親権とは何か?-こどもの成長を保障する権利

親権とは何か

シュシュ:親権とは何か、といわれると身上監護権と財産管理権からなるよね。

弁護士:監護権というのは子の監護及び教育だね。アルバイトの許可なども含まれます。次に、財産管理権のほか、医療の同意権、最終的に就学先を決めるということも含まれます。

シュシュ:親権ってさ、親権のことを「親の権威」に変更されています。権力っぽさはよくないよね。昔は父が子を支配して服従すべきものと考えられていたからだと思います。

弁護士:今では親の義務性を強調する見解の方が有力ですね。

共同親権と単独親権

シュシュ:離婚すると、父母どちらかの単独親権行使になるよね。明治民法では婚姻中は父が親権者で、離婚後もそのままでした。民法改正によりどちらを指定するかの協議が必要になったんだね。

弁護士:1959年の立法担当官の解説では、離婚したら「縁切り」で離婚後も父母が子の監護に協力しあう関係は想定されていませんでした。

単独親権の問題点

シュシュ:単独親権にはどんな問題があるのかな。

弁護士:わかりやすくいうと、父母双方が子の親権者になりたいので、お互いの監護能力の優劣を争うということが行われるようになりました。その際、相手方の人格をおとしめる、監護実績を作るために子との同居を確保し別居親に併せない、実力行使で子を連れ去るという事態を招くことがありました。

シュシュ:うーん。親権者になれないと、焦燥感から子と会うことができなくなるのではないかとの不安が親権争いをより激化させてしまうよね。こどもとしても葛藤でつらい思いをするし。

弁護士:現在のいずれが親権者として適当かという切り口は時代に合っていないと思います。むしろ、それぞれ、ペアレンティングという観点からこどもにどのようなロールを果たすことができるかという観点から考えるべきです。

共同親権に向けて

シュシュ:共同親権は既にフランスではそうなっているわけですが、親権を巡って父母が対立し、勝ち負けを決める場から、父母が離婚後の子の生活をいかに支えるかの方策を見出す場、離婚後の親子関係の形成へ向けて父母が調整する場への転換になるよね。

弁護士:まあ、フランスでもそうですけど、共同親権でも父母の一方、多くが母親と同居して現実の養育者になっているケースが海外でも多いです。ですから日常の養育者、養育費の負担、面会交流の方法、特別な協議事項を決めておく必要があるね。

シュシュ:特別な協議事項って?

弁護士:例えば、就学、長期のアルバイト、入院治療、海外へのこどもの帯同、宗教の選択などが、海外では問題になっているね。

シュシュ:いわゆるDVのケースなどでは、共同親権にすることにより、他方の要求が強化されて、母子の生活の安定を阻害するのではないかという危惧も表明されているね。

弁護士:DVや児童虐待など共同が明白に子の利益に反する場合は例外的に単独親権にするという立法政策もあり得ます。

シュシュ:こどもがパパと暮らしているときに、パパ方への移転を希望した場合にそれを肯定した事例の家裁と否定した高裁の事例があります。

弁護士:高裁は、親権者変更の事案なので、子の監護状況に変化があり子の福祉に反する特段の事情がない限り、現状を維持すべき立場だったみたいだね。

シュシュ:でもさ、パパと暮らしたくなる時期もあると思うし、それはこどもの意向を尊重してもいと思う。別にパパにも監護能力があることが前提の事案だもんね。こどもの手続代理人も父への異動が相当との意見を述べていたんだよね。

弁護士:たしかに子にとってパパと日常を暮らすのは、男性性の取得にとって貴重な機会になる可能性もあるといえるよね。意思を尊重する仕組みがないと親権も子の利益のための親権とはいえないかもね。

シュシュ:まだまだ裁判官が判断してあげる、という保護者としての発想が根深いみたいだね。

 

 

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