婚姻費用分担請求の抗告審で勝訴しました。保育料

婚姻費用分担請求において、保育料はどのように理解されるのか、婚姻費用の研究などの論文にもほとんど触れられていません。当事務所は幼稚園に準ずるものとして、判例違反を主張したり、双方就労している場合、保育料が相当高額で婚姻費用が保育料でなくなってしまうのは素朴におかしいという主張をしていました。当事務所の抗告趣意に応えたのが、名古屋高裁平成27年9月11日決定です。
「抗告人は、抗告人が長男の保育料を支払っていること・・・を考慮して、相手方の婚姻費用分担額を算出すべきである旨主張する。  保育料についてみると、算定方式では、0歳から14歳までの子の教育費として、公立中学校の子がいる世帯の年間平均収入に対する公立中学校の学校教育費相当額(年間13万円)が考慮されているところ、・・・抗告人は、長男の保育料(教育費とみるのが相当である。)として月額4万8700円(年間58万円)を支払っていることが認められる。抗告人が負担する長男の保育料については、算定方式において考慮されている教育費相当額を大きく上回るものであり、算定方式により算出される標準的な婚姻費用分担額には、その保育料全額が考慮されているものとはいい難い。そうすると、抗告人が負担する長男の保育料については、特に不合理で不相当な教育費ともいえず、婚姻費用分担額を定めるに当たって考慮すべき個別の事情であると認めるのが相当である。・・・抗告趣意には理由があり、上記と異なる原審判を変更することとし,主文のとおり決定する。」
公刊判例の中には、保育料に関して、婚姻費用や養育費の加算調整要素としたものは、当事務所で調査した限り見当たりませんでした。したがって、非公開裁判例の中にはあるかもしれませんが、実務上、幼稚園ではなく中学校の学校教育費相当額をベースとしている等疑問点もあるものや教育費とみていることなどにつき、当事務所の見解と相容れないところもありますが、共働きの東京都などの例では、こどもの保育料が高いことは考えられることで、別居した場合、婚姻費用だけで保育料をまかなえないというものです。保育料というのは、教育ではなく働くための必要経費とみるべきであって、名古屋高裁の判断には賛同できないところもありますが、経費を支出したら生活費がなくなるのはおかしいと訴えた結果、その抗告趣意を認めていただいたものです。実務上参考になると思われるので、その一部を紹介する次第である。

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