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相手方が財産を処分する恐れがある場合にはどうしたらいいですか。

相手方が財産を処分する恐れがある場合にはどうしたらいいですか。

 

 離婚前であれば、いつでも、財産分与請求権を被保全権利として、家庭裁判所に預貯金、保険、退職金請求権、不動産などの財産の仮押えの申立てをすることができます。離婚後は、審判前の保全処分の申立てをすることができます。(家事保全)

 

1 離婚前は人事保全といいます。

 

 財産分与請求権は、家事審判事項ですが、裁判上の離婚に伴う財産分与は、人事訴訟である離婚訴訟に付帯して申し立てることができます。離婚前であれば、いつでも財産分与請求権を被保全権利として人事訴訟を本案とする保全処分の申立てをすることができます。

 わかりやすく言えば、財産分与は離婚訴訟で争うものなのです。ですから人事保全が認められています。

 人事保全として認められている保全処分としては、このほかに人事訴訟法17条1項により人事訴訟に併合請求が認められている損害賠償を被保全権利とする保全処分があります。

 人事保全の法的性質については、通常の民事保全と同一の法的性質を有するものとされています。ですから保全の必要性などの保全の要件を満たし、かかる審理については民事保全と同様に考えれば足ります。

 ということで分かりやすく言うと、供託金が必要ということです。

 

2 保全処分の要件と審理

 保全処分については、被保全権利と保全の必要性の2つの要件を満たせば、例えば退職金債権を差し押さえることができます。ですので、この2要件について疎明の必要性があります。

 離婚が被保全権利の当然の前提になるので、その許容についての蓋然性が要求されます。

 これに加えて、財産分与請求権を基礎づける事実を主張し疎明資料を添付する必要があります。また、保全の必要性としては、相手方が財産を隠匿・処分しようとしているなど緊急性を具体的に主張します。

 

実務上は、財産分与請求権を被保全権利とする仮差押えが利用されています。認められるのが簡単だからです。預金・退職金請求権、不動産などの仮差押えが行われています。特定物については処分禁止の仮処分の申立てをする際には、申立人が当該財産の分与を受ける蓋然性が高いことが必要になります。

保証金については、離婚については、何らかの財産分与請求権が認められる可能性が高いので、通常の民事保全より若干低額となります。

通常の民事保全の手続きによります。保全処分に対し、債務者は保全異議の申立てをすることができます。債権者は、保全処分の申立てを却下する裁判に対し、即時抗告をすることができます。

 

在職中に退職金請求権の仮差押えを行う場合には、退職金が支払われてしまったら使い込まれてしまうなどの場合をいいます。この際、ほかに資産がないため、素行が困難となるなど、保全の必要性があるのか、について熟考する必要があります。在職中の仮押えは、相手方の職場での体面を傷つけ、相手の恨みを買ったり、和解による早期解決を困難になったりしてしまうことが多い。

 

 ポイントとしては、裁判所は、不動産、預貯金、最後に退職金返還請求権の順番となります。

 

2 離婚成立後、家事保全の申立て

 離婚後の財産分与については家裁に2年以内に財産分与の審判又は調停の申立てをすることになります。改正により調停があれば、保全が行うことができるようになったのです。

 なお、離婚調停の場合は、財産分与請求権を被保全権利として審判前の保全処分の申立てをすることはできません。この場合、人事訴訟法上の保全処分を申し立てることになります。

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