警察に通報したら何をしてもらえるのか、また、暴力を受けている最中でなくても警察は対応してくれるのか。

警察に通報したら何をして?暴力を受けている最中でなくても警察は対応してくれるのか。

 夫から頻繁に殴る蹴るの暴力をふるわれるが、警察にとりあってもらえるか不安でその場では110通報ができない。警察に通報したら何をしてもらえるのか、また、暴力を受けている最中でなくても警察は対応してくれるのか。

 110通報をすればすぐに警察が駆けつけてくれ、暴力の制止、加害者の現行犯逮捕、被害者の保護、今後の被害防止のための情報提供などをしてくれます。暴力をふるわれたら、隙を見てためらわず110番通報して下さい。愛知県の場合、警察の出動が、保護命令の事実上の要件になっている可能性があり、被害を受けたら警察を呼びましょう。

 また、暴力の最中に限らず、DV相談、保護命令申立、発令後の安全確保等の各場面において、警察機関が被害者の保護に必要な役割を果たします。

 警察機関の重要な役割

 配偶者から暴力を受けた被害者がまず頼るのは、多くの場合、警察機関です。平成29年度に警察が受理した相談件数は7万件を超え、DV防止法施行以降過去最多で14年間増加し続けています。ただし、でっちあげDVについては、「卒コン」とか、「モラハラ」では弱いので、DVを仕立て上げる場合、損害賠償請求をなされ、親権者としての適格性なども否定される恐れもあります。正当な申立てに限られることは、特に理解しましょう。

 DV防止法は、その手続の各段階において警察機関に重要な役割を与え、また、被害者の保護のために、暴力の制止、被害者の保護その他の予防措置、関係機関との連携などの必要な義務を課しています。

 警察官は、通報などにより配偶者からの暴力(DV)が行われていると認められるときは、警察法・警察官職務執行法など既存の法令に従って、暴力の制止、被害者の保護、その他被害の発生を防ぐために必要な措置をとるよう努めなければならないとされています。

 具体的には、暴力行為の制止、警告、現行犯逮捕、事情聴取、負傷した被害者の一時保護、配偶者暴力支援センターや相談窓口の利用方法等の情報提供などをしてくれます。また、希望すれば自宅周辺の巡回をしてくれることもあります。さらに、DV防止法は、DVによる被害を自ら防止するための援助を受けたい旨の申出が被害者からあったときは、必要な援助を行うべきことを警察署長さらには警視総監・警察本部長に対し義務付けており、警察による援助をより強化しています。

 また、警察は、他の関係機関(配偶者暴力支援センター、福祉事務所、人権擁護機関等)と相互に連携を図りながら協力し合い、被害者の適切な保護を図るよう努めなければならないとされています。警察を含む関係機関は、被害者の保護に係る職員の職務執行に関し、被害者から苦情の申出があった場合には、適切かつ迅速にこれを処理するよう求められています。

 「配偶者からの暴力相談等対応票」の作成

 警察は、DVの相談を受けたら必ず「配偶者からの暴力相談等対応票」を作成します。この対応票は、全国の警察において統一の書式が使用されており、保護命令の審理の際には、裁判所の求めに応じて速やかに提出すべき書面とされています。裁判所は警察に対し、対応票に記載された事項について更に説明を求めることもできます。

 このように、対応票は、保護命令申立の信用力を担保し、迅速な裁判を実現するために、重要な位置づけを与えられています。したがって、被害を訴える場合、被害の時期・頻度・被害状況など、必要記載事項についてできるだけ具体的かつ克明に伝え、警察にしっかり把握してもらうことが肝心です。

 その際、注意が必要なのは、裁判所に提出された対応票は、相手方(加害者)が閲覧・謄写(コピー)できるという点です。警察としても、被害者の一時避難先については、相手方に知られないよう部内処理用書面のみに記載するなど、必要な体制を取っているようですが、相談する側としても、相手方に知られたくない事項については、警察にはっきりと告げておくことが大切です。

 保護命令の発令後における保護

 保護命令が発令されると、裁判所は、その旨及びその内容を速やかに申立人の住所又は居場所を管轄する警視総監又は都道府県警察本部長(警察)に通知します。警察は、裁判所から通知を受けると速やかに申立人と連絡を取り、その住居その他通常所在する場所を把握して、所轄の警察署長に連絡をします。

 そして、連絡を受けた警察署は、申立人と連絡を取り、警察官が申立人の自宅を訪問するなどして、緊急時の連絡体制、防犯上の注意点、配偶者暴力相談支援センターの利用に関する事項等について助言をし、そのほか、申立人の安全確保のために必要な方策(自宅周辺の巡回等)について、申立人と相談します。また、申立人が希望すれば、一時避難中に退去命令が発令されている住居に荷物を取りに行く際に警察官が同行してくれることもあります。

