子どもが賛成してくれるための結婚の進め方

子どもが賛成してくれるための結婚の進め方

 

  • 将来起こり得ることを想定して話し合いを

 子がいる再婚で成功するのは、お互いの子たちから祝福され、新しいパートナーと自分の子の関係が良好に継続できる夫婦です。まずは相続や配偶者居住権の行使などについて、予測可能性を与えておくことが重要です。

 それには、再婚する前に将来起こり得る「暮らし方」「相続」「介護」などについて夫婦でよく話し合い、ふたりの気持ちを子たちに伝えておくことが大切です。特に、毛嫌いされるケースですと、再婚相手を「介護」しなければならないということについて、嫌悪感を示される場合もあります。

 例えば、父親の再婚で、自分に何かあったときは「家はパートナーに」「預貯金は子たちに」といった意思を子たちに伝えておいたり、資産の一部を子たちに生前贈与するなど、具体的なプランを伝えておけば、子たちも結婚に反対することなく、新しい親と子の良好な関係が築けるでしょう。遺言を用意したり、遺留分を放棄する法手続きをとることで納得を得られる場合もあります。

 

  • お金の話し合いだけでは新しい関係は築けない

 ただし、話し合うのは大事ですが、明快にしておくといっても限度があります。夫婦の互いの資産をすべて子供たちに伝えて、自分たちの自由になるお金の範囲まで確約してしまったら、老後が窮屈なものになってしまいます。やはりあくまでも、親とはいえ、自分のお金は自分のお金で極度にこどもに遠慮する必要はないといえます。極端な話し、遺産は残す義務まではないからです。

 結婚後、何が起こるか不透明な部分も多いので、ある程度あいまいな部分を残しておかないと、夫婦や親子の情の部分が損なわれる可能性もあります。ここはあくまでも親として、「こういうつもりだ」という気持ちを伝え、新しい生活への協力を仰ぎましょう。

 

  • 事実婚を選択するのも1つの方法

 また、法律婚によって新しい配偶者に1/2の法定相続が生ずるのは事実です(子がある場合)。事業主の場合、配偶者に法定相続が行われたばかりに事業の継続ができなくなる場合もあります。

 そうした事態に備えて、遺言によって事業の継続を図る方法もありますが、それ以前に法律婚でなく事実婚を選択することで、相続のトラブルを回避する方法もあります。こういう事業承継に関しては、あらかじめ弁護士に相談しておきましょう。

 事実婚であれば、相続の心配をする子たちの同意も得られやすく、パートナーには遺言によって財産を渡すこともできます。ただ、法律的保護に乏しいこともあるので、そうであれば、そもそも事実婚なんかしないという価値観の人もいます。そういう意味でマッチングが大事といえるでしょう。

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