離婚に先行する別居をスムースに。

別居とこども―名古屋市の離婚弁護士ヒラソル

まず、離婚について、離婚自体に争いがある、親権に争いがある、財産分与あるいは高額になりそうで揉めそうという場合は協議離婚が成立しにくいという見立てができる典型例です。 この場合は、別居はやむを得ないといえるでしょう。 この場合、こどものことについてよく話し合うと良いといえます。しかし、上記3点で紛争がある場合に、相手方はこどもを連れて行ってもよいなどとはいわないでしょう。 主たる監護者とみられる人が別居する場合に、主たる監護に服しているこどもを連れて行くことが違法とされたケースは乏しいといえます。 結局、裁判所は評論家ですので、事実状態が動かされると、それに即した判断をしがちですので、主たる監護者が別居する場合、こどもを連れて行かないのはむしろ無責任というのが日本の法律の考え方です。この点、相手の立場に立つと、突然こどもを奪われたも同然ですから、相手に対して激しい対立感情が抱かれることになります。このように、離婚時に最も葛藤状態が高まるのは、別居時です。この場合は取戻しの実力行使なども平穏な監護が確立されるまでは、認められる可能性もないわけではないとも考える余地があるため、ハレーションが余りに高まるのです。 そこで、まずは話し合いを、というのは理想的理想主義として良いと思います。しかし、理想的現実主義的立場からは、事実状態を変えないと、現実問題、財産分与の基準時も決まらないという実務上の問題も出てきます。そうすると、財産分与は最悪揉めると訴訟になってしまう事柄であるのに、基準時がいつまでも明確にならないというのもおかしな話しですし、一方が離婚を決めたのであればいつまでも同居しているというのもおかしな話しといえるのかもしれません。 別居時は緊張関係が高まります。それは前提で対処するのが基本となると思います。 ヒラソルの弁護士の弁護士経験を活かして、事務所の理念に基づいて、離婚相談等を通じ依頼者の不安や悩みを解いて幸せを増やす愛知・名古屋への社会貢献を目指します。 愛知・名古屋の離婚・男女問題に特化して60分無料離婚相談を行っております。

別居の緊張感の高まり

 もっとも変えるべき実家がある女性は、別居の緊張感の高まりはあまり意識しない人もいます。男性である父が夫を追い返してくれるとか、兄弟がいるケースもいるからです。  そして、別居して冷却期間をもうけましょうといいつつ、押しかけてきたら警察に通報すれば良いという割り切りも出ています。  その後、親権問題だけではなく、面会交流や金銭問題の協議においても、難しくなるという見解もあります。理想だけ追い求めればそうなのでしょう。しかし、理想を貫徹するあまり同居しながら調停をして別居されてしまったケースもあります。特に、親権問題については、一つしかないものを取り合うわけですから、話し合って結論が出る問題ではないような気がします。財産分与について、ローンがなければ余り大した問題ではないかもしれませんが、高額な財産分与はやはり話合いだけでは、困難という気がします。  そのことと面会交流、婚姻費用など審判で決められることは、別次元の問題と割り切った方が良いと思います。特に相手の人格に対する中傷合戦になってしまったら、非監護親は父母間の高葛藤のため面会交流ができなくなってしまうというペナルティを受けます。ですから、別居時が最も緊張感が高まることを意識して、実力行使の繰り返しにならないようにする、ということは意識されると良いでしょう。  また、婚姻費用や養育費は、標準算定方式で簡易かつ迅速に決定されますので、実際支払われるかは別ですが、調停や審判などで決めることは葛藤が高くてもできることです。  つまり、裁判所も別居時に緊張状態が高まることは分かっているので、婚姻費用や養育費はそういうものに関係なく標準算定方式で決めてしまう、ということになるのです。  なお、留意することとしては、転校させるのか休ませるのか、健康保険証をどうするのか、といった点でケースバイケースといえます。  たしかに無用な紛争は起こすべきではありませんが、主たる監護者ではなかった人が突然、充実した育児ができるかといえば、どうかな、と考えられるわけです。児童虐待などの特別な事情がいる可能性もあるかもしれません。    別居直後は緊張状態が高まり、一定ラインを超えると、配偶者暴力の保護命令、接近禁止の仮処分、子の監護者指定・引渡し、審判前の保全処分といった、「離婚の前哨戦」が起きます。  ですから、別居時にどれくらいの緊張状態の高まりがあるかを見据えて判断するのが妥当のように思われます。  なお、別居直後に実力行使でこどもを奪われてしまうということもあります。たしかに、こどもを実力行使で連れ去るというのは、未成年者略取罪が成立するという確定判例があります(最判平成17年12月6日判時1927号156頁)。  しかしながら、現実的に警察が相手にしてくれるのは、平穏な監護が確立された後から、というように思います。また、警察力を使って取り戻すことに家庭裁判所は自身のプライドを傷つけられたとみて、なぜか主たる監護者で取り戻した側に引き渡しを命じるケースもあります。この裁判例は、幼稚園などに不法に侵入し連れ去ったというような第三者も巻き込んだ悪質性の高いケースです。現実には、実力行使で奪い返され、審判前の保全処分・子の監護者指定・引渡しなどを提起したケースでも「付調停」とされたケースもあります。ですから、理性的な書物が指摘するほど、平成17年の最高裁決定は浸透しておらず、たまに実力行使でこどもを連れ戻すと犯罪になる可能性が高いが立件されるとも限らない、といった程度です。  したがって、別居時の実力行使による取戻しなどには注意が必要といえますし、平穏な監護が定着した後の実力行使は、平成17年の最高裁決定に照らして刑事告訴されると、警察は動き出すことは間違いないでしょう。しかし、別居直後となるとDVでもない限り、警察もなかなか動きにくいというのが実態ではないでしょうか。  最高裁の決定でも「親権者・・・であることは、その行為の違法性が例外的に阻却されるかどうかの判断において考慮されるべき事情」と指摘し、考慮の要素として、審判前の保全処分のように、自己の監護下に戻されないといけないような特段の事情、正当性、監護の見通しがあったのか、などがポイントです。逆にいうと、これらの要素を満たしていれば違法性はない、という結論になるのであって、警察も、簡単に、別居されて連れ戻されました。判例に従って警察力で取り返してください、といっても断られるケースも出てくるのではないかと思われます。この裁判例は、一人歩きしているところもあるかな、と。ただ、実力行使は、犯罪と評価されるリスクは常に念頭においておく必要があります。  

