法律論に固執する公務員を相手に養育費、財産分与を勝ち取った事例
長男XくんとAさんは、私立中学進学のため県外に。
相談者情報
Aさんは40代の派遣社員であり、Bさんは40代の公務員をしていました。
Xさんが、県外の私立中学校に進学したことを機に、Bさんと、AXさんが別居する生活を営むようになりました。
争点としては、
・預貯金
・有価証券
・マンション(所有)
・退職一時金ないし確定拠出型年金
・財形貯蓄
・生命財産
―を中心とする財産分与のほか、面会交流、養育費、私立学校費の加算調整が問題となりました。
ご相談の内容として
Aさんは、母親としてひとりでXさんを育てていました。しかし、Aさんは、大学職員の派遣社員であり、同大学では次々と経済的事由により退学していく方々を見たと述べて、Xさんの学費を中心とする経済的不安がないようにしたいとお話しをされていました。
このため、生活費調停、離婚調停で様々な主張をしましたが、Bさんも面会交流調停を提起してきたなどの事実関係の下、ご依頼いただいたものです。
こどもには会いたがるが養育費を払いたがらないBさん
1 本件では離婚、慰謝料、年金分割には争いはありませんでしたが、その他は全ての論点で様々な主張をヒラソルの弁護士とBさんが行いました。
2 婚姻費用についてみると、Xさんの学費は、3年間で300万円であり、しかも中間一貫校です。算定表では22万円ですが、加算調整も考慮され26万円で調停が成立しました。
3 養育費についてみると、養育費についてBさんは、国の就学支援金及び大阪府の支援補助金があり実質無償化しているので、高校に進学した場合、加算調整は行わないと主張しました。
しかし、県の実質無償化は、その政党の政策により毎年度変更が生じているような事実関係がありました。他方、養育費で合意がまとまらないと人事訴訟になってしまうことや、高等学校の実質無償化の制度の適用になる可能性が高いことを調べて、高校進学時に加算調整を止める案で合意をまとめました。
4 財産分与についてBさんの態度は、相当とはいえませんでした。
・証券口座の取引履歴を提出せず、思い込みに基づいて特有財産と主張した
・譲渡所得税など本来特例により税金がかからないにもかかわらず経費を計上した
・売却見込み額として裁判所に提出した金額と売り出し価格が全く違う価格であった
・その他、謎の慰謝料、謎の不当利得などの主張をした
・面会交流も却下となった。
丁寧に一つずつつぶしたこと
1 相手方は、学校内に弁護士がいるのか、素人の弁護士顔負けの主張を展開していました。
しかし、所詮は素人仕事です。
2 有価証券について、履歴がなく特有性が失われており、当該口座の金員の原資が特有財産であるか証明されていないと指摘し、調停委員会に納得していただきました。
3 不動産を売却するときのBさんの独自の課税の考え方に対して、当代理人で課税関係を調べ、Bさんの主張が誤りであることを論証して調停委員会に納得していただいたこと。
4 Bさんは忘れたときに、改めて特有財産の主張を繰り返すなどされましたが、その一つ一つに理由がないことを論証しました。
5 結果、Aさんにご満足いただける財産分与額を確保することができました。
6 裁判所には安い価格で不動産を売却したと見せかけ、実際は高く売ろうとしていた事実を調べ上げ調停委員会に報告いたしました。このようなことは認められません。
7 これらも、ヒラソルの弁護士が、①財産分与の法理、②不動産の知識、③婚姻費用や養育費の計算に精通しているからこそ、できたものと考えられます。
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