こどもへの面会交流でお悩みなら名古屋市のヒラソルの離婚弁護士へ無料相談
名古屋市の離婚面会交流弁護士によるこどもの面会交流援助相談。面会交流は子の人格や非監護親からの愛情を知る機会であり、また非監護親にとっても自分のこどもと交流を温める機会です。平穏であればできるだけお子様のために実施してあげたいものです。
父母のニーズ―法律相談を充実させるには?
父母のニーズに全力で相談。初回相談無料。 面会交流の場合は、会いたい側と会わせたくない側があるかと思います。
多くは会いたい、という側だと思いますが、いずれにしても、法律相談には、面会交流の実績を時系列でまとめること、離婚資料、面会が円満にいっていた時期や関係が良好があった場合はそれを示す写真などをご持参ください。当事務所も、皆様が望むカタチで面会交流が決定されるように願っております。いずれにしても戦う弁護士として面会交流紛争は得意にしており、その知見に基づく充実した法律相談ができます。 こどもの最善の利益のために専門的な弁護を行います。
面会交流調停は3.5倍に増加!―リターンマッチを招かないために
面会交流調停は3.5倍。離婚調停で合意が望ましいといえます。 なんとか離婚調停が成立しても面会交流調停で、有責性を根拠に、事実上の離婚訴訟のリターンマッチ訴訟が行われることがあります。離婚後のリターンマッチ面会交流調停にお悩みの方もたくさんおられます。特に離婚が成立しているため、無遠慮で攻撃してくるケースもあります。必要に応じて代理人弁護士を選任するなどしましょう。他方、子どもに逢いたいものの離婚調停では、面会交流を決められないというケースが本人調停の場合あります。
男性の場合は特に離婚調停は費用対効果を考え自分で行うことが多いようですが、条件漏れから深刻な問題に調停委員が触れずにいたことに気付かず、あわてて面会交流調停を弁護士に依頼し起こすということもあります。
離婚は一回限りですので、後悔のない離婚手続としましょう。
後悔のない離婚のため別居中の面会交流を後回しにしない!
ですから、離婚調停を行っている場合は、弁護士と相談をして、冷静に子どもとの面会交流を考えると良いと思います。離婚調停を成立させる際、面会交流を後回しにすると面会交流調停が起こされることがあり、費用対効果はもちろん心理的負担も重たくなります。子どもとの面会の問題は先送りにせず、離婚の際に同時に決めてしまいましょう。そのため、とりあえず離婚できれば良いということではなく、きちんとした離婚をするためには、弁護士のアドバイスも必要となってくる場合があります。 当事務所では、離婚後紛争に多い、あるいは長引く離婚協議中の面会交流について弁護士が法律相談を承っています。
こどもへの面会交流でお悩みなら名古屋の離婚弁護士の無料法律相談
こどもの意向はどのように調査されますか。
家事事件手続法65条では、家裁は、未成年者である子がその結果により影響を受ける家事審判の手続きにおいては、子の陳述の聴取,家庭裁判所調査官による調査その他適切な方法により、子の意思を把握するよう努め、審判をするにあたり、子の年齢及び発達の程度に応じてその意思を考慮しなければならないとされています。特に15歳以上の意思は原則的に尊重されます。
したがって、調査官調査の子の意向の調査などについては、当サイトの別記事がありますのでご参照ください。 離婚事件のうち、約6割に未成年者がいるとされています。当事務所はこどもに優しい法律事務所を目指しています。
親権者の場合、協議も含めて妻が8割、夫1.5割、その他子こどもによって親権を分け合うケースが0.5割とされています。 そして、離婚後親権者とならず、別居している場合は会えなくなるままのケースも少なくありません。
特に協議では面会交流・面会交渉の履行は、 ほぼ母の善意に依存しており、合意を確認したり履行を確保したりする制度的枠組みが弱いことがあります。 そこで家庭裁判所で面会交流調停を申し立てるという解決手段があります。
家庭裁判所で「公平」な裁判を受けるために―もともとは「女性」を保護するために設置された裁判所
