離婚した場合の届出方法について教えてください。また、戸籍にはどのように記載されるのでしょうか。
離婚の届出の方法と戸籍上の記載
Q離婚した場合の届出方法について教えてください。また、戸籍にはどのように記載されるのでしょうか。
A 離婚には、①当事者の話し合いで離婚する協議離婚と、②裁判所が何らかの形で関与する調停離婚、審判離婚、判決離婚、訴状上の和解による離婚及び請求の認諾による離婚(以下、「裁判上の離婚」と言います。)があります。離婚の種別によって、その届出方法や必要書類が異なります。なお、現在では、審判離婚は調停に代わる審判という特殊なもの以外は利用されていません。
戸籍に、審判離婚、裁判離婚、和解離婚などと記載もされます。
1 協議離婚の届出方法
協議離婚は、夫婦の離婚の意思の合致と届出によって、婚姻を解消するものです。戸籍法の定めるところにより、離婚届に必要な事項を記載し、離婚する夫婦及び成年の証人2名がそれぞれ署名・押印して、届出人の本籍地又は所在地の市区町村長に届出をし、これが受理されることによって成立し、離婚の効力が生じます。
離婚届は役場の窓口に備えられているほか、インターネットでダウンロードすることも可能です。本籍地以外の役所に届け出る場合には、戸籍謄本が必要です。
現在、法務省で、離婚届けの様式を厳格化する議論が平成30年現在進んでいます。
しかし、現在のところは、例えば、大阪に住んでいる人が名古屋市の離婚届けを利用して提出することもできます。届出人の本人確認のため、運転免許証などの身分証を提示する必要があります。本人確認ができない場合にも受理はされますが、届出人本人に対し受理通知が送付されます。夫または妻の一方が届け出た場合には、窓口に来なかった方の本人確認ができませんので、その者に受理通知が送付されます。窓口で離婚届けでの訂正をするには、届出印と同じ印鑑が必要です。たいていは何か所か訂正が出ますので訂正印が必要と覚えておきましょう。
2 裁判上の離婚の届出方法
裁判上の離婚の場合には、離婚自体は、調停又は訴訟上の和解の成立、請求の認諾、審判又は判決の確定によって成立しており、届出は報告的なものです(報告的届出)。
報告的な届出ではありますが、身分関係は戸籍で証明するので変えておかなければなりません。
これらの届出は、原則として離婚成立から10日以内に行うものとされています。10日を超えると今度は相手方が行っても構わないとされています。
離婚届には、離婚する夫婦のうち、届出を行う一方のみが署名・押印すれば足ります。相手方の分は白紙です証人もいりません。
離婚届の提出先や離婚届の記載事項は、協議離婚の種別と、調停若しくは訴訟上の和解の成立日、請求の認諾日又は審判若しくは判決の確定日を記載するとともに、裁判の謄本と、審判又は判決の場合は不服申立てが認められていますので、確定証明書を添付する必要があります。なお、調停、和解の場合は即時確定するので、確定証明書はいりません。
3 戸籍の記載
離婚した場合、戸籍の夫と妻の身分事項欄に離婚に関する事項が記載されます。具体的には、それぞれの欄に、協議離婚の場合には請求日の認諾日、判決又は審判の確定日が記載されます、その他、他方配偶者の氏名、裁判上の離婚の場合には届出日及び届出人の記載、当該戸籍から除籍される者については、新本籍も記載されます。
多くは女性が、新しい戸籍を作るケースが多いと思います。その戸籍にこどもを入れるために、氏の変更の申立ての審判をする必要があります。
なお、この場合には仮に母親が未成年子の親権者となったとしても、子は夫の戸籍から除籍されませんので、母と子が戸籍を同じにするには、別途「子の氏の変更」手続きをする必要があります。審判自体は家庭裁判所、氏の変更の審判書に基づく就籍は、各役所で行います。まるまる1日仕事になることが多いと思います。