審判前保全処分却下が取り消された事例
夫は,妻に対して離婚前に週1回の面会交流の保全処分を求めていましたが,原審がこれを却下してしまいました。ところが,抗告審は,父母間の対立・反目が激しいということだけを理由として直ちに面会交流が認められないとするのは相当ではないとしました。 すなわち、子の福祉に合致した面接の可能性を探る工夫と努力を怠ってはならない,とされたのである。 そして,面会交流の回数・時間・場所などを工夫することにより,子に対する父母の感情的葛藤による影響を最小限に抑えられるとしている。 この点は,父親側の教養レベルも審判では言及されています。また、子どもが,萎縮してしまうなどのマイナスの感情を抱くときはダメであるがそうでない限りは,僅かな期間であっても面会交流は実施するべきであるし,その必要性もあるということを指摘しています。 原審は破棄され,父の面会交流の申立を却下した判断を変更して,名古屋家裁での審理のやり直しを命じた裁判例があります(名古屋高決平成9年1月29日家月49巻6号64ページ)。