しかし、面会交流については、間接強制による強制執行を求めた事案もあります。 これは、女性の社会進出とともに男性の家事進出があり「別れても子どもと会いたい、養育に関わりたい」という意識が高まっているのではないかと思います。 最近面会交流について即時抗告審を担当しましたが、原審を読み込んでいて思ったことがありました。 それは「子どもが父親と面会できるのは子どもの福祉に資する。なお、父母の信頼関係も大事である」という規範で判断されていたことです。この審判例には面会交流は是が非でも面会交流を認めねばならないとの信念を感じました。しかし、私は事実の経過、審判形成過程に詳細な疑問を呈上し、名古屋高等裁判所で原審は破棄されました。他方、別件では「子どもの福祉に反するおそれがないか否かを検討し、特段の事情がない場合に限り、実施の方法を検討するのが相当」と名古屋家裁審判7係は判断していますが、これは女性に寄り添い面会交流の拒否事由を広くとらえる見解といえ、これは一つの立論であるものの多くの高裁群から逸脱する点で注目に値する判例です。 この件についても当事務所が関与し、間もなく名古屋高等裁判所での判断が示されます。
別れたこどもと逢いたいと思う心情は親としては自然の感情
別れた子どもに逢いたいと思う心情は親として自然の感情であり古より別離、愛離に関する悲話は世間に浸透しているようにも思います(また、義経と母との関係もそのようなものを抱きます。)。そして、子どもが親との交流を通じて、互いが励まされ、幸せに感じるのも事実があります。そのうち、子どもは成長の過程で親をうとましく思う時期がありますが、さびしくもある反面子の成長を実感できて嬉しいと思う心情も抱くものです。
この点で、名古屋家裁審判7係は、奪うことのできない権利を別居親から奪っており、面会交流ができない状態を打開し人間関係を調整することが家裁の使命と自覚するべきものと考えられ、別居親の申立を却下するために、別居親の権利性を虐待などの面会交流拒否・制限事由がないにもかかわらず、これを根拠に別居親との権利性を弱めることは失着というべきように思います。あくまで面会交流は公正であることが必要であると感じます。
しかし、私は、相談者の方にも面会交流を行うには,離婚したとしても父母の信頼関係を大切にして、面会交流に協力することに感謝することだと伝えています。 子どもがひとりで面会交流に出かけられれば別ですが、小さい年齢のお子様との面会交流は監護親と非監護親との協力が不可欠で、離婚紛争で心が通い合わなくなった父母双方が自分の気持ちよりも子どもの気持ちを優先し、子どもの最も良い利益を考えて面会交流の方法を考えなければなりません。その困難の解消に弁護士は手続代理人として、監護親、非監護親側での調停、審判経験を活かして、親子の交流が円滑に進むよう調整を裁判所に働きかけて、相手方にも働きかけを進める努力を積み重ねています。
最近は、父親の面会交流の権利性が高く一般論としては私も同じ意見ですが、DVをしていることが明らかな夫にもこの規範をあてはめている審判をみて、違和感を覚え即時抗告を行いました。というのも、非監護親と会うことが子どもの利益になるのは、その非監護親が尊敬に値して良い影響を受けられる場合ということが重要だと思います。
リスペクトとディグニティの違いかもしれませんが、父親だから絶対、という考え方の基礎は今後の面会交流実務を混乱させるもので残念でした。 面会交流について話し合いでまとまらない場合は最終的には審判、あるいは離婚訴訟の中で面会交流についても判決が出ることがあります。
監護親と非監護親との信頼関係
男性側としては、逢いたいという気持ちがあるでしょう。他方、女性側も、子どもへの影響を排除したいという思いを持っていることが多いのです。単に、離婚による感情的拒否という不合理な部分に加えて、男性側の飲酒や怠惰な生活態度が子どもとの接触によって移らないかを心配するということです。もっとも、ある恋多き女性弁護士に女性の心情を聴くと、「女性で本当に嫌になると心のシャッターが降りてきて完全に閉じてしまうの」という説明されていました。しかし、パートナーとして相応しいことと、血縁上の親として相応しいことを混同している片親が多いように考えられます。
面会交流は「習い事」のような特別な時間として確保を!