 また、裁判所は保護命令を発令した場合、速やかにその旨及びその内容を、申立人が相談等をした配偶者暴力相談支援センターにも通知します(ただし、申立人が前述センターに相談した事実があり且つ、申立書にその旨が記載されている場合に限る)これにより、同センターは迅速に保護命令の発令を知ることができ、警察等と連携してより円滑に被害者の保護を図ることができます。

 警察官の被害者への配慮義務、DVの特性についての研修・啓発

 警察などの職務関係者は、DV被害者に接するときは、その心身の状況、置かれている環境等を踏まえ、人権の尊重・安全の確保・秘密の保持に十分配慮するよう義務付けられており、被害者が外国人や障がい者であることによる差別は許されません。

 さらに、国と自治体は、警察などの職務関係者に対して、被害者の人権、DVの特性に関する理解を深めるための研修・啓発を行うことが義務付けられています。

 これは、DVにより精神的にダメージを受けて居る被害者は、警察官など職務関係者の言動によりさらに傷つきやすいこと(二次被害)、また加害者から報復される危険性が高く秘密の保持には特に留意が必要なことなど、職務関係者にDVの特性についての知識を習得する機会を与え、十分な配慮ができるようにすることを目指すものです。

 DVの場合、捜索願に対する警察の対応

 夫が妻の所在を探す目的で捜索願を出すことがありますが、警察が妻の家での理由がDVによるものであるという事実を把握している場合には、捜索願は受理されないことになっています。

 しかし、警察が当該事実を把握していない場合には、捜索願は受理されてしまいます。その場合でも、その後、家出の理由がDVによるものと判明した場合には、妻の意思に従い、その生存のみを連絡するなど、適切な措置を講ずることとされています。

 したがって、捜索願が出されてしまったとしても、警察に発見されたときに、家出の理由を説明すれば、夫に所在を通報されるおそれはありません。しかし、そのような煩わしさを回避するためにも、家を出るときには、警察に相談に行っておくことをお勧めします。

福田千恵子名古屋高裁事務総長の判決以降、でっちあげは禁止。

名古屋地裁4月25日判決

「より良い制度に向けた検討が期待される」。今回の判決で、福田千恵子裁判長はそう踏み込んだ。この提言は(1)DV(家庭内暴力)被害者の支援制度が、子供と相手親を引き離す手段として悪用されている(2)加害者とされる側の権利を守る手続きがなく、虚偽DVの温床となっている-などの問題意識を反映したものだ。この判決は今後、制度の在り方をめぐる議論につながる可能性もある。

 子供をめぐる夫婦間トラブルで多い類型は、一方の親が相手親に無断で子供を連れ去り、その理由として「DVを受けていた」と主張する-というものだ。

 従来は、たとえ連れ去りの結果であっても、現在の子供の成育環境の維持を考慮する考え方(継続性の原則)などが重視され、連れ去られた側が不利となる事例が多かった。さらに相手からDVを主張された場合、子供との交流の頻度や方法を決める際にも不利に扱われやすいとされる。

 DV主張は覆すのが困難で、実務上、証拠が乏しくてもDVが認定されることが多い。実際、裁判記録などによると、DV認定を抗議した夫に警察官は「女性がDVを訴えたら認定する」と発言。法廷でも「支援申請を却下したことは一度もない」と証言した。

この問題に詳しい上野晃弁護士は「こうした運用は愛知県警だけでなく、全国的に同様だ。警察は申請を却下した後に事件などが起き、責任追及されるのを恐れるためだ」と分析する。

 一方で近年では、「親権や慰謝料を勝ち取る法的テクニックとして、DVの捏造(ねつぞう)が横行している」「連れ去りをした側が有利な現状はおかしい」との指摘も出ていた。

 国会でも平成27年4月、ニュースキャスター出身の真山勇一参院議員が、現行制度下で子供の連れ去りや虚偽DVが横行している問題を指摘した。

 福田裁判長は「いったんDV加害者と認定されれば容易に覆らない現行制度は見直すべきだ。まず被害者を迅速に保護して支援を開始した上で、加害者とされた側の意見もよく聞き、その結果に応じて支援の在り方を見直していく制度にすれば、社会問題化している制度悪用の弊害を防げる」と指摘。司法府が立法府に注文をつけるのは異例だ。

 原告側代理人の梅村真紀弁護士は「(判決が)子供第一の協議が行われるきっかけになってほしい」と話す。

 妻側は既に控訴しており、上級審の判断が注目されるが、最高裁二課長の判断を覆すのは妥当ではない。

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