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 よく、有責配偶者からの離婚請求は原則認められませんよ、というアドバイスをもらうことがあるかと思います。

 これは、昭和27年から29年にかけての判例で浮気をした側からの離婚請求は認められませんよ、という判例法理が確立したからといわれています。

 この判例法理は最高裁の大法廷判決で一定の要件のもと、つまり、前提として、
①婚姻が破綻していること
②離婚請求が信義則に反しないこと
が示されており、よく雑誌に載っている3要件、つまり長期の別居、小さな子どもがいないこと、離婚後の妻の生活の見通しがあることという流れで紹介されることが多いように思います。

 有責配偶者は浮気だけに限られません。夫婦関係を壊したことについて専ら又は主に責任のある配偶者からの離婚請求という定義に変更されています。ですから浮気ではなくても暴力や家庭を顧みないといったことでも有責配偶者となる可能性があると思います。

 最高裁は重要であるのは、①有責配偶者の責任の態様、程度、②相手方の婚姻継続の意思の有無、③請求者に対する感情、④別居後の双方の状況、⑤離婚となった場合の相手方及び子の状況、⑥時の経過が与える影響-を指摘したうえで、典型例として3要件の場合は許されます、と判示しているわけです。

 これまでの判例分析では、3要件を満たさない場合は、上記の①から⑥の部分は引用して離婚を認める裁判例が現れています。ですから、実質的に、有責配偶者からの離婚請求が認められるかは、上記①から⑥までの問題が大きいと考えられます。そうすると、離婚を求める側としては、別居後に双方の交流がない、時が経過しているなど主張する要素が増える、と考えることができるわけです。

 というわけで、裁判所も「ご都合主義」なところがあり3要件を満たす場合については、3要件を引用しますが、満たさない場合は上記①から⑥を引用して離婚を認めるということになっています。裁判官の本では、3要件は法的効果が生じるための必要要件ではない、という指摘もされています。

 このように、有責配偶者からの離婚請求でも「二重の基準状態」となっており、むしろ、3要件を満たさなくても離婚を認める上記の①から⑥が実質的には、有責配偶者から離婚を求める場合には、一番重要、ということになると考えられます。

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