欧米では、共同親権が一般化し、非監護親に教育の時間を与えるペアレンティングが一般化しています。このため、面会交流を「おまけ」のように考えるのためにこどもの習い事と同じようにきちんと時間を確保する意識改革がこどものためにも必要です。
そのため、女性側からネガティブな評価を受けている男性側は面会交流を拒否されやすいといえます。また、そうしたことが離婚原因になっていることは、拒否的な反応が通常よりも強く出てしまうということがあります。 こうした場合、感情なのか、合理性なのか、という判断の枠組みにも関わるところですが、どちらが絶対的に正しいか、何ともいえないところです。 離婚しているのですから、十分な信頼関係はないというのは分かるところです。
ただし、本来的には、子どもが父母の間をいったりきたりできるような環境が理想といえます。特に暴力があったような事案はいけませんが、母親の中には、元夫が天真爛漫なところがあるので子どもが魅力に感じて帰ってこないことを恐れて会わせない、というケースもあります。
監護親と非監護親との信頼関係が傷ついてきたと感じたら離婚弁護士に相談してみる―途絶えた面会交流の復活のために。
元父母としての最低限の信頼関係が弱まりつつあると監護親の意向が事態をリードすることになります。正直な子どもの思いが別居親に伝えられない結果、非監護親の方は、なぜという想いと、早く逢いたいという焦りから心身ともに不安定になるものです。その結果、監護親に対する不信感を募らせるという心理的傾向が強まるという事態となり、返報性の原則から監護親の側も不信感を募らせるという悪循環となってしまいます。このような場合は手続代理人を選任して、面会交流について解決策を検討することが必要と思います。
その意味で、離婚しても離婚夫婦としての最低限度の信頼関係を構築するように努めないといけません。例えば、面会交流の際に相手親の悪口をいうなどというのはもっての他といわなくてはいけないですね。子の監護者指定・引渡しを求める場合でも、非監護親である以上、面会交流を求めることも大事です。理論的に申し立てることはおかしいという弁護士もいますが、実績を作って子どもの本当の心を聴いてみることも大事です。
当事務所では、父母間の葛藤から面会交流を拒否され、面会交流につき保全処分を申立て、面会交流を復活させた例もあります。父母間が高葛藤ということになりますと、こどもが中心の望ましい面会交流を実施することが困難になってしまいます。 ですから、別居直後などは葛藤が高まりやすいのですが、なるべく冷静に信頼関係を保つ努力をすることが重要といえます。
非監護親のニーズ
ご相談にのっていて感じるのは、裁判所基準と非監護親のニーズが大分ずれているな、という印象です。例えば、毎日でも少しだけ逢う、二週間に一度逢う、ということも、子どもとの仲が良好な非監護親ならできます。 しかし、裁判所は最高裁の通達がありますが、月1回1時間という面会交流の相場からは出ることは難しくなっているように感じます。 乳児・幼児の場合、情緒的結びつきを保つためには、柔軟な運用が求められるように思います。 子の引渡しに関して、ハーグ条約の批准により法解釈が変更されたとの特別抗告を当事務所では行っていますが、世界をみると離婚後も共同親権となっている国が多いといえます。北米、ヨーロッパ、中国、韓国です。これらはパートナーとペアレンツの区別がついている国だといえるかもしれません。また、面会交流は年間100日以上という基準がある場合もありますが、100日というとすごいように思いますが、これは離婚後も非監護親が定期的に子どもに逢うことによってメンタルを健康に保つことができる日にちという実証的研究を元にしています。 また、協議離婚については、合意したものの、面会交流を忘れていたという場合などお気軽に名古屋の弁護士にご相談ください。
面会交流の調整―面会交流拒否事由の類型化
