離婚後のお悩みを抱えた方へ~行政給付や慰謝料、財産分与、養育費、面会交流、年金分割~
離婚後のお悩みを抱えた方へ~行政給付や慰謝料、財産分与、養育費、面会交流、年金分割~
- 何とか離婚は成立したけれど、その後の生活が苦しくて困っている
- 協議離婚の際、養育費や財産分与などの話を何もしなかったので後悔している
- 相手が約束したはずの養育費を払ってくれない
- 相手が無茶な面会交流を求めてきて子どもも自分も困っている
- 元妻が再婚したら、子どもに会わせてもらえなくなった
夫婦や親子の問題は、離婚したからといってすべて解決するとは限りません。
離婚後にもいろいろな問題が持ち越されるケースが多いので注意しましょう。
今回は離婚後によくあるお悩みに弁護士が答えていきますので、離婚時に相手と条件を取り決めなかった方や生活に不安のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.離婚後によくあるお悩み
離婚後、弁護士にご相談されることが多いのは以下のようなお悩みです。
- 離婚後の生活が苦しい
- 養育費や財産分与などの取り決めをしなかった
- 養育費の金額を変えたい
- 養育費を払ってもらえない
- 面会交流に関するトラブル
- 年金分割したい
- 慰謝料請求したい
それぞれについて解決方法をご説明していきます。
2.離婚後の生活が苦しい
離婚したのはよいけれど、収入が低く相手からの養育費も低額なので、子どもとの生活を維持できない方が少なくありません。
確かに小さい子どもがいると、働きに出ようとしてもパートなどしかできなかったり、保育所代が負担になってしまったりするので生活が苦しくなりがちです。
離婚して「ひとり親」になった場合には、行政からさまざまな給付を受けられる可能性があるので、ぜひ利用してみてください。
2-1.児童手当
婚姻中も受け取っていた方が多いと思われますが、離婚後も児童手当は受給できます。
給付期間は子どもが生まれてから中学校を卒業するまで、金額は子ども1人あたり月額1万~15,000円(子どもの年齢や人数によっても異なります)となっています。
児童手当は世帯主へ振り込まれるので、離婚前は父親(夫)が受け取っていても離婚後は母親が受け取ることになるケースがよくあります。世帯主が変更された場合には役所で児童手当の受給権者を変更しましょう。
2-2.児童扶養手当
ひとり親として子どもを育てている場合、児童扶養手当を受け取れる可能性があります。
給付期間は子どもが18歳になる月までで、給付金額は子どもの人数によって異なります。
1人なら月額43,000円程度、2人なら月額1万円程度加算、3人目以降は月額6,000円程度が加算されます。ただし所得が高くなると減額され、制限所得額を超えると受給できません。
収入が低く生活が苦しい場合には児童扶養手当を受け取れる可能性が高いので、1度役所へ相談に行ってみてください。
2-3.医療費の助成
ひとり親家庭の場合には医療費の助成を受けられる可能性もあります。
まず所得が制限額よりも低ければ、親と子どもの両方の医療費を助成してもらえる自治体が多数です。
また所得制限を超える場合でも、子どもの医療費は支援してもらえる可能性があります。
医療費助成制度は自治体が運営しているので、利用したい場合には1度役所へ相談に行ってみましょう。
2-4.住居手当
各自治体では、ひとり親家庭への住居支援も行っています。所得制限はありますが、家賃をいくらか支援してもらえるケースが多数です。こちらについても自治体によって内容が異なるため、1度役所へ相談に行きましょう。
2-5.各種料金の減免など
自治体やお住まいの地域により粗大ゴミの料金、公共交通機関の利用料金など、各種の減免措置も適用されるケースがあります。
所得が低い場合、健康保険料などの支払いも減免してもらえる可能性があるので、困ったときには不払い状態で放置したりカードローンを利用したりせず、役所へ相談してみてください。
2-6.生活保護
支援を受けてもどうしても自力で生活できない場合には、生活保護を申請しましょう。生活保護を受ければ税金も健康保険料もかかりませんし医療費も無料になります。
子どもとの最低限の生活を守れる程度のお金は支給されるので、借金に頼る必要もありません。
困ったときには福祉事務所に相談に行き、アドバイスに従って生活保護を申請してみてください。
3.養育費や財産分与などの取り決めをしなかった
離婚時に養育費や財産分与などの取り決めをしなかった場合、離婚後にトラブルが起こる可能性があるので注意が必要です。
養育費は子どもが成人するまでいつでも請求できますし、財産分与は離婚後2年間であれば請求可能です。
