離婚調停を申し立てたい方へ、メリット・デメリットや注意点を解説

 

離婚調停を申し立てたい方へ、メリット・デメリットや注意点を解説

 

  • 相手が離婚に応じてくれない
  • 相手と離婚協議をしようとしても無視されてしまう
  • 直接話し合うと、どうしても感情的になってしまう
  • DVを受けていて、相手と直接話し合うことはできない

 

協議離婚が難しい状態なら、離婚調停を申し立てましょう。調停を利用すれば、調停委員に話し合いを調整してもらえますし、相手と直接話す必要もありません。もっとも調停委員さんについては、必ずしも法律の専門家ではない場合もあります。確実に自分の言い分を知らせるためには、調停に弁護士を就けることも考えましょう。

 

今回は離婚調停を利用すべきケースや申し立て方法、注意点などの基本知識をお伝えしますので、離婚協議が難航してお困りの方はぜひ参考にしてみてください。

 

1.離婚調停とは?

離婚調停とは、家庭裁判所で離婚問題について話し合うための手続きです。

裁判所の「調停委員会」が夫婦の間に入り、離婚問題を解決するための支援をしてくれます。具体的には、男女の調停委員が1名ずつ、裁判官1名の合計3名で「調停委員会」が構成されています。

たとえば調停委員が妻の意見を夫に伝えたり、夫の対案を妻へ提示したりします。夫婦が直接話をせずに済むので、感情を抑えて冷静に対処しやすくなる効果があります。

 

また調停委員会から夫婦双方へ調停案(和解案)を提示してくれることも少なくありません。夫婦双方が調停案に合意すれば、離婚を成立させられます。

 

子どもの親権についてもめごとが発生していたら、家庭裁判所の調査官が調査を行うケースもあります。調査官調査の結果を踏まえて、子どもの現状が明らかになったら、親権争いも解消しやすくなるでしょう。

 

このように、離婚調停を利用すると自分たちだけでは解決できなくても離婚を成立させられる可能性があります。

 

協議離婚を目指して話し合っても決裂してしまった場合には、離婚調停へとステップを進めましょう。

 

2.離婚調停のメリット

離婚調停には以下のようなメリットがあります。

2-1.冷静に話し合える

離婚調停を利用すると、基本的に相手と直接話すことはありません。相手と同じ空間に居ると、「売り言葉に買い言葉」ということもあるかもしれません。

相手の意見は調停委員を介して伝えられますし、こちらの意見は調停委員を介して伝えます。

お互いが顔を合わさないので感情を抑えやすく冷静な判断が可能となるメリットがあります。

自分たちで話し合うと言い合いになってしまうご夫婦でも、離婚調停を利用すれば離婚を成立させられるケースが少なくありません。

ただし、第三者が挟まるため、真意が伝わりにくい可能性もあります。これは弁護士がポイントを突いた主張をすることで解消するということができるでしょう。

2-2.法律的に妥当な解決を目指せる

法律的な知識の少ない方同士が離婚協議をすると、法の定める基準から大きく外れた条件を設定してしまいがちです。たとえば財産分与や養育費をもらえるはずなのに放棄してしまったり、反対に過大な養育費や慰謝料の支払約束をしてしまったりなど。

後から法律の基準を知ったとしても、協議のやり直しは多くのケースで困難となるでしょう。

共産党の弁護士が、法外な要求をしてくることがあります。しかし、「ここは裁判所である」というと、裁判所のルールに照らした主張以外は排斥される傾向もあります。

離婚調停を利用すると、弁護士、調停官(裁判官)や調停委員が関与するため基本的には法律の考えに沿った条件を提示されます。一方が無茶な主張をするといさめてくれるのが通常であり、法的基準からかけはなれた条件で合意する可能性は極めて低いといえます。

 

法律的に妥当な解決を目指しやすい点も離婚調停のメリットといえるでしょう。

 

2-3DV案件でも安全に離婚を進められる

DVやモラハラが行われているケースでは、自分たちだけで協議離婚の話を進めるのが困難になるもの。「離婚したい」と告げれば相手が感情的になり、暴力を振るわれるかもしれません。

 