東京家裁では、面会交流拒否事由が類型化しており、簡易迅速に拒否・制限事由があるかどうかを判断し、調整の方向性が決められます。 これにハーグ条約での返還拒否事由などを加えると、子の福祉侵害行為がない場合は実施方向へ、あるとしても評価的にウェイトを置くものとまではいえないことについては調整はどちらにも触れ得る、子の福祉侵害行為がある場合は拒否・制限の方向へ調整が図られます。 これほど簡単に割り切ることはできませんが、主には、①子の連れ去りの危険があること、②DVであること、③子どもに暴力を振るったこと、④子の拒絶があること―というフィルターを通して、調停委員は方向性を決めていきます。審判については、様々な事情が考慮されるものと考えられます。
ハーグ条約で子の福祉侵害行為に該当するものとしては、子が15歳以上の場合、子どもの身体・精神に危害を与え、又は耐え難い状況に子どもを置く重大な危険があるとき―なども子の福祉侵害行為としての調整の方向性となるでしょう。
東京家裁でこのような類型化がなされているのは、全件に調査官を配置するほどの資源がないからであり、調停委員のレベルで方向性を決めていくためのように思われます。 ですから、地方の場合は調査官が最初から調停に同席しているようなケースもあります。
こどもの福祉―父母子の三者の利益を調和させるもの
また、面会交流は、非監護親からすれば、子どもと触れ合うことができる唯一の機会ですから、どうしても要求に力が入り、相手方の不興を買うこともめずらしくありません。 しかし、離婚で争っている元夫婦等ですから、監護親は、非監護親に対して感情的な嫌悪感すら持つに至っているケースもあり、非監護親の要求が強まれば一層態度を硬化させてしまい、様々な理由をつけて面会交流を拒まれるということになります。
面会交流は、子どもにとって、非監護親の考え方や親から見捨てられているという喪失感を和らげることができ精神的満足感にもつながるという要素もあり、フランスでは2週間に一度の面会交流がない場合は軽犯罪法に違反することとされている程です。 ただし、上記のほかにも、結局、子どもの成長に悪影響を与えるような面会交流を拒否できることは当然のことです。よくあげられる例としては、上記以外では覚せい剤の常習状態、言動に不審な点がある、過度の飲酒などの事情がある場合は面会交流が制限されることがあります。 弁護士やエフピックにとっても面会交流の紛争は大変なもので弁護士の援助が必要です。
「権利」ばかり主張しても、面会は監護親の意向次第という実態
もっとも、現実には、監護親と非監護親の信頼関係がないと面会交流は実施することはできません。このことは面会交流拒否事由に該当するわけではなさそうな場合であっても、上記で述べた感情的対立が激しくなってしまった場合については、事実上の実施が難しいものです。面会交流親には、監護親の信頼関係を勝ち取る、あるいはパートナーとしては終わってもフレンドリーシップを持つように努力することが大事です。
面会交流をするとき、こどもと打ち解けられるためのおもちゃやこどものケアグッズは必ず持っていく。
特に男性の場合、乳児の面会交流はひとりでは困難なことが事実上多く、子どもが泣き出したら対応できないといったことも考えられます。
そうすると、面会交流場所は、元夫婦の住所地となることだってあります。こういう場合は気遣いを忘れないようにすることが大事です。また、子どもとはすぐに打ち解けられるようにおもちゃなどをもっていくことが良いか、と思います。
また、子どものケアのためにミネラルウォーターは持ち歩くようにしましょう。そして定刻よりも早めに切り上げることもコツです。どうしても面会交流親は要求を強めがちで時間をオーバーして不興を買い、その後の面会交流を拒否されるということにもなります。
裁判所の履行勧告があっても、面会交流状況が不適切であることが具体的に指摘されたら、裁判所としてもそれ以上は強く履行するようにはいえないのです。こうして監護親の不安を取り除き、感謝の言葉を伝えて、次の予定をその場で決めて面会交流をつないでいくということになります。
子どもは大人とは体内時計が異なりますから、長く歩いたり遊んだりすると疲れてしまうこともあり、そのことが子どもが面会交流を望まなくなる理由となることもあります。そこで1回の面会交流は短く多頻度で会えるようにする、というのが本来の理想の面会交流のように思います。
「面会交流調停」は「離婚調停」のリターンマッチではありません!