自分たちで話し合っても解決できない場合には、家庭裁判所で調停をしなければなりません。
相手との交渉や調停を弁護士に依頼すると手間をかけずに良い条件で解決できる可能性が高くなるので、困ったときには1度相談してみてください。
4.養育費の金額を変えたい
1度養育費の約束をしても、その後金額を変えたいと希望するケースが少なくありません。
たとえば相手の収入が上がったので増額してもらいたい場合、再婚したので養育費の金額を減らしたい場合など。
養育費の金額も、基本的には当事者同士で話し合って調整するものです。自分たちで決められないときには家庭裁判所で養育費増額調停や養育費減額調停を申し立てましょう。
養育費の金額交渉や調停も弁護士に依頼できるので、困ったときには1度相談してみてください。
5.養育費を払ってもらえない
養育費の取り決めはしたけれど、約束通り払ってもらえないお悩みもよく聞きます。
その場合、養育費の約束を公正証書にしているかどうかで対応が変わってきます。
公正証書があれば、すぐにでも相手の給料や預貯金などを差し押さえて養育費を回収できます。
一方で公正証書がない場合、まずは養育費の調停をして権利を確定しなければなりません。
調停や審判で決まったにもかかわらず相手が支払をしない場合には、裁判所へ申し立てて給料や預貯金、保険などの差し押さえを行います。
養育費を払ってもらえないときの対処方法は状況によっても異なりますし、裁判所を介した手続きが必要になるケースもあり、おひとりで対応するには不安を感じる方も多いでしょう。
困ったときには弁護士に相談してみてください。
養育費については増額請求、減額請求など事情変更がある場合につきましても、ご相談ください。
6.面会交流に関するトラブル
子どもがいるご夫婦の場合、離婚後に面会交流を巡ってトラブルになるケースも少なくありません。
- 子どもと会わせてもらえない
- 元妻が再婚したら子どもと会わせてもらえなくなった
- 元夫が強硬に面会交流を求めてきて困っている
- 面会交流させたくない
同居親も別居親も、それぞれ悩みを抱えがちです。
面会交流に関するトラブルを自分たちで話し合って解決できない場合、やはり家庭裁判所のサポートを得る必要があります。
面会交流調停を利用して話し合いを行い、それでも無理なら裁判官に面会交流方法を指定してもらわねばなりません。
また面会交流を拒否し続けていると、慰謝料が発生する可能性もあります。
トラブルが大きくなる前に、弁護士へ相談してスムーズに解決しましょう。
7.年金分割したい
離婚時に年金分割の取り決めをしなかった場合には、離婚後に話し合いが必要になる可能性があります。
3号分割であれば相手の同意が不要なので離婚後1人で年金事務所に行って手続きできますが、合意分割の場合には相手の同意が必要です。
相手と話し合っても合意できない場合には、家庭裁判所で年金分割調停を申し立てましょう。調停で決められない場合には審判によってほとんどのケースで0.5(2分の1)の割合で年金分割してもらえます。
ただし年金分割には「離婚後2年間」の期間制限があるので、急がねばなりません。期限を過ぎると標準報酬改定請求(年金分割の手続き)を受け付けてもらえなくなるので注意しましょう。
8.慰謝料請求したい
婚姻時に相手が不倫していたり相手からDVを受けていたりしたら、慰謝料を請求できる可能性があります。
ただ離婚時には急いでいたので慰謝料を請求できなかった方もおられるでしょう。離婚後に相手の不倫が発覚するケースも少なくありません。
そういったケースでは、離婚後であっても慰謝料請求できる可能性があります。相手が任意に慰謝料を払わない場合には、慰謝料請求訴訟を起こして裁判所に慰謝料支払い命令を出してもらう方法も。
ただし裁判で勝つには証拠が必要ですし、法的に整理された的確な主張と証拠による立証活動をしなければなりません。
さらに慰謝料請求権には「離婚後3年間」という時効も適用されます。
おひとりで対応すると大変な労力とストレスがかかりますし、失敗するリスクも高まります。離婚後に慰謝料請求したい方がおられましたら、早めに弁護士に相談してみてください。
9.離婚後のご相談はお気軽に
離婚後、さまざまな問題が発生して困ったときには専門家のアドバイスを受けるようお勧めします。
1人で悩んでいても解決にはなりません。弁護士であれば、今やるべきことを明らかにできるので、今後の道筋をはっきりさせられます。苦しい思いを第三者に聞いてもらうことで、気持ちがすっきりして前に進める方も少なくありません。
当事務所では離婚関係のご相談を初回60分無料とさせていただいております(ただし、離婚後紛争は30分無料です。)ので、離婚後に何らかのお悩みを抱えた方はお気軽にご利用ください。