財産分与の不動産の価値ってどうなるの?
シュシュ:財産分与対象財産が不動産しかない場合、1000万円だとしたら半分にして取得する側がそうでない側に500万円を支払うことになるよね。そこで不動産の実勢価格(市場価値)をいくらと評価するかが問題となります。
弁護士:一方は実勢価格が低い固定資産評価額やそれに沿う査定書を提出し、他方は、なるべく高額にしようとするよね。もっとも、路線価をもとに0.8で割り戻した金額が妥当であると主張してきました。
シュシュ:そうなの?
弁護士:でも、0.7の方が妥当かもしれませんね。一般的に路線価は0.8で割り戻すものなのですが、路線価については、平成4年度税制改正の要綱に土地の相続税評価割合を地価公示価格水準の8割程度に引き上げる等の適正化を図るみたいなことが書いてあるのですね。しかし、この資料には、路線価は公示価格の8割程度であり、公示価格は実勢価格の9割ほどとされています。
そうだとすれば、路線価を0.8で割り戻しても公示価格にすぎないのであって実勢価格を求めるには、さらに、0.9で割り戻す必要があるということになるので、0.8×0.9=0.7で割り戻すようになるという論理的根拠もあります。なお、公示価格と実勢価格は、場合によっては1.5倍くらい離れているところもあるので、査定をとってみるのもよいかと思います。公示価格と実勢価格が乖離する地域もあれば、乖離しない地域もあるようであるので、問題となっている土地について公示価格と実勢価格の乖離を主張する場合は調査してみましょう。