ある男性で、面会交流審判を得て間接強制を行って嫌がらせをすることが目的と述べた人がいましたが、こういう人は面会交流親には向いていません。監護親と非監護親との間で協調する姿勢をみせなければならないので、相手を打ち負かすことが目的ではない、ということをよく認識しておく必要があります。結局、相手である監護親を審判などで「負かせても」任意の履行が期待できるとはとても思えません。面会交流調停は、面会に向けたステップの一つで、元夫婦のリターンマッチ訴訟ではないことをよく理解しましょう。結果的に相手方に圧力をかけて望みの結果が得られても、それで相手方の闘争心に火がつけば、いずれ意趣返しされることは目に見えています。
監護親の責務
従来は面会交流をさせる側の監護親が、非監護親(面会交流親)に対して、容易に面会をさせない傾向がみられました。たしかに子どもの利益に反するのであれば面会交流は否定されるのが相当です。しかし、子どもが長期的にみて健全な心身発達を遂げて年齢に応じた健全な人格形成を図っていくためには、非監護親との間の心的な信頼関係を回復することが不可欠であり、そのためには、子どもと面会交流親との面接交渉を実施し、これを通して意思疎通を図っていくことが肝要であるとされています。そして面会交流実施の過程で、監護親は子どもに対して非監護親を敵視するような言動をとってはならないことはもちろん、子どもの面会交流親に対する誤解をとかせ、子どもが面会交流親との面接に応じていくように、子どもに働きかけていく必要性があり、この働き掛けは、子どもを監護している親にとっては、子の健全な発育を図るために実行する責務といわれています(東京家庭裁判所審判昭和62年3月31日家月39巻6号58頁)。
そして、子どもの最善の利益に関する問題について個人的な感情だけから最低限のことも拒否するとなれば、面会交流親については以後の面会交渉が困難になることが考えられ、父については、子どもの親権者としての適格性まで問題にされることも通じるから、ルールが設定されればそれなりに自制が働くことは期待し得る余地もあるとみられるとの指摘もあります(名古屋家裁審判平成2年5月31日家月42巻12号51頁)。このように面会交流は事実上監護親の許可に依拠しておりそれを許可しないことが、親権者としての適格性の問題につながることが指摘されており、場合によっては親権者変更の可能性も出てくることを示唆されています。これらは特殊な事情の有無にも左右されます。
監護親による面会交流の妨げは合理的理由がないと逆効果も・・・
今般、面会交流拒否が意図的に吹き込みなどを行ったと指摘し親権者変更を命ずる審判例が出されています。繰り返すように面会交流には特殊事情があることが多いと思いますが、福岡家庭裁判所審判平成26年12月17日は、「母親の言動が原因で子どもが面会に応じていない」と指摘し、面会交流親が求めた親権者変更の申立を認めています。この判例は父親を親権として離婚した母親が親権者変更を申し立てた事案で、母に監護権、父に親権を分属させ、その論拠は父は面会交渉が期待できる、と判示した仙台高裁決定平成15年2月27日家月55巻10号78号の影響を受けているものと考えられます。 フレンドリー・ペアレント・ルールは徐々に日本法においても、その支持が浸透しつつあり、親権の取得は面会交流を事実上許可することが条件なのであって、「母親を親権者とした前提が崩れており、母親の態度の変化を促し、円滑な面会交流の再開にこぎつけることが子の福祉にかなう」と指摘したと報道されています。
本件では、関東に住んでいた30代夫婦の離婚調停で双方が長男(現在は小学生)の親権を望み、母親は協議中に長男を連れて福岡県へ転居したものであり、最終的には、離れて暮らす父親と長男の面会交流を月1回実施するのを前提に、母親を親権者とすることで2011年7月に合意した。もともと父親と長男の関係は良好だったが、面会交流は長男が拒否する態度をみせうまくいかなかった。父親側は「母親が拒絶するよう仕向けている」と親権者変更などを福岡家裁に申し立てていた。家裁は家裁内の科学調査室で試行面接を2回実施し、長男は1回目は父親と2人で遊べたが、2回目は拒否。同審判は、長男が「(マジックミラーで)ママ見てたよ」といった母親の言動を受け、1回目の交流に強い罪悪感を抱き、母親に対する忠誠心を示すために父親に対する拒否感を強めたと推認するのが合理的と指摘。面会を実施できない主な原因は母親にあるとした。
