離婚後の養育費をもらうためには・・・

 裁判などで決めた子どもの養育費が支払われず、金銭的に苦しむ家庭は多い。そうした中、元配偶者の財産の差し押さえがしやすくなる改正民事執行法が五月、成立した。シングルマザーらひとり親を支援する関係者は法改正を「画期的」と評価している。

 もっとも、チャイルドサポートは、国家的意味合いがあるのであって、児童扶養手当や遺児手当の充実も求められるといえよう。

 養育費や面会交流は経験的に、離婚後3年程度でいずれも潰えることが多い。転職や再婚などのライフスタイルの変化が一つの理由で、このような事象が生じているものと考えられる。

 調停で、養育費は「長男が成人するまで、月5万円」などと決めたが支払われたのは最初の3カ月だったという。問題は転職されてしまうと勤務先が分からず強制執行もできないということだ。

 一方女性について離婚後は所得も増加して、いつしか「不払いも仕方ない」とあきらめたものである。

 ただ、18歳前後になると大学進学を控え、高等教育費の問題に直面することが多い。また、児童を対象にした手当は18歳までが多い。

 しかし、問題なのは離婚した父母が大学の進学を検討しているのであれば、話合いが必要で、継続的な面会交流が続いていないとそれは難しいということである。アメリカのテレビドラマで「let’s talk」という言葉を頻繁に聴くが、アメリカでは問題が深刻なほど「let’s talk」なのである。

 ところが、日本の場合は離婚後、父母は縁を持たないことが多い。また、アメリカやフランスでは、カップリングやデーティングが盛んであるので、バツイチでも再婚する人が多い。マクロン大統領夫人と離婚された殿方も実は再婚しているくらいだ。

 なので、突然、高等教育費は負担して、という話合いをするのは難しい。たしかに、法律家に依頼して元夫の現住所を確認。家庭裁判所から養育費の支払いを勧告してもらったとしても、長年絶縁が続いている場合に高額の高等教育費を支払わせるのは困難が伴うだろう。

 そもそも養育費も、親と同等の生活レベルが求められるだけで贅沢な生活の保障ではない。また生活に余裕がないのに高等教育を受けたいということであれば、具体的な成績なども審査の対象になるだろう。

 そういうところは裁判所が決めることであるがもともとは父母間でこどもについて、1年に1回は父母同士で話し合いの機会を持つ必要があるのではないか。それは親権が単独か、共同親権かに関わらないような気がする。子の最善の福祉のためと考えられる。

 再婚家庭も増えている。いわゆるステップファミリーの場合、養子縁組をすると養親が第一次扶養義務を負い、生来の親は扶養義務を免れることになると東京家裁の運用は考えている(別の考え方もある。)。

 現在の民事執行法では、預貯金や給与を差し押さえるには、自力で、相手の口座がある金融機関の支店名や勤務先を特定することが求められる。しかし、普段から密に接していないと、こうした情報を入手することは難しい。女性も、元夫について分かっているのは現住所だけだ。

 そういう意味で、「チャイルドサポート」は養育費と面会交流はセットでなければならない、ということの裏付けではないか、と思う。

 一年以内に施行される改正民事執行法には、「逃げ得」ともいえるこうした状況に歯止めをかける仕組みが設けられた。確定判決などに基づいて地方裁判所に申し立てれば、相手の預貯金の口座情報や勤務先の情報を、対象の金融機関や、住民税の徴収などを基に職場を把握している市町村などから取得できるようになる。一方、差し押さえまでしなくても、法の改正で「逃げられない」と思えば、支払い義務を負う人の意識が変わることも期待できる。2016年の全国ひとり親世帯等調査によると、母子家庭で養育費について相手と取り決めをしているのは42・9%、そのうち調査時点で受け取っている世帯は約半分の53・3%。つまり、23パーセントくらいということになる。

 2017年の人口動態統計によると、未成年の子どもがいる夫婦の離婚は年間12万件を超える。スムーズに差し押さえをするには、養育費に関する取り決めを公正証書や弁護士に依頼し離婚調停調書にしておくことが重要である。

 

 離婚を急ぐあまり、養育費について何も約束しないまま別れる人は少なくない。たしかに、離婚後は戸籍の追求が難しく、養育費請求は弁護士も手間がかかる。他方で、面会交流もチャイルドサポートの一内容であり、養育費の「逃げ得」と非難する自らも面会交流の「逃げ得」と非難されないことが重要だ。つまり年に1回くらいの父母ミーティングがあっても良い。必要なのは「let’s talk」なのだろう。

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