親権・監護権の分属はできますか。
当事者の合意があれば、親権・監護権の分属させることはできます。
もっとも、一般的に、子どもの面倒をみる方が、法的判断をすることが便利ということが多いので、あまり一般的とはいえません。
あくまでも子どもの福祉にかなうかという見地から検討されるべきです。
離婚に際して、未成年者の親権と監護権を父母に分属させることはできます(民法766条、819条)。
実際上、妥協策として、離婚調停において子の親権者を父親、監護権者を母親とするというケースもみられます。
しかし、実際上、監護者が親権を持っていないと不便ですので親権者変更の申立をすると認められる可能性もあります(大阪家裁昭和50年1月16日)。
裁判所の考え方としては、分属に伴い、通常その円滑な行使は期待し難いものとなり、子の福祉に反する結果を生じるから、特段の事情のない限り、一本化を図るべきとまでいわれています。
一例としては、連れ子再婚ながら、親権者は、子どもの意向により父の連れ子ながら養母とする場合などは、離婚後も子どもに対する責任をもたせるという積極的な意味合いで分属させても良いのではないかと考えられます。典型例は、離婚後の単独親権の妥協策ですが、事例で指摘するケースでは積極的な意味合いを持たせることができるのではないかと考えます。