その上で、家裁は親権を父親、監護権を母親へ分けるべきだと判断。「双方が長男の養育のために協力すべき枠組みを設定することが有益。子を葛藤状態から解放する必要がある」とも指摘されています(引用、大分合同新聞平成26年12月18日付)。
こうした裁判例は、上級審で維持されるか不明な点もありますが、そもそも親権と監護権の分属自体が望ましくないと解されることから、この裁判例が上級審で維持されるかは不明なところがあります。また、監護親は面会交流を貫く母親側にあるわけですから親権を取得し、たしかに親権には子どもの居所指定権などもありますが論理的に監護権に由来するのか、親権に由来するのかは不明な点があり、主には財産管理権が中心となる親権を分属させ非監護親に取得させたところで、面会交流でどれほどの意味合いがあるのか、私見はかかる解決に疑問を差し挟む必要があると考えています。
やはり面会交流を行うよう調停を係属し、調査官関与の下実施させ余後を観察するのが相当のように思われ、親権者変更を許容することと問題解決との間に距離感を感じてしまいます。法的解釈としては私見はこれに反対を唱えざるを得ません。
面会交流を拒んだことを理由に、親権者変更をされる恐れも出てくるということは従来から指摘されていましたが、本件では、詳細な事実経過があるように、科学調査の過程で監護親による子どもへの面会交流親に対する悪性の吹き込みを認定したことが一番事実として重たく、事実経過としても子どもが面会交流親との面会を拒否するに至るほどのもので、子どもを強い忠誠葛藤下に置くことはかえって、子の最善の利益に適わないと判断したものであり、こうした過程を事実で明らかにした面会交流親側の努力があったものと評することができます。このように学説でも面会交流は、監護者の監護教育内容と調和する方法と形式において実現させ、もし、これを悪化させる可能性があれば制限・拒否事由に該当するものとして制限されるという見解が主張されています。
面会交流に関しては、当事者が漠然と無計画に子と別居親と面接させても円滑にいかないことが多く、弁護士が介入する必要があります。まず、弁護士としては、こどもが忠誠葛藤を生じさせないよう配慮するとの基本的理解を持つことです。また、別居親については、こどものペースにあわせるよう指導・助言が必要となります。短時間しか会えない父親は、濃密な計画を組んで、あまりに多くのことをこどもに求め疲労させてしまう例もあります。さらに、別居親は同居していませんので、こどもの日常、子と生活を共にしていないが故子の最近のニーズ、発達段階を知らないことが多く、子と適切な対応ができないことが多いといえます。 したがって、同居親からの情報を弁護士を通じて伝えるなどということも考えられます。
例えば、こどもと別れた時点での発達に対応したことしかできないため、紙飛行機や料理を父親が全部作ってしまうケースがありますが、むしろこどもは一緒に作りたがる発達段階を迎えるようになります。また、スキンシップも普通は小学校高学年になると嫌がるようになりますが、記憶がいつまでも小学校1年生として接してしまうとこどもから面会を拒否されてしまうケースも稀ではありません。さらに、同居親はサンタクロースのイメージを持たせようとすることがあります。
しかし、母のしつけと矛盾することも多いので、同居親と十分協議して了解を得るようにしましょう。 強調しておきたいことは、面会交流は、子の発達段階に会わせた柔軟性が必要であって、こどもも小学校高学年になると、友人、仲間との交遊が大事になってくる。常に硬直した形で、父との面会交流を友人関係より優先させると、こどもは面会交流を嫌がる場面が出てきます。したがって、面会交流は弁護士が、相手に発達の程度に応じて、行うことが大事ですよ、と指摘したりすることもできます。 他方、面会交流紛争の監護親(とりわけお母さん)は、感情労働的側面のある継続的な行為の履行義務者の立場におかれます。そのストレスが高い場合もあり、裁判所は考慮の対象にはしていませんが、中には非監護親が、監護親とこどもとでは、百面相のように態度を変える者もいて、こどもがよろこんでいても、母親にはストレスということも可能といえます。
