モラハラ被害の女性について調停で金銭解決で離婚した事案
モラハラ男性との離婚を解決!
相談者情報
モラハラ夫のAさんから被害を受けていたモラハラ被害女性のCさん。怒鳴られ続ける毎日で耐えられなくなり、大学生のDさんと一緒に別居されました。Bさんは、Aさんから「もういい!」「いちいち口答えしやがって」んどというモラハラを受けていました。
モラハラ夫のAさんは勝手に自宅を売却すると述べました。
お子さんは18歳以上でしたので、金銭給付や不動産の財産分与が問題です。
まず、モラハラ男性はとてもおカネに執着します。挙句おカネを支払うのが嫌なので復縁しようなどと述べてきました。
したがって、婚姻費用、養育費、財産分与について苦労したポイントとなりました。
相談内容としては、22歳を越える最初の3月まで婚姻費用及び養育費を請求したいということになります。また、財産分与について、預金類も多少ないわけではないものの、不動産が中心であり、かつ、Aさんが居住されているため、キャッシュがないAさんとどのように離婚するかが問題となりました。
最後は、「調停に代わる審判」で決まる。
平均的な調停ではないか、と思いましたが、期日は7回調停を重ねることになりました。
Aさんが本人調停のため、準備はいつも当日であり、弁護士調停委員のI氏は失礼ながらモラハラ男性のAさんに肩入れしている感じでした。最終的には、「I氏」が任期切れになるので、任期切れになって別の調停委員に交代させてから一応の解決を得ることとなりました。
最終的にI村調停委員は、モラハラ男性の特有財産の資料収集まで始めたので、抗議をして、止めさせました。このように、調停委員は、心理的に伝染してしまうと、中立性を忘れて身勝手なことをしてしまうので注意が必要です。
私は、調停委員を無視して、裁判官宛てにこれまでの実情から妥当な和解案を示し検討してもらい、裁判官からもほぼ私の意見に沿った内容の和解勧告が出されることになりました。また、これに対して、モラハラ男性Aさんから、罵詈雑言が記載された書面が出されましたが、裁判官は書面の記載内容からその人の性格を見ますので、典型的なモラハラ男性と認定され、そのモラハラ男性に肩入れしている調停委員のI氏も主導的な立場から外されたように見えました。
こうして、裁判官からの案が出されました。
裁判官の案についてどうするのか。
私の案と裁判官の案は、相手方に一定程度「花」を満たさないと調停ではまとまらない、ということだろうと思われます。
しかし、Aさんの場合、「花」を「花」とも思わず、私の述べたとおり法律通りやれば良いと思いますが、下手な案が出てきたためいささか、こちらに不利な内容となっていました。
私は、Bさんに裁判官の案の妥当性を検証したペーパーを作り、依頼者と打ち合わせた結果、おかしいところは一定程度是正してもらい、裁判官の案で和解をすることにしました。
ところが、おカネを支払わないといけないことに激怒したAさんは、調停委員に激怒して途中で裁判所から帰ってしまったため、裁判官が、調停に代わる審判を出したものでした。
このような場合、調停を不成立にする裁判官が多いと思われますが、モラハラは許さない、ごね得は許さないという裁判官の毅然たる態度が見えたように思います。
本件は、我々Bさんの側、Aさんの側双方から、異議が出される可能性のある調停に代わる審判であると思われたため、しっかりと調停での成果を調停に代わる審判として出したのは、労働審判における労働審判書のように、裁判官としての結論は示すという態度がはっきりしており、勇ましい判事の態度に好感を持ちました。
内容は、概ね、1)離婚する、2)大学在学中の養育費を支払え、3)特別費用が生じた場合の協議条項、4)財産分与として一定額を支払え、5)自動車の所有権をBに譲渡し登録を移転せよ、6)年金分割-といった内容の審判を言い渡しました。
本件は、人訴(離婚訴訟)に移行してもおかしくありませんでしたが、弁護士と裁判官との協同作業の結果、「もう調停としては成熟しているので審判を出す」と裁判官に思ってもらったことが良かったと思いました。結局、双方から異議申し立てはできず、Bさんはモラハラ男性のAさんから無事離婚することができました。
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