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離婚に伴う財産分与や慰謝料の具体的な請求手続きとは

 

  • これから離婚するにあたり、離婚に伴う財産分与や慰謝料の具体的な請求手続きとは。約束通りに支払ってくれない場合に、強制執行の申立てができるようにするには。

 また既に離婚してしまった後でも、改めて財産分与や慰謝料を請求することができるのか。

 

  • 財産分与、慰謝料の請求と離婚成立の前後

 離婚に伴う財産分与や慰謝料は、離婚と同時に請求するのが一般的ですが、離婚が成立した後で請求することも、除斥期間などの時間的制約にかからない限りは可能です。基本的には離婚から2年です。

 以下、離婚と同時に請求する場合と、離婚が成立した後で請求する場合に分けて説明します。

 

  • 離婚と同時に財産分与、慰謝料を請求する場合

 まず、離婚それ自体に関する相手方との話し合いと併せて、財産分与の対象・分与の方法や、慰謝料の金額・支払い方法などについて話し合いを試みるのが一般的です。

 話し合いがまとまった場合は、支払い義務の不履行があった場合に強制執行することを見越して、支払いについて取り決めた内容を公正証書にしておくという方法があります。また調停調書にする人たちもいます。

 相手方との話し合いがまとまらなくても、いきなり訴訟を提起するのではなく、まず家庭裁判所に対して離婚、財産分与及び慰謝料の支払いを求める調停を申立てる必要があります。調停は、公正証書の代わりに申し立てることもありますので、実質的紛争がない場合でも申し立てられる場合があります。

 調停で話合いがまとまり、調停調書が作成されれば、確定した判決又は確定した審判と同一の効力が付与され、支払義務の不履行があった場合に強制執行を申し立てることができます。特に、養育費や婚姻費用については、強い執行力があるので大企業の相手の場合は会社に対する給与債権を差し押さえることをまずは考えます。

 なお、調停において、相手方が離婚には応じるものの、財産分与や慰謝料の支払いには応じない場合に、離婚だけ早期に成立させたいときは、離婚についてのみ調停を成立させ、財産分与及び慰謝料については、改めて家庭裁判所に調停を申立てるという方法が考えられます。しかし、離婚だけ先行させるという考え方はあまり一般的ではありません。離婚してしまうと他人となり、情報収集などに支障を来す場合もあるからです。

 調停で話合いが纏まらない場合に、家庭裁判所は、職権で、離婚とともに財産分与や慰謝料の支払いを命ずる審判をすることもできます。しかし、調停に代わる審判は、財産分与や慰謝料請求にはほとんど利用されていません。

 この審判に対して、2週間以内に当事者から異議が申し立てられることなく確定した場合は、確定判決と同一の効力を付与され、これに基づく強制執行を申し立てることが可能となりますが、適法に意義が申し立てられた場合、その審判は効力を失うことになります。

 調停で話合いがまとまらず、調停不成立となれば、家庭裁判所に対して、離婚と併せて財産分与及び慰謝料の支払いを求める訴訟を提起することになります。

 この訴訟において、財産分与あるいは慰謝料の支払いを命ずる判決が確定した場合は、これに基づく強制執行を申し立てることができます。

 

  • 離婚が成立した後に財産分与、慰謝料を請求する場合

 離婚が成立した後でも、財産分与及び慰謝料の支払いを求めて家庭裁判所に対して調停を申立てることができます。ただし、以下に述べるような時間的制約があります。

 まず、財産分与について、離婚から2年を経過した場合は、財産分与自体を求めることができません。この2年は除斥期間と考えられており、時効とは異なり中断という概念がありません。

 また、慰謝料について、通常、離婚のときから3年を経過した場合は、離婚に伴う慰謝料請求権は事項により消滅します。ただし、時効である以上、その進行が中断するということもあります。

 前述した時間的制約にかからないことを前提に、以下、場合分けして説明します。

  • 財産分与のみを求める場合

 家庭裁判所に審判を申し立てることもできますが、まずは調停を申し立て、話し合いによる解決を図る例が多いようです。財産分与のみを申し立てても事実上、離婚調停と同じ機能をもたされいる。

 調停で話合いがまとまらなければ、訴訟を提起す。財産分与を命じる審判が確定した場合は、これに基づき強制執行を申し立てることができます。

  • 慰謝料のみを求める場合

 家庭裁判所に調停を申立てることもできますが、話し合いによる解決の見込みがない場合などは、地方裁判所に訴訟を提起する例も多く見受けられます。

 なお、調停での話し合いがまとまらない場合、審判への移行を求めることはできないので、調停を取下げ、あるいは調停不成立としたうえで、地方裁判所に訴訟を提起することになります。

  • 財産分与と慰謝料を併せて求める場合

 同一手続において財産分与と慰謝料を併せて求めるのであれば、家庭裁判所に対し、調停を申立てることになります。

 財産分与について相手方が応じない場合は審判に移行することになりますが、慰謝料について相手方が応じない場合は調停を取下げ、あるいは調停不成立としたうえで地方裁判所に訴訟を提起することになります。

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