別れた親にこどもは会えるのか―面会交流
別居・離婚後の親子の面会交流とは
シュシュ:面会交流とは、親権者・監護者でないため、こどもを現実に監護教育できない別居親が子と会って話しをしたり遊んだり、手紙や携帯電話、スカイプなどで交流することです。
父との面会は3割、母との面会は5割くらいで、あとは離婚をきっかけに関係が断たれているといえます。
弁護士:協議離婚の場合でも面会交流の取り決めをしているか否かで実施率は全然違うようです。取り決めをしている場合は、6割を超えて面会交流が実施されています。なので取り決めをすることが大切ですね。
面会交流の意義と役割
シュシュ:面会交流は子の利益のためにあるんだよね。
弁護士:そうですね。別居親とこどもとの円満で継続的な交流を保つため、あとは見捨てていないことを確信できるとかですね。子は家族や様々な人たちとの交流を通じて愛情と信頼の大切さを体験し、自尊感情を抱き、他者を愛して信頼できる力を育てます。子の成長過程にとって別居親やその家族との交流は欠かせません。
シュシュ:最近は、ペアレンティングとしても面会交流は注目されているね。
弁護士:うん。別居親も責任をシェアして思春期のこどもの悩みに対処するなど、それぞれにメリットがあります。さらに最近ではこどもの見守りの意味もあります。例えば再婚して継父から虐待されている事例がありました。面会交流によりこうした事実を素早く把握できる可能性もあります。
シュシュ:家裁は原則実施説に立っているね。でも、どういうふうに合意形成すべきなのかな。
面会交流の合意形成
シュシュ:まあいろいろあったから離婚したわけで、面会交流の調整は難しいよね。
弁護士:うん。ただ、ある抗告審では、高葛藤だからこそ面会交流実施時やふだんの時の禁止事項や遵守事項など「詳細かつ周到な面会交流の実施要領」を具体的に策定する過程で、子の現状についての認識を共有化し理解を深めることによって、また、相互の不信感や母側の恐怖心を軽減することによって、信頼関係を築きながら、面会交流の合意形成を目指すべきといえるね。
シュシュ:調停や審判よりも、こどもの気持ちに立って自主的に実施できるといいよね。
弁護士:面会は子の成長に応じて変更も必要なので、ある程度の調整を当事者間でする必要があるので、調停や審判よりも合意でできたらいいですよね。