意向」が拒否的であることを理由に却下することもめずらしくありません。 特に高葛藤事案において、監護親側は必死に抵抗し、通常の性交渉ですら、レイプ、性奴隷にされたと主張した女性弁護士もいました。

 父母離別前、父がこどもの主たる監護者であったかにかかわりなく、離別前のこどもと父との関係を立証することに力を注ぐ必要があります。 特に調停段階での面会交流制限事由がある人は弁護士を就けるべきでしょう。DV、児童虐待、連れ去りの危険、子の拒絶、父母間の高葛藤の場合です。 父側の非監護親も、裁判所での試行的面会交流も含め、調停手続の段階で粘り腰の弁護をすることになります。

 最近は、間接強制の実施要領もありますが、強制金は、最近は月額8万円から10万円の間といわれています。 もっとも、当代理人の経験では、母に任意の意思による面会交流への協力の手立てを調停で話し合う方が妥当のように思います。面会交流機関援助の関与などを提案して導入期を乗り切ることが大切で、導入期を乗り切ると女性も情緒的離婚を終えるように思えます。

仕立て上げDVや仕立て上げ児童虐待とも戦いましょう

甥っ子との対話(パースペクティヴ)

弁護士:アメリカでは、男性は女性の約19倍、児童虐待(性的虐待)の冤罪を受けた傾向があります。これら虐待の申立ての85パーセントは女性によって、親権争い、離婚争い、面会交流争いの際に起こされるものです。 シュシュ:実際児童虐待の8割が根拠なしとされ、離婚が関係するものは事実無根が多い傾向がありますが、冤罪はほんのわずかにすぎないという神話があるよね。

弁護士:実際、女性も息子に性的虐待をすることがあるからね。具体的には、胸や女性器を触らせるということです。児童虐待との主張に対して、その女性は「私は息子に6回講義をしただけです」と開き直り、家裁も取り上げなかったね。でも、僕も母親から小学生のころ、一緒にお風呂に入って女性器を触らされたことがあったんだよね。当時は何でだろうという理解でしたが、今は嫌悪感があります。

シュシュ:男性だけが、性的虐待を問題視される理由はあるのかな。

弁護士 :男性は、女性と比べて行動的で性的にオープンな傾向があります。例えば、パパと一緒にお風呂に入った、座薬を入れたという点をもって児童虐待というものですね。もちろん、主には父娘関係が問題にされることが多いかな。

シュシュ:お風呂や座薬が児童虐待など、僕も叔父さんから児童虐待されちゃった(笑)

弁護士 :女性の児童虐待の訴えは、離婚や家庭裁判所では「そのまま」信用されるケースが多く通常は事実上証明責任を負いません。これに対してパパさんは、刑事裁判での疑わしきは罰するを上回る証明責任を負うことになります。そして、この反証活動の証拠をママさんは攻撃ととらえて、こどもに対する片親疎外を強めることになります。

シュシュ:珍しく名古屋家裁平成28年8月31日という名古屋家裁の審判が公開されましたね。 弁護士 :女性側の代理人は女性側DVのエキスパート・可児康則弁護士(注:データベースで公開されている。)ですね。結論的に実施要領記載の面会交流命令の審判となりました。 この弁護士は、のちに名古屋地裁(福田千恵子名古屋高裁事務総長)からも、面会交流妨害のため警察の支援制度を悪用されたと代理人を務めたケースで認定され、新聞報道されました。

就学前児童は「誘導」が簡単!真意を主張すべき

シュシュ:就学前児童だから誘導が簡単だよね。判決文を読んだけど、女性側の言い分はかなり偏っているね。

弁護士 :その後の試行的面会交流も順調だったのにね。

シュシュ:裁判所の判断はどうだったのかな。

弁護士 :面会交流原則実施説を指摘したうえで、幼児、児童は一般的に暗示性が強いことを経験則で指摘しています。そのうえで、「4歳と年齢が低い上、・・・1年8カ月もの長期間が経過した時点で行われていることからすれば、本件面接時点における同女の記憶の正確性はそもそも疑問がある」とされました。

シュシュ:具体的な説示はあるの?

