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大人の発達障害の当事者とみられる方のご依頼の場合、相手の立場や気持ちを理解することが困難であること、独自の指標で理解・評価することから生じている困難性があることが指摘することができます。ですから、指摘する側も指摘を受ける側も弁護士に依頼することが多いといえます。指摘する側としては、モラルハラスメント、DVの主張が出る場合が多いですし、指摘を受ける側の場合は相手を独自の指標で非難したり抑うつ状態、家事が不能及び不貞などをしてしまった例が量的に多くみられます。

最近のお母さんたちと話していますと,こどもの場合は3歳児検診などで発達障害について知るケースが多いように感じられ,「常識化」しているレベルになってきた,という印象を受けます。どのお母さんに聞いても、「うちは大丈夫」とか「指摘は受けていまして」といわれてきちんと把握されている例が多いようです。

発達障害というのは,アスペルガー障害などといわれていて,概念の整理が頻繁ですので混乱している方が多いと思いますが自閉症スペクトラム,つまりは発達の程度にでこぼこがあるということです。これに対して,発達障害がない人のことを「定型発達」と呼んでいますが,最近は,大人の発達障害についてまで理解が広がってきているように思います。一部の新書での啓蒙活動が大きかったのではないかと思われることと,少年付添事件などではスペクトラムが背後にあることが少なくないことから,社会にその存在が偏見なく受け入れられるようにすることは大事なことと考えられます。

とはいうものの,自閉症スペクトラム,以下はPDDと略しますが、配偶者がPDDかも,ということはあります。

例えば、アスペルガーの場合でも積極的アスペルガー症候群の場合は行動も能動的となり他害行為に至ることもありますし,消極性の場合は反対に何もできないという形になってしまうことがあります。こうした状況なのですが,離婚調停や離婚裁判に至るケースでは,こうした脳機能障害が疑われる当事者に接するケースもあります。このことは,裁判所でも認識されていますが,やはりプロでなければその対策は難しいのではないかなと思います。一例を挙げますと,今日,ウィルコムの担当者と所内PHSの件で打合せをしましたが,そのとなりで30分以上にわたりクレームをまくしたてている男性がいました。その内容はアイフォンの使い方を教えてくれないソフトバンクはひどいという点にありました。しかし,それをウィルコムの担当者であり、窓口担当の女性にいっても仕方ないのではないか,果てはフェイスブックの使い方も教えてくれないと批判していました。

しかし,電話販売の業界は離職率も高いですし,メーカーと携帯会社は違いますので携帯会社が携帯機器の使い方をレクチャーできるとは限りませんし,ビジネスの場合はIT顧問のような相談できる人を有料でおいているケースがほとんどです。ですから,もともと有料のものを無料で売れと迫っているようで,窓口女性の時間もその人に数時間割かれていました。

これも大人の発達障害とも考えられるように思います。

子どもの発達障害は、3分の1が思春期までに症状がなくなり、3分の1が社会生活に問題がなくなり、残る3分の1が大人になっても症状が残り、日常生活に困難を来たしている、と言われています。もっとも,脳機能障害の場合、基本的にはソーシャルスキルトレーニングに委ねられるところが多く、後天的に身に着ける「大人らしさ」の振る舞いであるという人も珍しくなく暗数はもっと多いと考えられます。

PDDの人は適切なアシスタンスを得る必要があります。

例えば、離婚の一例などでは、「金銭問題」→浪費、「空気を読めない発言」→精神的虐待、「家事全般が苦手」→児童虐待、「子育てが苦手」→児童虐待,などがあります。

金銭問題ですが,やりくりができず結果借金を重ねてしまうパターンです。
これは、子供の発達障害ではあまり問題にならないのですが、大人はある程度のお金を上手に回転させていかないといけないため,お金のリテラシーがある人と比較して金銭問題を抱えやすいといえます。理由としては、「何かに夢中になるとはまってしまい、全部集めたくなる(コレクション好き)」、「計画的にお金を使うことが苦手で、ほしいものを後先を考えずに買ってしまう。」等の理由がありますが,どちらかというと,ちょっとした浪費が積み重なり借金をしたら家計が破綻してしまったという「金銭問題」が多いように感じます。

反対に細かすぎる人も多いといえます。例えば離婚の例では、パソコンは必ずスリープにして離れる、外出の際テレビの電源を抜く、金銭的に細かくしつこく理由を聞くといったことです。財産分与でも1円の保険や預貯金の確認にこだわり回数を重ねすぎてしまうケースがあります。

子供がいる場合も、問題を抱えやすくなります。育児というのは、マルチタスクワークが求められ、お料理などはその典型です。しかし、発達障害の人はシングルイシューにしか取り組めないため、家事といっても一つのことしかできないという問題があるのです。子供が学齢期に入ったとしても、子供の持ち物点検や学校への必要な連絡をすることが困難で、こどもがおこした問題に対応できないこともめずらしくなく、「子供の世話もきちんとできないなんて。」と配偶者に不満を抱かれる原因になります。

そんなこんなで問題を抱えやすい発達障害夫婦ですが、必ずしも破綻するとは限りません。
私が家庭裁判所で出会う発達障害夫婦は、必然的に、夫婦間の問題が抜き差しならない程度に悪化しているということになりますが、逆に「こうしていればよかったのに。」と感じることがあります。

夫に出て行かれた妻の自宅が、足の踏み場もない・・・ということも事実の調査をしていると対面することがあります。
そして,夫から「あいつは浪費家で物ばかりを増やすが片付けができない。あんなやつに子供は渡せない。」と主張されてしまいます。経験的に親権争いの背後には、こうした問題が潜んでいるパターンが多いといえます。

離婚弁護士の見立てとしては,一見すると,相手方は発達障害かもしれないな,この人も少し器質的特性があるかな,と感じることがあります。基本的には、相手を思いやれないことが特徴のため,相手の欠点を非難することに力を注ぎますが,紛争が大きくなるのはいずれも発達障害かもしれないと思われる場合です。

もっとも,若いころは別居して同棲までは良かったものの、こどもができて夫は少しずつ出世すると、夫から女性に求めるもの、妻から男性に求めることが、若い高校生的恋愛からは変わってきます。そこの齟齬、距離感を埋められない場合は離婚となるケースが多いように思います。ゲーテが人間は齢を重ねると誰でも革新主義者から保守主義者になると語るように、これは世代の積み重ねの中で生じて,積み重ねたものが崩れてしまうもので避けられないこともあるかもしれません。

この点、発達障害になっても、社会の特別な支援があるわけではありません。ですから、発達障害とまでいかなくても広汎性発達障害程度の場合、離婚に際しても弁護士に説明し、協力を依頼することが大切ですし、その理解と一緒に法的問題を解決していくことになります。

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