相手がこどもを連れて遠くに引っ越すといっています。

 

相手がこどもを連れて遠くに引っ越すといっています。

 

名古屋市で夫婦をしていた父母が離婚し、母が息子を連れて沖縄に帰る場合、面会交流はどうなってしまうのでしょうか。

今回は、「遠くに引っ越しをされてしまうと、面会交流が大変になる」というパターンをご紹介したいと思います。

今回は引っ越しによる面会交流の相談について、弁護士が解説します。

 

1.面会交流の協議

少なくとも、現在の日本法では、こどもを遠くに連れて行く形で面会交流が事実上、困難になったとしても、法律上の問題にはならないと考えられています。

一般的に、母と子が遠方に引っ越すということになりますと、離れて過ごす父親にとっては、交通費や時間の制約で面会交流の負担が増すことになります。アメリカなどでは州をまたぐ引っ越しが禁止されているケースもあります。

 

では、日本法では、法律上、特に問題がないからといって、事前の相談もなく、いきなり引っ越しをしてしまい、後日伝えるということで良いのでしょうか。

実際、そのようなことをする母親もみられますが、父母としての信頼関係に悪影響を及ぼす恐れがないとは言えません。

もちろん、引っ越しをすることは、法律上の問題ではありませんが、養育費などのトラブルに発展する可能性もあります。

引っ越しが決まった場合、すぐに、相手に対して引っ越しの事実を通知し、面会交流の方法について、話し合うのが望ましいといえるでしょう。

例えば、今までの面会交流が1か月に1回であったのを2か月に1回として代わりに宿泊付きとするようなことも考えられます。

また、例えば沖縄に転居したとしても、面会交流は、交互で行うのが望ましい場合もあり得るでしょう。

2.原則として親権者がこどもを連れて引っ越すことは問題ない

親権者も、仕事などの関係など自身の生活があります。そのため、親権者自身が引っ越すことを止めることを面会交流親が決める法的根拠は日本法にはありません。また、親権者として、こどもの養育に責任を持つ立場である以上、引っ越しに際してこどもを連れて行くことは、むしろ当然のことと理解されており、これを面会交流親が止めることはできないと考えられています。

 

2-1.親権者変更の調停も

例えば、こどもが私立の学校に進学しており、こどもがその学校を卒業していることを希望している場合には、引っ越さない方が子の福祉に資することもあります。この場合は、親権者変更の調停を申し立てて、面会交流親が親権者となってこどもを養育するという方法も考えられなくはないでしょう。

2-2.相手が面会交流を妨害する意図であえて遠方に引っ越す場合

相手が面会交流を妨害する意図で、あえて遠方に引っ越すということも考えられます。

その引っ越しは、相手の親権者としての適格性を疑わせる事情となります。

こちらから親権者変更を申し立てた場合は親権者変更の問題となる可能性もないわけではないでしょう。

ただ、そのようなケースで相手の妨害の意図を証明することはなかなか困難です。

なお、離婚に際し、面会交流のため、相手に引っ越しをしないことを義務付ける約束をするケースもあるかもしれませんが、憲法の居住・移転の自由の観点からおそらく無効になるのではないかと思われます。

3.遠方の面会交流のパターン

遠方の面会交流のパターンとしては、ZOOMやLINE電話など、オンラインツールを利用することも考えられるのではないかと思います。東京と沖縄のような場合では、2か月に1度会うということも難しい可能性がありますから、2~3か月に1回宿泊付きとしたうえで、リモートを組み合わせたり、プレゼントなどの間接交流の充実を目指していったりするとトラブルが少なくなるかもしれません。

また、東京や沖縄あるいは中間地でそれぞれ実施するとトラブルが少なくなるかもしれません。

面会交流でお困りでしたら、名古屋駅ヒラソル法律事務所にご相談ください。

 

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