財産分与の割合

財産分与の割合

『夫は長年大きな会社に勤め高額の収入を得ています。私は結婚以来専業主婦として子どもの世話や家の中のことをしてきました。離婚に際して夫から、夫の能力で築いた財産なのでお前にやる財産はないと言われました。夫の言い分に従わなければいけないのでしょうか』

シュシュ:これでは、小さなお子さんを抱えたお母さんは生活ができないね。

弁護士:それぞれ言い分があるので、解説をしていきましょう。妻が専業主婦の場合であっても、財産分与の割合については2分の1が原則となっています。

シュシュ:うーん。なんで?

弁護士:それはシュシュが、自分で洗濯もご飯も作れないのと一緒じゃないのー

シュシュ:最近はご飯は僕作ってるよ。オムレツとかだけど・・・。叔父さんと一緒に餃子も作ったじゃん。

弁護士:とはいうものの、主婦は一定の経済的労働生産性としての価値があると解されており、交通事故においても、賃金センサスが利用されています。

ただし、夫自身の特殊な能力や努力によって高額な資産形成がなされた場合には例外的に2分の1ルールが適用されない場合があります。

まあ、芸能人とか、ゴルフ選手とかなんだけど、バスケット選手は否定されたことがあるかな。

シュシュ:いろいろな職種の代理人やっているんだね。

弁護士:そうだね、最近宝くじも内助の功があると認められましたので、一部のみとはいえ、内助の功があるから今後は有価証券のキャピタルゲインが問題になるかな。また、仮想通貨はどうするかなど、古いけど新しい問題があるんだ。

 

専業主婦の場合

数年前までは、専業主婦の家事労働と夫の労働とは必ずしも対応に評価されておらず、財産分与の割合も財産の3~4割とされる事案が多くありました。

しかしながら、最近では、専業主婦である妻の寄与を夫の寄与と同等に見るという考え方が主流となっており、財産分与の割合についても2分の1とするのが原則となっています。

ただし、夫が医師や会社経営者などであって、個人の特殊な能力や努力によって高額な資産形成がなされたという場合には例外的に2分の1ルールが適用されないことがあります。宝くじでも内助の功はあっても修正はされています。

一般的に、婚姻期間が長ければ長いほど、財産分与の認容額も大きくなる傾向があります。

共働き夫婦の場合

共働き夫婦も専業主婦の場合と同様で、財産分与の割合は原則として2分の1です。

 

財産分与の手続

『財産分与について話し合いがまとまったときはどのような手続が必要になりますか。話し合いがまとまらなかったときは、どうすれば良いですか。』

話し合いがまとまったときは、合意の内容に従って名義をかえるなどの手続きを行います。名義をかえるまでに時間を要する場合などは合意書を作成する必要があります。話し合いがまとまらなかった場合には、自動的に審判に移行して裁判所が決定します。離婚の訴訟に附帯して財産分与の申立てをすることもできます。

  1. 財産分与の請求方法
    • 財産分与は、当事者の話し合いによって決めることができます。夫婦間で話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に財産分与の調停または審判を申し立てることができます。家庭裁判所では、審判を申し立てた場合でも、はじめに調停で話し合いが行われます。調停が成立しない場合には、調停を申立てた場合でも自動的に審判手続に移行し、裁判所が審判という裁判によって財産分与を決定しています。さらに、離婚の訴訟に附帯して財産分与の申立てをすることもできます。
    • 財産分与調停の申立手続 離婚後のみで離婚時の場合は離婚調停の中で話し合います。
  2. 申立先
    相手方の住所地を管轄する家庭裁判所、もしくは当事者が合意した家庭裁判所(管轄合意書が必要)
  3. 申立書に添付するために取得しておく書類
    離婚時の戸籍謄本、不動産がある場合はその登記事項証明書、固定資産評価証明書
  4. 参考として必要になる資料
    預貯金通帳若しくは残高証明(婚姻日、離婚・別居日のもの)、生命保険証書など、財産に関する資料
  5. 夫婦間で話し合いが成立した場合
    • 合意書(書面)の作成
      夫婦の話し合いで夫婦の財産を分けることが決まった場合、決めた内容はできるだけ書面に残し、相手の署名押印をもらっておきましょう。口約束は、後から言った言わないの争いになることは少なくありません。
      決めた内容を公証役場で公正証書にしておけば、後で相手が支払わない場合に強制執行が容易になります。

財産を一切請求しないという書面を書いた場合

子どもの親権が欲しい等の理由から、離婚の際に、子どもの親権者となる代わりに、財産は一切請求しない等の書面を書いてしまうケースがあります。この場合、原則として、財産分与や慰謝料を請求することはできません。相手に脅されるなどして無理やりサインさせられたなどの特殊な事情があれば、請求できる可能性もありますが、そのような特殊な事情を後から証明することは困難です。結構このような書類が存在することはあります。まずは弁護士にご相談ください。

したがって、離婚の際には、安易に権利を放棄するような合意をしないことが大切です。

  1. 財産分与の請求期間
    財産分与は、離婚の時から2年を経過すると請求できなくなりますので注意して下さい。

依頼者様の想いを受け止め、
全力で取り組み、
問題解決へ導きます。

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