有責配偶者からの離婚請求を粘り強く成立させた例
有責配偶者からの離婚請求を粘り強く成立させた例
相談者情報
事案は、不貞行為をしていることは否認していますが、証拠上は有責配偶者とならざるを得ない男性からの依頼を受けたものでした。
他方、妻は別居に際して、おおかたの通帳も含めた財産をもって別居していました。
商売をやっている方であったため、経理をやっていた相手方が別居したことにより商売に多少の支障を来たさなかったとまではいえない事案でした。
長年の家庭内別居、意図的な婚姻費用のつり上げ作戦なのだろうか?
相談としては、1)離婚したい、2)個人事業主のため、経費計算が大変であり、婚姻費用や養育費の金額を適正化したいというものでした。
妻側は離婚意思は最初は明確ではありませんでした。また、夫の言い分は、別居を企図して、意図的に税務申告において経費を申告していないという主張がありました。こうした主張はめずらしいのですが、妻側は既に財産分与の話合いがいらないくらい財産を持って出ていたので、あながちあり得ないわけではありませんでした。そこで、2~3年の所得を調べ、適正な経費を考慮するべきという難しい主張をすることになりました。
岐阜家庭裁判所から名古屋家庭裁判所へ
名古屋家庭裁判所では、相手方が年末年始のため実質延期して欲しいと期日で申し入れたのを含め3回で解決しました。
他方、岐阜家庭裁判所では、調停委員の人格に明らかな問題があり、ひいては、弁護士や依頼者を誹謗中傷するなどの犯罪行為に出たことから、名古屋家庭裁判所に移送しました。(なお、その岐阜家庭裁判所の調停委員は威力業務妨害で書類送検されたそうですが、犯罪者を調停委員に選任する岐阜家庭裁判所は相当ではありません。一応弁護士のようでしたが、恥というべきですね。)
どのように問題だったかというと、A調停委員は、「あんた、いくらカネ払えるのか?」「いくらやない」とまるで反社会的勢力のような感じでした。ある弁護士ははずれの調停委員のことを「モラ調停委員」という人もいますが、実際威力業務妨害の法適用がされたのですから、「反社調停委員」というべきでしょう。
名古屋に移送後はベテランの調停委員に交代し、争点整理がすぐにされて、それに沿った主張をお互いしました。
犯罪者調停委員は論外だが、弁護士を雇うメリットは争点整理ができること
岐阜家庭裁判所では期日をいくら重ねても、争点が定まらず、「通帳を返すといっていますよ~」というように、相手方が調停委員を通じてからっぽの通帳を返してきました。このような低レベルなことの繰り返しでした。
しかし、財産分与をするならば、基準時時点を明確にしなければなりませんし、家事調停で解決できないところは争点から外す必要があります。しかし、残念なことに、岐阜家庭裁判所の調停委員は通帳を返すくらいしか能がないようです。挙句、相手方弁護士の意思を通じているのかは知りませんが、そもそも家事調停の対象にならないような事柄を取り上げたり、調停委員には公平性にも疑問が持たれました。
その点、名古屋移送後は、相手方もきちんと準備をするようになったのです。
最初は、うん百万円支払わないと離婚できないところですが、名古屋家裁移送後は、結局、32万円の未払婚姻費用を支払うだけで済みました。弁護士に依頼していないと、数百万円支払わされていたか、離婚調停で終わらず、訴訟になっていたのは間違いないでしょう。
今回の調停では、岐阜中警察署のおまわりさんに大変お世話になりました。岐阜中署が「裁判所といえども犯罪行為をすることがある。調停委員としての権力を濫用して人権を犠牲にするのであればきちんと捜査する」との趣旨をいってくれたことは頼もしかったといえるでしょう。まだ、我が国の警察も正義の実践者として捨てたものではない、と思いました。
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