当事務所の弁護士が中学生記者からお礼の手紙をもらいました。
抜粋 今回の取材の中で特に印象的であったのは、日本の現在の(親権制度)が1980年代のアメリカの時代と進歩していないこと、父親の働き方の改革を行うことで(離婚後の)共同親権を上手に活用できている国があるということです。 実際にこのテーマに熟知されている先生にお話しをうかがえて(ありがとうございました)。 今回の(中学生の)レポートは「離婚時の親子の引き離し―単独親権制度から考える―」というものでしたが、内容的には不十分なものとなってしまいましたが、(急な取材にも丁寧に)対応してくださりありがとうございました。 記者名 *一部、謙譲語が過ぎる部分など文法的に正しくない部分を当職において読みやすいように編集した。 もっとも、中学生が、離婚後の単独親権行使に関心を持つということは良いことのように思われます。我々は大学時代から非嫡出子の差別など到底許されないと教授から教えられてきましたが、その違憲判決への判例変更は、興味関心、法的問題意識、家族とは何かというものとの移り変わりと切っても切れないものと思うのです。現在、ひとり親支援制度がありますが、現実には絶縁したからひとりなのであって、そうならないような仕組みづくりが必要といえます。近時、永井尚子神戸家庭裁判所部総括判事の論考に接し、裁判所が扱うのは中間ラインのものであり絶縁ラインも、仲良しラインも扱わないことを示唆されておられました。実証的にはそれで良いのでしょうが、面会交流には、ルーツを知るという意味もあります。まさに中学生などはルーツに悩んだりする時期だと思うのです。自分の父、祖父、そして彼らが暮らした環境がどのようなものであったのか、前向きでも後ろ向きなものであっても、人生で一度は向かい合うことは必要でしょう。そういう人間としてかけがえのない権利を生き抜くために必要な権利、すなわち出自を知る権利は児童の権利条約でも保障されているものです。今後は、永井部総括判事が述べるように中間ラインのみならず、絶縁ラインをどのように取り扱っていくのか、家事裁判官として30年のキャリアがある永井尚子さんには、そしてこのわたくしにもまだまだ残された使命があるといえよう。