親の精神疾患とアルコールと親権、監護権について名古屋の離婚弁護士徹底解説!
元来、大人の精神障害がこどもに与える影響について裁判所が疑問を持ち、そのためには精神保健衛生福祉士などの司法評価者を任命することが本来のあるべき姿のようであるように思われる。現実にアメリカでは、親の精神的又は心理的な健康を考慮するとの立法がなされている。しかしながら、日本では、精神障害について指摘がなされても、臭いものはフタという感じであくまでも母子優先の原則により運用されている実態があるように思われ、結果的に、こどもの精神衛生を害していると云わざるを得ない。
シュシュ:データは、パパのものよりママのものの方が多くなるよね。
弁護士 :そうだね。女性が親権者になることが多いからですね。
シュシュ:深刻な監護ができない精神疾患だけどどのような影響が出るのだろう。
弁護士 :そもそも、公的扶助などを受けていれば別だけれども、監護権紛争に不利になると思って精神衛生の問題を悪化させる方もいますよね。
シュシュ:親が精神障害だとこどもは大変だと思います。自分のことで精いっぱいでこどもの監護にまで手が回らないだろうと思います。
弁護士 :精神疾患が深刻になればなるほど、母は子の監護権を失いやすくなるとされます。
気分障害などがある場合、親は、養育や子への応答性、つまりニーズに応えられなくなる、といわれているのです。
シュシュ:気分障害を有する母が、親権者になった場合、こどもの情操の乱れを面会交流などのせいにする例もみられます。一般的に精神疾患を有する親を持つ子は、学習上の問題、発達上の遅れ、スキルの不足、身体的愁訴を生じるリスクが高いんですよね。
弁護士:うん。精神疾患を負っている親のこどもは全般的に、精神疾患に脆弱で、心理社会的リスクを持っているといわれていますね。
シュシュ:やはりこどもは親が日々直面するストレスからの回復力が乏しい親の監護下にいることに照らすと、直接的な精神的影響を受けてしまいますよね。
弁護士:しかし、日本では、親の精神疾患は監護紛争で生じる複雑な問題であるにもかかわらず、司法精神保健の評価者である精神科の医師や臨床心理士に評価させることに消極的である。医師免許も看護師免許も持たない家庭裁判所調査官が、精神衛生にも全く問題でありませんでした、という内容虚偽の報告をすることもありますが、子の最善の福祉に資さないことは明らかです。そこで、障害が監護に与える影響と、疾患が子に与える影響についての関連性の的確な評価が必要であることは明らかである。
シュシュ:ママも帰ってくると、デイリーワインがガバガバと飲んでしまって不安になることがあります。アルコールや精神安定剤の使用はどうなんですか。
弁護士:国立アルコール中毒研究所は、軽度の飲酒者を1週間に3回、中度を4回以上7回と定義しています。女性では、1日1回を超える者と定義されます。また、歴史的にみて女性は精神安定剤を濫用しやすいとされています。
シュシュ:僕のママは絶対中度だよ。・・・。問題なのは、自宅で飲むために、社会とのつながりがなく発覚や問題視されにくいということではないかなと思います。性別にかかわらず依存症に至らなくてもアルコールや精神安定剤の濫用は問題となり、それが面会交流や人間関係などに影響を及ぼしている場合は監護者として不適格となるわけだね。
弁護士:もちろん直接の因果関係がどれくらいあるか分かりませんが、統計的に物質濫用をしている親を持つこどもが影響を受けていることは受け止めるのが妥当だね。