弁護士 :質問の仕方が「女性器を触ったと誘導する質問」と指摘して、暗示に弱い幼児に対する質問として相当性を欠くことは明らかだね。そのうえで、「その供述内容を前提としても、行為者が性的な欲求を満たす性的虐待行為とは言い難く、中立人による性的虐待行為の存在に疑念を抱かせる」と、ママさんの主張を前提としても失当である、と指摘をしています。 シュシュ:今後、幼児の誘導尋問のみを根拠とした立論には無理があるとされるかもしれないね。

弁護士 :団体がどのような団体が分からないけど、カウンセラーは自分自身が性的虐待経験を持つことが多く、中には、「こどもが何かがあったことをかたくなに否定したことを理由にこどもは虐待された」と結論付けるカウンセラーもいるね。 シュシュ:今回も試行的面会交流自体はポジティブだったのに、身体的接触を持たなかったとか、緊張感や気遣いをする様子がみられたことをもって性的虐待の根拠と主張したみたいだね。

弁護士 :試行的面会交流はおもちゃで遊んだりすることが多く、身体に触らないケースの方がむしろ多いから、これをもって性的虐待といっていることについては、「何もなかったから児童虐待があった」といっているに等しく論理に飛躍があるね。ただ、こういう主張が司法の現場では肯定されてきたんだ。名古屋家裁がそれを信用性を検討し明確に否定した意義はあきらめないで争った男性の司法差別において重要な意義を持つと考えられるね。

★面会交流の判例(平成19年11月7日)

