どんな方法がある？　財産や慰謝料の支払い方法について

一括払い

分割した夫婦の共有財産や相手に請求した慰謝料を、現金で全額まとめて受け取る方法です。支払う側の負担は大きくなりますが、夫婦生活にピリオドを打ち、次に進みたいと考えているなら最も適した方法といえます。
一括払いを選択した際、受け取る側が押さえておくべきポイントとしては、計画を立てて無駄遣いを防ぐことです。まとまったお金が手元に入ってくると、ついつい気持ちが高まり、無駄遣いをしてしまったという経験のある方は多いのではないでしょうか。しかし、離婚をすると身分証明書の登録変更や財産の名義変更などさまざまな手続きが必要となり、費用がかかることもあります。スムーズに手続きを行うためにも、手続きに必要な分をあらかじめ分けておくことをおすすめします。

分割払い

支払う側の負担を軽減するため、現金を何回かに分けて受け取る方法です。一般的には、200万円以上になると分割払いを選択する夫婦が多くなるとされています。
分割払いを選択した際、受け取る側が押さえておくべきポイントとしてはなるべく短期間で支払いが完了するよう設定することです。具体的な方法としては例えば、分割回数を少なくしたり、1回目の金額を高くしたりするというものがあげられます。これにより、いざ分割払いを選択した際に「お金がなくなったから払えない」などとなる事態を防ぐことができます。
ほかにも、支払いに関する話し合いの内容を公正証書に残しておくこと、万が一、支払いが滞った場合の対処法や担保を決めておく方法などがあります。一括払いとは違い、期間をかけて受け取ることになるため、「きっと支払ってくれるだろう」と安易に考えてしまわないよう留意しましょう。愛良さんは、出産直後のためまだ働くことはできませんので、３００万円の慰謝料を認める代わりにまどかさんへの請求を放棄し、開陸さんと離婚しました。そして分割で支払ってもらった方が、養育費が事実上増額になると考えて、むしろ積極的に分割に応じることにしたのでした。

現物払い

現金の代わりに、不動産や自動車、株式などを受け取る方法です。現物払いのみ、譲渡することで支払った側と受け取った側双方に税金が課せられることになります。
現物払いを選択した際、受け取る側が押さえておくべきポイントにはいくつかあります。例えば不動産を受け取った場合は、早急に名義変更をすることが大切です。名義が元配偶者のままだと、万が一不動産を売却・賃貸しようとなったときに妨げになったり、自身にその気がなくても勝手に売却されてしまったりといったトラブルにつながるおそれがあるのです。なお、自動車を受け取った場合も早急な名義変更が必要で、原則として15日以内に済ませなくてはならないと定められています。
このほか、株式を受け取った場合はなるべく現金化することをおすすめします。自身が株式売買の知識を有していれば問題ありませんが、受け取ったまま放置しておくと株式が下がり損をする可能性があるからです。下がった株式を所有するよりは、たとえ少なくても現金として受け取ったほうがお得だといえます。

お金のやり取りは弁護士にお任せ

基本的に、支払い方法は夫婦で話し合って決めることになりますが、お金のやり取りはトラブルに発展する可能性が高いといえます。そのため支払い方法を選択する際は、あらかじめ弁護士に相談しておくことをおすすめします。離婚のこと、財産分与や慰謝料のことについて豊富な知識を有する弁護士に相談すれば、お互いに気持ちよく話し合いを進めることが可能です。

名古屋市にて、財産分与や慰謝料の支払い方法でお悩みの方は、名古屋駅ヒラソル法律事務所へお気軽にご相談ください。名古屋駅ヒラソル法律事務所は離婚問題を専門とする弁護士が在籍する弁護士事務所で、年間100件もの離婚相談を承っております。名古屋市近郊にお住まいの皆様にとって相談しやすい雰囲気づくりを徹底しておりますので、きっと安心と満足をご提供できるものと考えております。

どの方法を選択しても安心できるように

いかがでしたか。財産分与や慰謝料の支払いは選択した方法により、留意しておかなくてはならないポイントが大きく異なります。各ポイントを押さえておけば、離婚後にトラブルを発生させることなく、新しい気持ちで第一歩を踏み出すことができます。上記を参考に、夫婦にとってベストな方法を話し合ってみてはいかがでしょうか。