離婚調停を利用すると、相手と直接接触しないので危険を避けられます。特にDV案件など特別の注意が必要な場合、「別室調停」といって夫婦がそれぞれ別の部屋に待機し、調停委員が移動して話し合いを進める工夫をしてくれるケースも多々あります。相手にはこちらのいる部屋を伝えられないので、見つかって暴力を振るわれるリスクはほとんどありません。

 

もちろん相手に住所を知らせることもなく、安全に手続きを進められます。

DV案件でも安心して離婚を進められるのはメリットとなるでしょう。

2-4.相手が無視する場合でも離婚できる可能性がある

相手と離婚協議をしようとしても、無視されるケースが少なくありません。何度メールや手紙を送っても何の連絡も無ければ協議離婚はあきらめるしかないでしょう。

また、当事者間のLINEでのやりとりが親権者指定などに不利に認定されるケースも多く、メールやLINEでの離婚協議は適切ではありません。

離婚調停を申し立てると家庭裁判所から呼出状を送ってもらえます。当事者が連絡している段階では無視していても、裁判所からの呼出状が届けば応答する人は少なくありません。

調停にも出席しない場合には、調停を不成立にして訴訟提起も可能です。

 

相手が無視して離婚協議を進められないなら、早めに離婚調停を申し立てましょう。

 

2-5.調停調書に強制執行力がある

離婚調停で合意ができたら、家庭裁判所で調停調書が作成されて当事者へ送られてきます。

調停調書には「強制執行力」があるので、義務者が約束を守らない場合「強制執行」が可能となります。

たとえば相手が養育費や財産分与のお金、慰謝料などを支払わなければ相手の給料や預貯金などを差し押さえられます。

 

このように調停調書には強制執行力があるので、合意内容を実現させやすい点もメリットといえるでしょう。

 

3.離婚調停のデメリット

離婚調停にはデメリットもあります。

3-1.必ず解決できるとは限らない

調停はあくまで話し合いで解決するための手続きなので、強制力はありません。

相手が「絶対離婚しない」といっていたり、お互いの希望する離婚条件が合致しなかったりしたら最終的には不成立になってしまいます。

離婚調停を利用しても必ずしも解決できるとは限らないので注意しましょう。

 

3-2.調停委員が味方してくれるとは限らない

離婚調停では、調停委員が「中立的な立場」から当事者間の調整を行います。

調停委員は夫婦のどちらかの代理人ではありません。自分の味方となって相手を説得してもらえるとは限らないので注意しましょう。反対にこちらが説得されてしまうケースも少なくありません。例えば、モラハラを受けた被害者に対しても、「モラハラは離婚原因にならない」「モラハラの一つや二つ許してやりなさい」と発言する残念な調停委員もいると聴きます。

離婚調停で味方や代弁者がほしければ、弁護士に代理人を依頼する必要があります。当事務所の弁護士は調停での代弁を得意としております。

 

3-3.手間と時間がかかる

離婚調停を申し立てる際には調停申立書を作成したり戸籍謄本を取得したりしなければならず、手間がかかります。

調停期日は月1回程度開かれますが、基本的には毎回出頭しなければなりません。

手間や時間をとられることも離婚調停のデメリットのひとつといえるでしょう。

 

4.離婚調停を利用すべきケース

以下のような状況であれば、離婚調停を申し立てるようお勧めします。

4-1.相手が離婚に応じない

相手が離婚に応じない場合、自分たちで話し合いを進めても合意できる見込みは小さいでしょう。説得できそうであれば協議を進める余地もありますが、相手が「絶対離婚しない」という拒絶の態度を明確にしているなら離婚調停を申し立てるようお勧めします。

 

4-2.不倫したかどうかについて争いがある

相手の不倫が原因で離婚する場合には、慰謝料を請求したいと考える方が多数です。

しかし実際に慰謝料を請求すると、相手が不倫を否定してトラブルになるケースが少なくありません。

不倫の事実があるかどうかで争いが発生すると、話し合いによって離婚を成立させるのが難しくなりがちです。溝を埋められないのであれば、離婚調停を申し立てましょう。

 

4-3.感情的になって話し合いができない

直接話し合うとお互いが感情的になってしまう場合、自分たちだけで協議を進めても合意できる見込みは低くなります。

 