1 原審判を取り消す。 2 相手方は,抗告人が未成年者らと3か月に1回の割合で,1回につき1時間,面接交渉をすることを許さなければならない。 3 相手方及び相手方の指定する第三者は,前項により抗告人が未成年者らと面接交渉をする間,面接交渉に立ち会うことができる。 4 第2項の面接交渉の具体的な時期,実施する場所等については,未成年者らの福祉に十分に配慮して当事者間で協議して定めるものとする。 理   由 第1 事案の概要 1 抗告人(原審申立人。昭和49年×月×日生)と相手方(原審相手方。昭和49年×月×日生)は,平成13年×月×日に婚姻し,平成14年×月×日,長女C(未成年者C)が出生し,平成15年×月×日,二女D(未成年者D)及び三女E(未成年者E)が出生した。その後,抗告人と相手方は不仲になり,平成16年×月から別居している。 2 本件は,抗告人が相手方に対し,相手方が監護している未成年者らとの面接交渉を行う時期,方法などについて審判を求めた事案である。 3 原審は,抗告人が未成年者らと面接交渉をすることで,未成年者らに悪影響を及ぼす可能性があることを理由に,抗告人の申立てをいずれも却下した。そこで,抗告人が本件の抗告をして,抗告人が未成年者らと面接交渉をすることを認めること及びその時期,方法などを定めることを求めた。 抗告の理由は,別紙抗告理由書に記載のとおりである。 第2 当裁判所の判断 1 当裁判所は,原審判と異なり,抗告人の未成年者らとの面接交渉を主文2項及び3項のとおり認めるのが相当であると判断する。その理由は以下のとおりである。 2 本件記録によれば,以下の事実が認められる。 (1) 抗告人と相手方は,平成13年×月×日に婚姻し,3人の子をもうけたが,相手方の実家で相手方の両親と同居していたこともあり,嫁姑間の葛藤などが原因で婚姻当初から不和であった。 抗告人と相手方は,平成16年×月に相手方の実家を出てアパートを借りたが,その後も不和は続き,平成16年×月に近隣から抗告人が未成年者らを虐待しているとの通報があったのをきっかけに児童相談所が介入し,抗告人は精神疾患により○○病院に約1か月間入院し,相手方は未成年者らを連れて相手方の実家に戻り,それ以降,相手方が相手方の実家において,相手方の両親とともに未成年者らを監護している。 (2) 抗告人は,平成17年×月,×月及び×月に相手方宅を訪れ,未成年者らと対面したが,その際,未成年者らは不安な態度を示し,抗告人は,相手方の説得に応じて短時間で退去した。抗告人は,その後は相手方宅を訪れることを自粛している。 (3) 未成年者らは,出生から平成16年×月に抗告人と相手方が別居するまでの間,主として抗告人に監護されていた。抗告人による未成年者らの監護状況は,抗告人と相手方の不和や抗告人の精神的な不安定さのため,家事が十分に行われず,育児にも行き届かない面があったことが窺われるが,抗告人が未成年者らに身体的な暴力を加えたことはなく,抗告人と相手方が別居した当時に,未成年者らの心身に問題があった事実は認められない。 未成年者らの年齢を考慮すると,未成年者らは抗告人と同居していた当時の具体的な記憶を有していないものと考えられる。 (4) 抗告人と相手方の別居後は,未成年者らは,相手方及びその両親による監護の下,保育園に通園しているが,心身の発達に問題はなく,概ね安定した生活状態にある。 (5) 抗告人は,平成17年×月から生活保護を受給している。上記のとおり精神疾患を患っており,平成16年×月の○○病院への入院後も数度にわたり同病院に入退院していた。 平成19年×月×日,抗告人が飲酒の上,○○病院を訪れたため,警察に保護されるところとなり,抗告人は,これをきっかけに,借りていたアパートの立退きを要求された。抗告人は,住居の確保の必要性もあって,平成19年×月×日からは□□病院に任意で入院し,薬物療法,精神・作業療法等を受けているが,許可を得て外出することは可能である。□□病院の担当医師は,抗告人が未成年者らと会うことで母親としての意識が芽生えることが期待され,未成年者らと会うことが認められない場合,病棟で抑うつの訴えが増すと思われる旨述べている。 (6) 平成19年9月×日,○○家庭裁判所において,抗告人と未成年者らとの面接交渉の試行が,相手方及び抗告人代理人の立会いの下で約50分間行われた。 抗告人は,面接交渉の試行前には,緊張感も高まり,自分の感情を統制できるか不安を抱いていたが,実際の面接交渉の場面では大声を出したり,涙を流したりなどの感情的な言動は見られず,行動は抑制的であった。抗告人は,未成年者らの一人一人に関心を向け,身体の接触時にも未成年者らのペースを乱すことなく対応した。抗告人は,事前に説明した留意事項や面接時間等を遵守し,同席した家裁調査官や代理人の指示に素直に従った。 未成年者Cは,抗告人が母であるとの認識があり,緊張した様子であったが,抗告人の問いかけにはうなずくなどして反応しており,抗告人が遊びを手伝ったり抱きかかえたりするときにもいやがる態度は見せなかった。未成年者D及び未成年者Eは,やや緊張している様子は見られたものの,抗告人を過度に警戒することなく,自分たちのペースで遊びを継続していた。 3 そこで,面接交渉の可否及びその時期,方法等について検討する。 (1) 本件記録及び上記事実経過によれば, ①抗告人が相手方及び未成年者らと同居していた時期に,未成年者らの監護について不適切な面があったこと,平成17年に抗告人が未成年者らと短時間面接したときに未成年者らが不安な態度を示したことが認められるが,既にその頃から相当期間経過しており,未成年者らが相手方の下で安定した生活をしていることからすると,それらの事情が現在まで未成年者らの情緒面に悪影響を及ぼしているとは考えられないこと, ②抗告人は精神疾患で入院中であるが,面接交渉の試行の際には抑制的に振る舞い,未成年者らのペースを乱すことなく対応し,定められたルールや面接時間を遵守することができたこと,③相手方は,原審においては抗告人との面接交渉によって未成年者らが怯えるなど情緒の安定を害する懸念があることなどから面接交渉には拒否的であったが,当審においては,審問期日,家裁調査官による調査,そして家庭裁判所における試行的面接交渉を経て,試行的面接交渉の終了の時点では,抗告人の抑制的な態度を踏まえて,子どもたちが慣れるまでは回数を少なくするなどの条件の下で面接交渉を認めるとの意向を示すようになり,面接交渉後の未成年者らの心身について配慮をするつもりであると言明したこと, 以上の事実が認められる。