依頼者の中には、面会交流に合意しても、立会人に暴力を振るうなどしたことから、立会人から母親が責められストレスを高めたという実例もありました。ですから、ストレスの受忍限度という側面からも、メンタルに立ち入って検討のテーマにするべきではないか、と考えています。
当事務所では、多くの面会交流調停・審判に関与する弁護士事務所ですので、是非、ご相談ください。子どもへの面会交流でお悩みなら名古屋の離婚・家族の弁護士へ無料相談ができます。 面会交流については、民法766条1項において「父又は母と子との面会及びその他の交流」と民法の明文に規定されています。そもそも、共同親権行使であるものが日本では離婚後は単独親権行使になります。これは財産管理権について離婚している元夫婦の共同親権行使とすると子の福祉に反することがあるとされたものと理解されています。したがって本来的に監護権は一定の共同が望ましく親権は潜在化したにすぎないとされています。面会古流権はもともと権利でしたが民法766条1項の規定により、実体的な権利とされています。
具体的には、子と別居している親が子と電話やメールによるやりとり、写真や贈り物の交換等をすることをいうものとされています。 面会交流は平成23年まで明文の根拠がなかあったのですが、東京家裁昭和39年12月14日がこれを認めてから一貫して認められてきたのは、監護権については実質は共同が望ましいという点があるとされ親権は潜在化しているにすぎないと解されていたからではないかと思われます。
ただし、現在もですが、具体的なことは、夫婦間での合意、調停、審判での決定があって権利に具体性が出てきています。ですから面会交流については、ある程度具体的に取り決めをしていく必要があるでしょう。 家庭裁判所では、面会交流権を認めていましたが、子の福祉や子の最善の利益に反しない限度という留保と限界がありました。これらは調停や審判は非訟で裁判官がする行政処分ですから各裁判体によって考え方が相当異なっていたように思われます。昭和39年以来、「子の福祉に反しない」という限度の具体的内容及び範囲をめぐって争われてきました。 現在でも、子の最善の利益に反しない限度の具体的内容及び範囲をめぐって争われるのは、同じといえます。すなわち、権利性や具体的内容に争いがあるのは同じなのです。
面会交流権は非監護親の権利に。
面会交流は離婚時に限られず、別居時にも認められます。最高裁はこのとき調査官解説が面会交流を求め得る請求権ではなく、裁判所に対して子の監護のために必要な処分を求める権利にすぎないと理解していたと解説していたのです。 現在の家庭裁判所実務は、個人的意見では、杉原調査官解説の効力は失われ、裁判所に処分を求める権利ではなく、潜在的親権を背景にする面会交流権とする立場や民法の規定を根拠とする実体的権利とする見解が多いように思われます。 しかし、日本では、歴史的経過は検証される必要がありますが、もともとは男性側が引き取ることが多かったので女性の問題だったのです。それが転換してから問題がより大きくなったようも思われます。「男は離婚したらこどもに会わない」という文化が次第に定着していくようになりました。
むしろ、男性でも女性でも、引き取った方に完全な支配権があり、それを阻害することは他人の家に関わることなので、避けられてきたように思われます。 こうした背景があり、東京家裁が面会交流について、原則実施説を採用した後も、面会交流は、これを求める親権者とならなかった父母と親権者となった父母との間で深刻な対立を引き起こし、場合によっては、離婚調停は終わったのに面会交流でリターンマッチを仕掛けてくる方もいます。
長い間、面会していない場合は、試行的面会交流を裁判所や離婚弁護士に依頼して、行うことが考えられます。裁判所の場合は、プレイルームというところで、お子さんと会って一緒に遊んでその様子を相手方父母が観察するということになっております。歴史的には、松江家裁が合同面会交流を実施して、離婚した父母をプレイルームで遊ばせてみたところ、こどもの福祉を考えてもらえる内省を深めるものが多かったこと、同じ部屋にいるのは反対という声に配慮してワンウェイミラー方式で観察できるようにしたことがあります。