審判前の保全処分の活用

 審判前の保全処分、子の監護者指定・引渡しは、一般的には、主たる監護者でないものが、こどもを連れて別居したケースを想定した建て付け、児童虐待をうけているため保護のため主たる監護者でないものがこどもを連れて別居した場合の正当性判断、夫婦共働きの場合のケース、主たる監護者の監護が著しく不適切な場合などが問題とされます。  先を見据えると、親権紛争では、一般的に主たる監護者による監護であるか否か(母子優先の原則ともいわれます。)、その監護状態が継続しているかで、一応の結論を出して、年齢に応じたこどもの意向を考慮するというのが親権指定のありかたです。  したがって、主たる監護者指定にあたっても、こうした親権の判断枠組みを踏まえて、現状に問題がなければ追認するケースが多いと思われます。たまにアクロバティックな審判が出ることもありますが、一般向けにかかれている子の引渡しの判断基準といっても、現状に問題があるか否か、年齢が高いこどもについては意向があるか否かの2点で決めているような印象はあります。つまり、主たる監護者から引き離された場合でも、監護補助者が中心となって充実した監護を受けていれば審判前の保全処分の緊急性なしとされるケースは大きくなります。

別居する前に弁護士に相談

 あまり、別居について記載されている一般向けの本はないかもしれません。しかし、婚姻費用にしても、子の監護者指定・引渡し審判にしても、離婚訴訟の親権争いでも、慰謝料でもついてまわるのが「別居時の状況」です。  このことは、あまり知られていませんが、まず子の監護者指定・引渡し、審判前の保全処分は、平成5年の最高裁判決により、人身保護請求の代わりの役割を果たすことになりました。  人身保護請求というのは、違法拘禁からの解放が目的ですから、監護開始の違法性が重要なメルクマールとして登場してくるようになりました。調査官報告書でも、一方の配偶者がこどもを残し出て行ってしまったというケースでも、監護開始の違法性が検討されていました。別居の場合、計画的な別居か、SIVと呼ばれる急激な暴力的行為などがきっかけで突発的に別居するの2つのパターンがあります。  たとえ一方が出て行ってしまっても、ロックアウトとか、DVの結果出て行ったという場合は、監護開始に違法性があるといわれることもあるのです。ここでいう「監護開始の違法性」というのは、かなりブラックボックスにつつまれています。例えば、隔週で共同監護をする合意をしていた夫婦がこどもを戻さなかった場合、合意に反するとはいえますが、「違法」といえるのでしょうか。いったい何の法律に違反するのでしょうか。また、SIVの場合は暴力が伴うことはあり得ることですが互いに殴り合っている場合でも、刑法の暴行罪に該当するから監護者指定で「違法」となるのでしょうか。結局、「監護開始の違法性」は裁判官によってかなり異なる判断をされることがあるように思えます。刑事訴訟法でも「重大な違法」という概念がありますが、違法なのに、何が重大で、何が重大ではないなんて、分かりにくいというものがあります。たしかに、判例によって突然人身保護請求の権限が地裁から家裁に移管されてしまったのですから、家裁なりの判断なのでしょう。しかし、結局は、こどもを引き渡す緊急性があるか、必要性があるか、それが相当性があるか、という刑訴の捜査の違法判断の枠組みと同じく、特に法令があるわけではないけど違法、とされるということになる、という概念です。  そういう意味では、監護開始の違法性は判例の分析は出ていますが、驚くような判断をするケースもあります。例えば、母親がこどもを遺棄して、数年後に審判前の保全処分を起こしたケースなどでは、母親は主たる監護者でもありませんでしたが、母方祖母が、主たる監護の重要な役割を果たしており、1年間の継続居住のあと転勤にともなって移転したことが、「監護開始に違法」があるとされた事例などもあります。これは驚きましたが、いわく「母親は、遺棄せざるを得なかったのは、別居後の監護態勢を用意することができなかったためであって真にやむを得ない」という説示でしたが事実上「追い出し離婚」に遭い、迅速に審判前の保全処分を申し立てても却下されるケースが多い中で、数年も遺棄して「やむを得ない」というのも非常識な判断と思われました。いずれにしても、「監護開始の違法性」の判断が、いかようにも左右できるものであることは分かってもらえたと思います。ですから、一般的な判断基準の要素で監護能力、こどもに対する愛情・・・などはほとんど考慮の対象になっているのか、なっていないのかは、裁判官の胸の内ということになると思います。  綺麗に「別居」しておくと、紛争は大きくなることはありません。あまり、理想主義的理想論の本の影響を受け過ぎて、話し合いばかり優先しないことが重要といえます。

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