お金に関するお悩み

夫が経営する会社の資産は財産分与の対象になりますか。

 結論からいうと、会社が所有する財産は原則として財産分与の対象になりませんが、各々が所有する株式は分与対象財産となります。

 法人の財産は、法人と夫婦個人が別人格である以上、分与対象財産とならないのが原則ですが、夫婦の協力によって形成された実質的共有財産と認定できる場合は、これを評価参入する余地があるとされていました。昔、沖縄の裁判所でそのような判例が出たことがありますが、実質的共有財産部分の証明や評価が難しいことから、最近の周知されている裁判例では、法人所有の財産、たとえば内部留保などを分与対象財産としている例はほとんどありません。

 そこで現在は、会社の株式や持分を財産分与の対象にするという考え方が主流です。しかし、親から引き継いでいる会社などの場合は特有財産に該当する場合もめずらしくなく、原則として夫の経営する会社の資産にかかっていくことは結構難しいことなんだと理解しましょう。

 次に問題となるのは株式の評価です。何分ほとんどが同族会社になっていますので、譲渡制限があるうえ市場価格がないので、時価というものが存在しません。

 財産分与の実務において用いられる価格算定の方法としては、相続税の算出のための国税庁の「財産評価基本通達」で算定する方法がありますが、税理士や公認会計士に評価してもらうケースもあります。

 また、貸借対照表の純資産から負債を控除して、これを発行済み株式数で割って、1株あたりの価額を算出するという方法も、当事者双方が納得すれば可能です。しかし、貸借対照表には、購入価額で資産が計上されており時価とかけ離れる資産も多いので、簡易ではありますが、実態と乖離しないかを総合判断する必要があります。

 簡易な方式では高額になりすぎる場合や算定方法に争いがある場合は公認会計士等の専門家による鑑定を行う必要があります。

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