モラハラ治療は難しい?治すために必要なものと注意点

 

法律コラム

モラハラの治療は難しい?
治すために必要なものと注意点

モラハラとは、精神的な暴力によって相手を支配・コントロールする行為です。パートナーから傷つけられ「治してほしい」と願う方や、「病気なら治療すれば治るのでは」と期待される方へ、現実的な難しさと改善に向けた自覚の重要性を解説します。

モラハラの治療は一般的に困難

モラハラは「病名」ではなく、長年にわたって形成された行動パターンです。特に、人間関係を「上下関係」でとらえてしまうものです。医師が診断書を書けるような明確な疾患ではなく、薬を飲めば改善するような単純な解決策はありません。

一般的には、ダルクやアルコール依存症への対応のように、セラピーや体験の共有などが考えられるかもしれません。名古屋市内には施設が少ないので、東京にいかれる方もいます。

モラハラの背景として自己愛性パーソナリティ障害が取り上げられることもありますが、すべての加害者がそうとは限りません。育ちや環境、価値観が複合的に絡み合うため、原因をひとつに特定して解決することは困難です。

⚠ 特に、支配・隷従でしか関係性を考えられない方や、妻やこどもを自己の経歴と考える方は、危険度が高いとされています。


治療には加害者本人の強い自覚と意思が必要

モラハラの治療を実現するためには、加害者本人が自分の行為を問題だと認識し、変わろうとする強い意思を持つことが欠かせません。加えて、定期的に医療機関に通い続けることも必要です。

モラハラ加害者は、自分の言動がパートナーを傷つけていることを自覚していないケースが多く見られます。「自分は正しいことを言っているだけ」と捉えている場合もあり、自分に治療が必要だとは思っていません。このような「病識」がない加害者との話し合いは成立しません。

周囲がどれほど治療を勧めても、本人が問題を認め、心の底から変わりたいと強く願わない限り、行動の変容を期待することは難しいといえます。したがって、ある程度の年齢に達している場合は変わることは著しく困難でしょう。


治療を求める場合の相談先

専門的な知見を持つ第三者の介入が助けとなります。ただし、モラハラの方は心に関心が薄いためカウンセリングに興味を持たないケースも多く、いずれにしても自己克服は難しいとされています。

精神科・心療内科

モラハラの背景に潜む可能性のある精神疾患や発達障害・パーソナリティ障害を診断・治療するための相談先です。加害者本人が「生きづらさを感じている」「感情のコントロールがうまくできない」といった悩みを自覚しているなら、投薬療法や認知行動療法などが有効な選択肢となります。ただし、本人が受診を望まなければ治療は実現しません。

夫婦カウンセリング

第三者であるカウンセラーを介し、二人のコミュニケーションの歪みを客観的に把握しながら関係の再構築を目指すアプローチです。夫婦双方に関係改善の意欲があれば有効な選択肢の一つです。一方で、加害者がカウンセラーの前だけ「良い顔」をし、実態が正確に伝わらないケースや、形式的に参加するだけで本質的な変化が伴わない可能性もあります。なお、夫婦でカウンセリングが受けられない場合は、修復は難しいでしょう。


治療における注意点

治療の可能性を探る過程では、被害者自身が過度な期待や自責の念に押しつぶされないようにすることが大切です。加害者の言動に惑わされず、自身の選択肢を広げておくことが、長期的な視点で自分を守ることにつながります。

時折見せる”優しさ”はモラハラが治っているわけではない

モラハラ加害者がときに見せる優しさや謝罪の言葉は、「モラハラが治る兆候」とは限りません。これらの態度は、支配・コントロールの一環である場合がほとんどです。被害者がパートナーから離れようとしたとき、または精神的に限界を迎えたときに優しく振る舞うことで、関係にとどまらせようとするパターンがよく見られます。

相手の態度に一喜一憂せず、言動が一時的ではなく継続的に変化しているかを冷静に見ていく必要があります。

被害者側にモラハラの原因はない

モラハラ加害者はしばしば「お前がそんな態度を取るから自分もこうなる」と被害者に責任を転嫁します。しかし、モラハラの原因は被害者側にはありません。被害者が相手の言葉を真に受けて変わろうと努力するほど、加害者は「自分の行為は正当だ」と確信を深め、モラハラがエスカレートするリスクも高まります。

モラハラは加害者自身の内面・価値観・行動パターンに起因する問題です。改善するとすれば、あくまで加害者本人が自分の問題として向き合っていく必要があります。

そのほかの選択肢についても検討しておく

治療を促しても改善が見られない場合に備え、別居や離婚といった物理的な距離を置く選択肢を視野に入れておきましょう。加害者本人にその意思がなければ、形式的にカウンセリングに通っていたとしても、何も変わらない可能性があります。

早い段階で弁護士に相談しておくと、離婚や別居のリスク・手続きなどを把握できます。これにより、より多くの選択肢を残した状態で自分に合った判断を検討することが可能です。

「今すぐ別れる」という決断でなくても、情報を持っておくだけで心理的な余裕と安全が生まれます。


まとめ

  • モラハラは「病名」ではなく長年の行動パターンであり、治療は一般的に非常に困難
  • 改善には加害者本人の強い自覚・意思・継続的な通院が不可欠
  • 精神科・夫婦カウンセリングなどの相談先はあるが、本人の主体的な取り組みが大前提
  • 時折見せる”優しさ”はモラハラが治った証拠ではない
  • 被害者側に原因はなく、責任転嫁を真に受けないことが重要
  • 別居・離婚の選択肢も早期から視野に入れ、弁護士に相談することも有効

名古屋駅ヒラソル法律事務所(名古屋市・安城市・新宿区)

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