養育費以外の費用を要求される場合
名古屋の離婚弁護士のコラムです。
さて、男性側の場合、離婚に際して養育費が決定された場合、父母の収入を求め、子どもの生活費を求め、それを父母の収入の按分で子どもの生活費を割り付けるという構造になっています。
よくご相談をいただくのが、学費、塾、お祝い金、教科書代などを要求されるという例です。
こうした要求に応えた結果、今度は「もっと支払ってもらえるはず」と養育費の増額調停を誘発してしまったという例もあります。
算定表の基礎においては、学費や塾の費用などの平均的なものは含まれていますから、毎月決められた養育費以上の金額を支払った場合については、臨時に必要な出費として請求されても、親としての教育方針に合えば、善意で支出することはかまわないのですが、義務として応じる必要はありません。
養育費については、私立大学への進学が見込まれる場合の入学金、寄付金、留学などの高額な出費が予想される場合、そうした場合に必要な額を折半や按分割合で負担するといった調停を起こすことも可能かと思います。しかしながら、高等教育を親のお金でどこまで受けさせるかは親の教育権の範囲といえると思います。また、浪人を認めるか否かも問題となる点といえます。
現在は奨学金制度が充実し、高等教育の費用は、①国負担→②親負担→③本人負担というのが社会の流れでもあります。
こうしたことも踏まえて、子どもの教育方針は、たとえ離婚してしまったとしても、親同士の信頼関係の下で話し合って決めることが望ましいといえそうです。