親権と母子手当の関係
親権と母子手当・養育費の額が関係するか
親権の内容は、子どもに対する監護教育の権利義務と子どもの財産上の官吏処分の権利義務の2つから成り立っています。 ところで、親権と監護権は理論的に分けても良いことになっています。昔、法律のマンガで親権にこだわる父親に親権を渡して、母親は監護権を得るというものがありました。 しかし、今日では特段の事情がない限り親権と監護権の分属は認めるべきではないというのが一般的な考え方になっています。そして、養育費は、子どもの面倒をみていない親が子どもの面倒をみている親に支払うものです。ですから、親権の有無と養育費というのは関係しません。
親権と児童扶養手当
母子手当というのは、「児童扶養手当」のことであると思います。この手当は父母の離婚によって父親の養育を受けられない子どもに対して支給される手当です。従って、実質的に母親と同居していて母親に養育を受けていれば、親権者が父親にあったとしても受給権は発生しないことになります。なお、父親から得ることになる養育費については、お母さんの収入に含まれますので、給付額にも影響してくることがあります。なお、名古屋市の場合につきましては「児童扶養手当」以外にも、名古屋市の制度としてひとり親家庭手当、愛知県の制度として愛知県遺児手当という制度があります。これらも事実として養育をしている人に対して支払われます。従って、親権者であったり養育費の負担があったりしていても、親権者というだけでは養育を現実にしていない限り、児童扶養手当、ひとり親家庭手当、愛知県遺児手当を受け取ることはできないと考えられます。 したがいまして、親権がなくても手当は事実上の養育があれば受けることができると思いますので、担当の行政の窓口にお問い合わせください。