親権者指定の判断基準
親権者指定の判断基準
法律相談でご離婚を希望されている方のお話しをうかがっていると、親権を取得されることを希望される方がおられます。
裁判で時間をかけて徹底的に争いたいという場合は、不利な状況にあっても戦術を持ち果敢に挑むことを理念とする当事務所がお手伝いをします。
もっとも、自分が親権者に指定される確率を検討しておく必要はあります。親権者の判断基準は以下の点にあるといわれています。
1、現状の尊重
変更すべき特段の事情がない限り、現に子どもの面倒をみている親権者が引き続き監護をするべき、という考え方です。この点は、あまり知られていないと思いますが、行政法においても現状を追認するタイプの判断が多いのに似ています。実務ではこの基準は重要で、基本的に尊重されています。したがって、現状を尊重しなくても良い特段の事情があるか否かが審判の対象になるように思います。
2、母性の優先
母性の優先は古くからいわれていましたが、現在は乳幼児について当てはまる理屈であり、あくまで「現状尊重」が母親の元にいることが多いといえるかもしれません。例えば、母親が子どもを虐待していたり育児放棄をしている例では適用はありません。
母性優先に現状の尊重が積み重なると、特段の事情がない限りは、父親からすると親権者として指定されることは難しいといえます。したがって、特段の事情を徹底的に論証するのかを判断される必要はあるといえます。
3、子どもの意思の尊重
子どもが小学校中学年程度からは、できる限り子どもの意向が尊重されるようになってきています。しかしながら、子どもは、現在の監護親に嫌われないように迎合する心理的傾向があります。他方非監護親としては、子どもが別居している親との同居を望んでいるという確信があるのであれば、親権争いに挑むべきではないかと思います。
4、子どもの福祉の観点
いずれにしても、子どもの幸せにとって何が良いかという観点を持つことが大事です。自分であれば、子どもをこう育てる(子ども+Will)、家庭環境をこうする(家庭+will)、子どもの面倒をこうやってみれる(子ども+must)ことを示すことが大事です。