はじまる「親教育」―親ガイダンスという名称で
本来の目的は、「親教育」にあるので相手方父母にもみてこどもが楽しそうにしている姿をみてもらうことになります。こうして円満に面会交流を再開できることが増えたのです。 現在では、「試し」の試行的ではなく、基本的には長らく面会交流していない多くは父子関係の修復について支援する目的で行われていると考えられています。 面会交流が審判で認められた場合は、これを履行しない場合、約束違反となります。そこで強制執行はできるのでしょうか。わたくしは法律を改正して直接強制ができるようにすべきだと考えています。なぜなら、子の監護者指定・引渡しでは、こどもの引渡しが強制執行でできます。
現在、ハーグ条約国内施行法に合わせて、法整備が進んでいます。面会交流は時間などが実施要領で具体的に決められているので、執行官が受渡場所まで連れて行くということも認められないと引渡しが認められることとの平等がないのではないか、と考えられてしまいます。 しかし、日本では立法政策の問題から面会交流の強制執行はできません。そもそも面会交流に関する法律がないことが問題を複雑にしているかと思います。わたくしは、離婚後のこどもと非監護親との面会交流に関する法律を作り、そこまで整備をしないと裁判官の気分で認められる、認められない、というのも決まってしまいます。
監護親のペナルティ:間接強制
判例法理といっても最高裁は面会交流について判断することは極めて稀です。現在、強制執行として間接強制が認められています。イメージとしてはペナルティとして5万円程度を養育費や婚姻費用からマイナスするということをしています。このような間接強制ができる場合というのは給付内容が特定された実施要領が定められた場合に限られているのです。これが最高裁平成25年3月28日です。25年判例以降、実施要領が流行したのですが、現在、揺り戻しが起きていて二回目の調停でない限り、審判で実施要領をつけることをしない、というような収縮現象も起きています。どのような場合に面会交流の実施要領を定めるか、論文も公表されましたがどれくらいの影響力があるかは不明です。 いいかえると家庭裁判所の審判では、通常は強制執行できるものにしますが、家裁は事案、当事者の意向、拒否型であるか否か、などから直ちに強制執行できる主文にしないことがあります。特に調停ではその傾向が相当程度強まってきている印象を受けます。 したがって、任意の履行が期待できないのであれば、それを離婚弁護士から裁判官に伝え、間接強制ができる処分をするよう申し入れをしておくということが考えられます。 間接強制金は裁判官の面会交流についての考え方や当事者の意向、拒否の程度によって十人十色の内容となります。面会交流の重要性や紛争性などを総合するのですが、養育費の6割くらい、又は、5万円というケースが多いのではないかと思います。しかし、不合理な拒否や駆け引きに用いたような事例に東京家裁の裁判官が怒って、一回の不履行あたり50万円の支払いを命じる処分をしたこともあります。このケースでは決定後すぐに面会交流ができたとのことで、裁判体の考え方が大きく影響するといわれています。東京高裁では20万円に減額されましたが、面会交流が再開されたために必要性が減退したため一方に肩入れしている決定とみられかねないので「減額」したのではないかと思われます。 それだけ紛争が先鋭化し、紛争が鋭利化しています。ただし、ほぼ毎日のように面会交流して、面会は「自由」という元夫婦もたまにいます。その秘訣をみるとたいていは養育費を算定表より多めに支払っているという実態がありました。
面会交流権侵害の損害賠償を起こす前に粘り強い家事調停
理論的には、審判で面会交流が出ても会わせないと、債務不履行で損害賠償を命じられることがあり、横浜地裁などで裁判例があります。しかし、これは「最悪」のシナリオです。裁判所というのは利害を調整する場です。互いの弁護士ももっと、そして当事者ももっと柔軟に面会交流や子の最善の利益に配慮をすべきでした。その病理的結果なのであって損害賠償請求までいってしまったら面会交流は未来永劫困難ということもあります。そうなる前に離婚弁護士などに法律相談をしておくなどすると良いでしょう。