親権・監護権

離婚紛争がこどもに与える悪影響

 愛着理論も、子の問題行動を理解するうえで重要である。夫婦間の葛藤は、情緒的・心理的な余裕のなさ、両親の情緒的応答性の欠如、親子の情緒的な絆の不安定さの増大、そして、親子の愛着の質の悪化を助長するものといえます。

 両親間の紛争等にみられる親の精神的不安定さから生じる子への虐待等により、愛着の形成が阻害され、後に様々な問題行動の促進要因となる。中には愛着障害という精神疾患になる可能性があります。

両親間の紛争等と子の精神的発達の関連

弁護士:こどもの適応の基盤というのは、日々の情緒的安定にあって長期に損なわれてしまうと、こどもに悪い影響を与えて問題行動や精神障害を招くということが、今、少しずつ分かってきています。

シュシュ:まあ、パパとママがケンカしていると、僕の情緒的安定、英語などエモーショナル・セキュリティというんだけど、これを切断するくらいのインパクトがある、大きな存在になるよね。あの時は、叔父さんにも、パリに来てもらったり日本で過ごしたり、いろいろ支えてもらいました。

弁護士:「子はかすがい」っていわれるけど、どう思う?

シュシュ:最初は仲直りしてくれるよね、パパとママだもん、とか思うんですけど、働きかけがうまくいかないと自信をなくしました。特にママは不倫をしていたし、深い悲しみを持ちましたね。

弁護士:発達精神病理学では、両親間葛藤が養育の仕方にも影響し、両親の感情的余裕のなさやコントロールの変化をもららし、こどもの適応にも問題を生じてしまうということになりますね。また、子の喪失体験のみならず、家族の分離に先行する家庭内の諍いや家庭内の雰囲気、葛藤的状況といった紛争化の家庭の質が離婚後の子の心理的健康にも影響を与えるとされています。

シュシュ:まあ、そうだよね。別居前って家庭の雰囲気が悪いから。パパとママは夜中に離婚協議をしていたけど僕をどうするかで言い争っていたし、聞こえていたしね・・・。

離婚が子に及ぼす影響の提供や期間

弁護士:離婚が子に及ぼす影響は、離婚して2年といわれていますね。

シュシュ:うん、離婚後2年はパパも叔父さんも、なんか僕を腫物にしていたよね(笑)

弁護士:とはいうものの、離婚しても、双方の親との愛着の形成、監護者の良質な養育、経済状況や転居を含めた養育環境の安定性、両親間の争いや暴力からの保護が必要です。

シュシュ:うん。僕もママがスポイルしたように消えたこと、ママからも愛されていない拒絶的態度が不倫からみえたこと、パパの混乱と不適応状態があったから叔父さんがパリにきてくれたんだよね。僕も名古屋にいったし。あと僕のパパは設計士なので自宅にいることが多いのですが、離婚後片親で働き始めると二重の喪失体験を負いますね。

弁護士:そうだね。僕も父親が死んで、母親はフルタイムジョブをし出したから、二重の喪失体験はありましたね。

シュシュ:フランスでは離婚家庭の特別扱いはないけど、まあ、そういう心情を分かってね、という教育はありますが、学校や親族からのサポートがね。僕はパパとふたりっきりで、孤独なときは叔父さんにラインして(笑)。

弁護士:紛争は、子の身体面、心理面、行動面で影響を与えます。

シュシュ:ほとんどの子は喪失感、悲哀を感じたりしますよね。でも、適応に問題が生じない子がいるのとそうでないのはどうしてなの?

弁護士:少年が両親の紛争場面を目的する、父が母に暴力をふるう際に少年に暴力が振るわれているなど、直接巻き込まれているのか、家庭の雰囲気や親からの説明で紛争を認識するなど、紛争に間接的に巻き込まれていたかは、子の心理面、行動面での影響で有用だよね。

シュシュ:あとパパが説明してあげよっかとかそういう配慮とか、雰囲気を明るくしようと無駄に(笑)努力しているとか、僕がポジティブに紛争を認識し将来への希望を持てるかとか、そういうことも重要なような気がします。

親に関する着目点

 親は紛争の当事者なのでその影響を受けて心理的な余裕がなくなり、少年への配慮がなくなっている場合もあるので、親が紛争からどのような影響を受けているか、要素は心身の状況、養育態度、行動傾向、生活環境、経済状況の変化、紛争の渦中において親自身が紛争をどのように認識し、受け止めているか。また、子への影響について、どのように認識をしているかという点も親の子への態度を示す指標になります。

 

 

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