保険は?年金は?サラリーマンが離婚する際に行うべきこと
2013年の厚生労働省の調査(人口動態統計)によると、愛知県の離婚率は1.78件/1,000人となっており、全国平均の1.84件/1,000人と大きな差異はありません。とはいっても、離婚する方は決して少ないとはいえず、名古屋駅ヒラソル法律事務所でも名古屋市内・外から多くの離婚相談を受けています。そのなかでも、サラリーマン家庭の離婚相談は多いといえます。
サラリーマン家庭の離婚には特有の問題があり、トラブルになることは少なくありません。今回は、サラリーマン家庭における離婚についてご紹介します。
財産分与の範囲・留意点について
離婚相談の内容の多くは、財産分与についてのものです。財産分与とは、結婚してから得た財産を夫婦で分配することをいいます。預貯金はもちろんのこと、自宅や収益物件などの不動産、有価証券、積立式の生命保険や学資保険なども財産として分配されることになります。ただし、結婚前に得た財産に関しては財産分与の対象とはなりません。
財産分与では通常、結婚してから得た財産を2分の1ずつ分配することになります。これは、妻が専業主婦で収入がなかったという場合でも同様です。
財産分与の対象となるのはお互いが認識している財産のみであり、隠された財産は対象となりません。隠された財産に関しては、自らで立証する必要があります。
相手が隠し口座を持っている場合、弁護士に財産調査を依頼すれば預貯金の残高を調査することが可能です。その際、銀行名と支店名が判明している必要があります。確実に財産調査を進めるなら、弁護士に離婚相談を行うのが望ましいといえます。
サラリーマン家庭の場合は、負の財産についても知っておく必要があります。負の財産とは、即ち借金やローンなどのことを指します。生活費にかかる借金、住宅・車のローンなどは財産分与の対象となり、離婚後に2分の1ずつ返済しなければなりません。そのため借金やローンを抱えている夫婦も、弁護士に離婚相談をし、助言をもらうのが適切だとされています。
年金分割とは
夫がサラリーマンとして働いており、厚生年金記録がある場合、妻は年金分割制度を利用することができます。
年金分割制度とは、離婚後に基礎年金しか受け取ることができない方を助けるための制度です。結婚生活においては、配偶者の支えなくして外で働くことはできません。にもかかわらず、これまで離婚後の年金受給額には格差がありました。その不平等さを解消するために、婚姻期間中の厚生年金を分割できるとしたものが年金分割制度なのです。分割方法には、以下の2つがあります。
・合意分割
2007年4月1日以降に離婚した夫婦が対象となります。夫婦間で分割の割合(按分割合)を決め、年金事務所へと必要な書類を納める方法です。婚姻期間中の厚生年金を、最大で2分の1まで分割することができます。なお、夫婦間で合意に至らなかった場合、一方が裁判所に申し立てをすることにより妥当な按分割合が定められることになります。
・3号分割
2008年5月1日以降まで婚姻期間が続いており、分割される側が第3号被保険者(扶養家族)だった場合に適用されます。分割の対象となるのは、2008年4月1日以降の厚生年金です。按分割合を定める必要はなく、2分の1に分割されることになります。なお、合意分割と併用することも可能で、条件を満たしている期間は自動的に3号分割が適応されます。
離婚相談をお考えの方は
このほかにも、子どもがいる家庭なら親権や養育費についても考えなければなりません。
名古屋市はもちろん、名古屋市近郊にて離婚に関する問題でお困りの方は、名古屋駅ヒラソル法律事務所をご利用ください。名古屋駅ヒラソル法律事務所に相談していただければ、ケースバイケースに沿った柔軟な対応で、納得の解決策を導き出してみせます。