どちらの国の法が適用される? 国際離婚をする場合

国籍の異なる異性と入籍する“国際結婚”。この割合が高くなると、それに比例して国際離婚率も高くなります。離婚に対する考え方はそれぞれの国によって異なるため、なかには激しく衝突してしまう夫婦もいます。
国際離婚時に生じる大きな問題として、“どちらの国の法律が適用されるか”というものがあります。これは場合によって異なるため、一概に述べることはできません。
では、適用される法律はどのようにして決められているのでしょうか。以下でご紹介します。

そもそも“国際離婚”とは

国際離婚は、たとえ一方の国で認められても、もう一方の国で認められなければ成立しません。国際離婚を成立させるためには、両国で手続きを行わなければならないのです。しかし、なかには離婚そのものを禁止している国もあり、この場合、日本の法律により離婚が成立しても、外国人配偶者が母国に帰った際に再婚することができないという問題が発生してしまうこともあります。

国際結婚をした場合、離婚のしづらさや子どもの親権など、複雑な問題が絡んでくることが多々あります。そのため事前に互いの国の法律について確認し、それをきちんと把握しておくことが大切です。

適用される法律の決め手となるのは“準拠法”

「どちらの国の法律が適用されるか」この問題を解決へと導いてくれるのは、“準拠法(じゅんきょほう)”という法律です。これは、以下3つの段階に分けられています。

・夫婦の本国が同じであれば、その国の法律が適用される
・夫婦の本国が異なる場合は、常居所地の法律が適用される
・夫婦にもっとも密接な関係のある地の法律を適用する

準拠法に基づいて考えた場合、日本の法律が適用されるのは、“夫婦の本国がいずれも日本”、“夫婦の常居所地が日本”、“夫婦にもっとも密接な関係のある国が日本”の3パターンです。

日本の法律が適用された場合について

準拠法により日本の法律が適用されるとなった場合、“協議離婚”、“調停離婚”、“裁判離婚”、“審判離婚”のいずれかにより離婚を成立させることができます。
しかし、なかには4つのうち1つしか認めていない国もあり、もし外国人配偶者の本国がそうであった場合は、その条件に合わせて離婚成立方法を決める必要があります。

互いの法律を理解し合うことが大切

国際離婚において、“どちらの国の法律が適用されるか”という問題を解決するためには、互いの国の法律についてきちんと理解しておくことが大切だといえます。そうすれば、スムーズに手続きを進めることができるため、不要な衝突や問題発生を防ぐことができます。

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