同居している場合にはいったん別居して冷却期間をおくとよいでしょう。別居と同時に離婚調停を申し立てて、調停委員の介在のもとに離婚の話し合いをするようお勧めします。

 

4-4.財産隠しをされる

離婚の際、夫婦共有財産があれば基本的に2分の1ずつに分け合って財産分与ができます。

ところが実際には相手に財産を隠されて、公平に財産分与できないケースが少なくありません。自分たちだけで話し合うと、相手に強制的に財産を開示させることができず「そんな財産はない」といわれてしまう可能性も高くなります。

 

離婚調停になれば調停委員から相手に財産開示を要求してもらえるので、開示を受けられるケースが多々あります。

 

ただし調停でもどういった財産があるのかある程度、特定しなければなりません。「相手が何かの財産を隠し持っているのですべて出させてください」などと抽象的に求めても財産開示は受けにくいので注意しましょう。

たとえば「〇〇銀行に預金がある」「〇〇証券で取引している」「〇〇生命保険に加入している」など、何らかの根拠を示してできるだけ特定する必要があります。

 

4-5.子どもの親権でもめている

離婚するときには、必ず子どもの親権者を決めなければなりません。親権者が決まらなければ協議離婚はできません。

親権者について厳しく対立しているなら、早めに離婚調停を申し立てましょう。相手による子どもの連れ去りが心配な場合、調停を申し立てれば第三者が関与するため連れ去りの抑止にもつながります。

これ以外にも同居でも離婚したい場合は、基準時を決めたり離婚意思を表すため、離婚調停の提起が望ましい場合があります。

 

5.離婚調停の申し立て方法

離婚調停は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所へ申し立てます。

 

5-1.必要書類

  • 申立書(裁判所の書式に従って申立人が作成)
  • 戸籍謄本(役所で取得)

上記の他、以下のような書類が必要になるケースもあります。

  • 事情説明書、子どもについての事情説明書(裁判所の書式に従って申立人や弁護士が作成)
  • 連絡先の届出書(裁判所の書式に従って申立人が作成)
  • 年金分割情報通知書(年金センターへ申請して送付を受ける)

 

年金分割を求める場合には、事前に年金センターへ紹介して年金分割情報通知書を取得しましょう。

 

5-2.費用

  • 1200円の収入印紙
  • 連絡用の郵便切手

 

6.離婚調停を有利に進める方法や注意点

離婚調停を有利に進めるにはどうすればよいのか、ポイントをご説明します。

6-1.主張内容をわかりやすく伝える

まずは自分の希望や主張を調停委員にわかりやすく伝えることが重要です。調停委員に伝えられなければ相手にも伝わりません。調停委員が相手方の言い分を鵜呑みにしてこちらに妥協をせまってくる可能性も高まります。うまく説明する自信のない方は、事前にどういった主張をしたいのか、書面などにまとめておくとよいでしょう。

6-2.感情的にならない

離婚の話し合いの際には、どうしても感情的になりやすいものです。ときには調停委員を怒鳴り付けてしまう方もおられます。

しかし感情的になっても何の解決にもなりません。むしろ調停委員の心証も悪くなってしまうので控えましょう。なるべく感情を抑えてマナーを守って対応するのが得策です。

6-3.資料を用意する

調停は話合いの手続きですが、有利に進めたいなら資料を用意しましょう。

たとえば相手の不倫の証拠、相手から届いたメール、相手から暴力を振るわれた証拠など。

主張に根拠があれば調停委員にも肩入れしてもらいやすくなるでしょう。

6-4.弁護士に依頼する

離婚調停を有利に進めたいなら離婚に専門性のある弁護士へ依頼するようお勧めします。

弁護士に依頼すると申し立てや裁判所とのやり取りなどの手間が省けますし、調停委員に的確に主張を伝えられます。相手からの提案に対しても適切な判断ができて、不利益を避けやすくなるでしょう。精神的な安心感も得られます。

 

当事務所では離婚をお考えの方へ向けて、アドバイスや調停の代行など、積極的なサポートを提供しております。離婚にお悩みの方がおられましたらお気軽にご相談ください。

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