宿泊付面会交流の理論的基礎

今日、とある支部長裁判官との「宿泊面会交流」の議論が出たが、日本ではルーティンとしての宿泊は当事者の合意が重要であることを意識する必要がある。もっとも、近時は、宿泊付の面会交流が増加しているという印象がある。やはり、就寝の際にアタッチメントが深まるという社会通念は確立されてきているように思われます。 別居した又は離婚した場合の家庭の幼児は、特に夜は母親と過ごしているという実証的研究があります。これは愛着理論とも合うものです。 しかし、2001年の研究では、年少の子でも複数の安定した愛着を形成でき、スケジュールが不規則ではなく(2004年の臨床的研究)、両親のどちらにも思いやりがあり愛情に満ちている限り、両親のどちらにも定期的に交流を持つことが必要との臨床的研究があります(2004年)。非常に幼い子の宿泊面会についても、有害との立証はなかったとされています(2004年)。 愛着という観点からも、何歳の子が非監護親と夜を過ごすと愛着(アタッチメント)に欠けることがないか、年齢や段階に応じた検討は必要ですが実証的研究からわかるように、宿泊付面会が直ちにこどもの負担を増すという客観的研究はあまりないようです。もっとも、こどもの安定性は自動車で1時間の距離内にないと次第に薄れていくと考えられています。(120キロ、1992年の研究)

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