会社の家族手当
家族手当の受給資格
子供を連れて離婚しました。私の勤めている会社には「家族手当」がありますが、「妻子を有する者」に支給されるとの定めになっており、今まで男性ばかりが支給対象となっていました。女性でもこの「家族手当」を受給できるのでしょうか。
男性にのみ家族手当を支給する取り扱いは労働基準法4条に違反します。そのため、家族手当(または相当額)の支給を受けることができると考えられます。結論的には受給できるでしょう。
1 労基法上の効力
労基法4条は、「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」と定めています。したがって、就業規則や給与規定で家族手当の支給対象者が男性に限定されていてもこのような規定は無効となり性別以外の受給要件を満たす音で男性と同様の家族手当または差別に基づく損害賠償請求として同額の「家族手当相当額」を請求することができます。また、法的な問題はもとより労働基準監督署の介入を求めるのも良いでしょう。
2 具体的な請求方法
会社が違法に家族手当の支給をしない場合には、①訴訟、②労働基準監督署に是正勧告や指導をしてもらう、③労働局における個別労働紛争解決制度、④地方裁判所における労働審判制度が考えられます。
いずれの方法も長所短所がありますが、迅速な解決が得られるのは④労働審判手続きです。このほか、⑤民事調停もあります。上記のうち①、④、⑤は弁護士の関与が必要と考えられます。
具体的な申立方法については、当事務所の法律相談でお尋ねください。。