離婚慰謝料を支払うことは再婚相手に悪い印象を与えますか。

 結論からいうと、そういうこともあるでしょう。一般的に離婚慰謝料が認められるのは、DV、不貞、性交渉の意図的拒否が中心です。どのような非があったのか、慰謝料を支払った事実を再婚相手に打ち明けるかは、慎重にしましょう。また、弁護士に相談して、紛争解決金名目にしてもらえないかどうかなどを確認するのも良いかもしれません。

離婚の慰謝料

 離婚をするとき、離婚原因を作った側に一定額の離婚慰謝料が認められる場合があります。最近は定型化しており、DVと不貞と意図的な性交渉拒否が高額な慰謝料発生原因となっているようです。

 慰謝料とは、不法行為に基づく損害賠償であり、「不法」なことをしたことにあるのですが、実際は、離婚原因がないと離婚裁判は成立しないのですから、ロジカルにはそれほど気にしなくてもよいかもしれません。

 しかしながら、離婚原因が相手方に精神的苦痛を与えた場合、精神的な慰めに変えてもらうために金銭で償うのです。ですから、慰謝料は「慰藉料」、つまり、「慰めに藉えるお金」という意味と理解されます。したがって、性格の不一致のような形で離婚原因が双方にある場合は慰謝料は生じません。

 慰謝料の金額については、夫婦の協議では自由に決めていますが、慰謝料よりも、「解決金」や「離婚給付」として、200万円程度を支払っているのが社会通念といったところでしょうか。一般的には、離婚給付には、慰謝料以外にも、財産分与や未払い婚姻費用も含まれますが、協議の場合は200万円前後のケースが財産分与を含めて多いような経験則を持ちます。

 ところで、不貞や暴力は慰謝料は、慰謝料のみで200万円から300万円程度認められる可能性があります。夫婦の協議で慰謝料が決まらない場合は訴訟事項ですので、離婚訴訟を提起することになります。ただ、私の感覚では、離婚訴訟も帰納的な分析がされていますから、慰謝料だけで、離婚訴訟に移行する人は少ないですね。

 地裁に起こすこともできますが、離婚の請求と一緒のケースがほとんどであるので、家裁で審理されます。

 なお、不貞といっても10年前などの慰謝料は請求できません。消滅時効は、3年(債権法改正後は5年)ですので、一般的には、3年内の行為のみが問題になります。

再婚により不貞が発覚した場合の慰謝料

 

 実務上の経験でも、養育費の関係で、相手の戸籍を取得したら再婚しており、婚姻期間中に、こどもがおり、認知準正が生じている、なんてケースは枚挙に暇がありません。

 そうすると、再婚をしたことにより、過去の不貞行為がバレてしまうことがあります。

 ただし、離婚後、あまり時間をおかないて再婚した場合、前婚の婚姻中に既に再婚相手と交際しており、こどもがいると決定的になります。婚姻期間中にこどもができたというのは不貞になりますので、元配偶者としては慰謝料を請求したくなるところです。

 しかし、調停離婚の場合、債権債務なしの清算条項を入れていることが多く元夫には請求できないことが多いと思いますが、その相手を共同不法行為者としてならば訴訟を提起することができます。

しかし、無意味な感情的対立になる場合も

 元夫との間で清算条項をもうけている場合、慰謝料も請求しないということになります。そうすると、離婚給付の中には、慰謝料が含まれていますので、慰謝料の二重取りはできません。私が担当した裁判でも全額が弁済済みとして請求が棄却した例がありました。

 したがって、請求できるとしても、金額は多額にはならないうえ、婚姻の終末期は、単にペーパー上夫婦というだけということが多く、婚姻破綻をしている可能性も高く立証のハードルが高いことも多いと思われます。また、面会交流を不可能にする論拠としてもよく取り上げられま宇。こどもの福祉もきちんと考えて判断しましょう。

 なお、再婚している場合、慰謝料を支払っている場合はたいていは不貞ですので、気にすることはありません。慰謝料というとマイナスのイメージが強いですが、きちんとけじめをつけた人という事実が、再婚相手のあなたには、「責任感のある人」、「潔い人」という意味で、かえって好印象を生み出すこともあります。

 こうした紛争は私も何度も経験していますが、夫婦でかえって絆を深める結果になっていると思います。特に、前婚の元配偶者に慰謝料を支払っていても、DV以外は、再婚相手に正直にお話しするのが信頼関係を高めて、プラスマイナスを相殺してくれるのではないかと思います。

依頼者様の想いを受け止め、
全力で取り組み、
問題解決へ導きます。

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