そうすると,抗告人が未成年者らと面接交渉をすることによる未成年者らへの具体的な悪影響は考え難く,むしろ,抗告人と未成年者らとの面接交渉は,未成年者らの健全な発達のために有意義であると考えられる上,面接交渉後の未成年者らヘの配慮を相手方に期待することもできるから,抗告人と未成年者らとの面接交渉を認めることが相当である。 (2) 他方,抗告人が未成年者らと最後に会ってから2年以上経過し,その後に1回面接交渉の試行が行われたにすぎないこと,相手方には面接交渉につき協力的な姿勢がみられるが抗告人と相手方の間には十分な信頼関係が形成されているとはいい難いこと,抗告人には精神的に安定していない面があることにかんがみると,当面の面接交渉は,抗告人が未成年者らの成長ぶりを直接見聞するとともに,しばらく途絶えていた母子の接触,交流を回復することを主な目的として実施されるのが相当である。 加えて,抗告人の未成年者らとの面接交渉の試行は,相手方及び抗告人代理人の立会い,協力のもとに実現したこと,未成年者ら3名はいずれも就学前であり,その情緒面や健康面に配慮する必要があること,未成年者ら3名の相手を同時にすることは容易ではなく,補助者が必要であることを併せて考慮すれば,面接交渉の頻度及び時間は3か月に1回1時間程度が相当であり,面接交渉の際には相手方の立会いを認める必要がある。 また,抗告人には精神的に不安定なところがあることからすると,面接交渉の際に抗告人を適切に支えることのできる第三者の立会いを条件とするのが相当である。当面の第三者としては,本件調停,審判を追行し,面接交渉の試行にも立ち会った抗告人代理人が相当であるが,将来的には抗告人と相手方の間で協議の上,抗告人のことを理解できる第三者を相手方が指定することが望ましい。 なお,抗告人には,面接交渉は未成年者らの福祉のための制度であり,面接交渉に当たっては未成年者らの情緒面や健康面に十分配慮する必要があることや,相手方が抗告人との別居後,仕事をしながら未成年者らの監護を行ってきたものであることを理解し,相手方と未成年者らの安定した養育環境を揺るがすことのないよう,十分に配慮した対応をすることが求められる。他方,相手方には,抗告人と未成年者らの面接交渉は,未成年者らの健全な心身の成長にとって有益であることを理解した上,抗告人との面接交渉に協力することが期待される。   ★却下判例(東京高裁平成19年8月22日) 第3 当裁判所の判断 1 本件の事実経過など 本件の事実経過や当事者の意向等は,原審判の「理由」第2の1項に記載のとおりであるから,これを引用する(ただし,原審判5頁19行目の「小学5年生」を「小学6年生」に,「小学3年生」を「小学4年生」に改める。)。 2 面接交渉を認めることの当否 (1) 離婚の際に未成年の子の親権者と定められなかった親は,子の護に関する処分の一つとして子との面接交渉を求めることができが,その可否は,面接交渉が現実的に子の福祉に合致するかどうという観点から判断されなければならない。 (2) これを本件について検討してみると,上記引用にかかる認定のとおり,未成年者らは,原審において家庭裁判所調査官に対し,いずれも,将来はともかく現在は相手方(父親)と面接はしたくないと明確にその意思を述べている。その意思の基礎には,以前,○○家庭裁判所における面接交渉の調停係属中に,相手方が未成年者らに対して,位置情報確認装置を潜ませたラジコン入りの小包を送ったことによる相手方への不信感があり,その不信感には根深いものがあると認められる。 また,抗告人においても,相手方が,上記のとおり調停係属中にもかかわらず位置情報確認装置を密かに送付したり,抗告人ら親子の居所を探索するために親類や恩師に対して脅迫的言辞を用いたことがあったこと(前件審判における認定)などから,相手方が未成年者らを連れ去るのではないかとの強い恐怖心をいまだに抱いていることが認められるのであり,相手方の面接交渉に関する行動につき信頼が回復されているとはいいがたい。そして,未成年者らが相手方との面接交渉に消極的な姿勢を示しているのは,このような抗告人の心情を察していることも一因となっているものと考えられる。 相手方は,原審での審問において,今後,未成年者らを連れ去ったり,居所を調べるなどのことはしないと述べているが,抗告人や未成年者らの原審における発言等に照らしてみると,その相手方に対する不信感は,このような供述があったからといって容易にぬぐい去ることはできない程度に深いものと認められる。 そうしてみると,現在の状況において,未成年者らと相手方との面接交渉を実施しようとするときには,未成年者らに対して相手方に対する不信感に伴う強いストレスを生じさせることになるばかりか,未成年者らを父親である相手方と母親である抗告人との間の複雑な忠誠葛藤の場面にさらすことになるのであり,その結果,未成年者らの心情の安定を大きく害するなど,その福祉を害するおそれが高いものといわなければならない。 したがって,現在の状況においては,未成年者らと相手方との面接交渉を認めることは相当ではない。 (3) ただ,未成年者らが父親との間で言葉を交わすなどして心情の交流を図ることは,未成年者らの精神面の発達,とりわけその社会性の涵養にとって不可欠であることはいうまでもないところであり,母親である抗告人においても,未成年者らの健全な発育,成長を真剣に願うのであれば,その重要性について十分な認識を抱いて,時間の経過にゆだねるのではなく,そのための環境作りに工夫し努力する必要があることも,またいうまでもないと考える。 記録によれば,原審における調停の過程などで,未成年者らと相手方との接点を設けるためのいくつかの方策が取り上げられたことをうかがうことができるが,今後,双方当事者においては,真に未成年者らのために,まずは手紙の交換など未成年者らと相手方との間接的な交流の機会を設けるなどして,未成年者らと相手方との間の信頼の回復に努めるなど,面接交渉の環境が整うよう格段の努力が重ねられることを期待したい。 3 よって,未成年者らと相手方との面接交渉を命じた原審判は不相当であるから,原審判を取り消し,相手方の本件申立てを却下することとして,主文のとおり決定する。

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