名古屋駅ヒラソル離婚法―年金分割
年金分割はどうなるか
1 年金分割とは、離婚する際、夫婦が加入していた厚生年金(旧共済年金)の二階建ての保険料給付実績のうち、報酬比例部分については、多い方から少ない方へ分割するというものですが、共働きの場合は互いに請求ができます。
2 年金分割には、合意分割と3号分割の2つがあります。実務上、重要なのは、合意分割の方で3号分割は実際にはほとんど行いません。
3 合意分割
詳細は省くのですが、合意分割は、平成20年より前、そして、1号、2号の場合について、分割割合を夫婦の合意によって決めるものです。分割割合の上限は50パーセントですが情報通知書に本件では、分割の上限はこうですよ、と個別に記載があります。
分割の対象になるのは、夫婦双方の結婚期間中の標準報酬総額の合計額であり、夫婦の一方の対象期間標準報酬総額ではありません。つまり標準報酬月額が、8000万円と2000万円の場合があります。この場合、按分割合が0.5とすると、分割により、夫から妻に割り当てられるのは、4000万円ではなく3000万円となります。なんとなく、1億円の0.5で5000万円ではないかという気もします。夫婦双方の対象期間標準報酬総額の合計額1億円に対する妻の分割後における対象期間標準報酬総額(5000万円)の割合が50パーセントになるのです。つまり、通算すれば1億円ですが、半分は5000万円というところ、つまりはすでに自分で2000万円を持っています。なので5000万円に満つるまでの3000万円が、分割額となるとされています。
4 常に50パーセントの分割が認められるか
合意分割は、制度上、その範囲が最大で50パーセントであることから、例えば30パーセントというような分割も可能です。ただし、審判に移行する場合は、原則50パーセントになることで、判例は固まっているので、あくまでも話し合いと考えましょう。
5 請求期限
請求期限は、2年内です。しかし、離婚と同時に処理されている方が多いように思われます。
6 3号分割
3号分割とは、第3号被保険者の請求に基づいて、第3号被保険者期間について、第2号被保険者の厚生年金保険料の納付済み記録の2分の1を第3号(専業主婦等)被保険者期間について、第2号の被保険者の厚生年金保険料の納付済み記録の2分の1を第3号被保険者に分割する制度です。
第2号被保険者とは、民間企業のビジネスマン、公務員、私立学校の教師、第3号被保険者とは、第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の専業主婦ないし年収130万円未満の人ということになります。3号分割は機械的に2分の1です。対象期間は平成20年4月以降の第三号被保険者期間のみです。このため、結婚期間のすべてが対象となる合意分割と比べて、メリットが少なく、実務上はあまり利用されていません。
可能なのは2年間です。