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保全処分

緊急性を要する場合、子の引渡の審判を申し立てたうえ、審判前の保全処分として、子の仮の引き渡しを同時に申し立てることができます。
 
違法な子の奪取の場合
 違法に子を奪取した場合、従前監護していた親権者の監護の下に戻すと当該子の健康が著しく損なわれたり、必要な監護養育が施されなかったりするなど、子の福祉に反し、親権行使の態様として容認することができない状態になることが見込まれる特段の事情がない限り、子の仮の引き渡しの申立を認め、その後の監護者指定の本案において,いずれの親が監護することが当該子の福祉にかなうかを判断するのが相当であるとされています(東京高決平成20年12月18日)。

 今後注目されるのは、ハーグ条約の批准の関係です。これまでは同居していた母親が子どもを一方的に連れて別居というケースが多かったのですが、これを子の奪取というのは我が国の社会通念とは合致しませんでした。しかし、ハーグ条約はお金ではなく親が子に会う権利をも尊重するものであり、一方的な連れ出しは,批准後は「違法に子を奪取」に該当することになるというべきように思われます(山口亮子・判タ1312号63ページ)。

これ以外では、保全の必要性、虐待、放任、子の問題状況について本案が認容される蓋然性が要件となります。このため,保全処分とはいえ、かなり実質的な判断がなされることになります。ただし,子が監護者の下で安定的に生活をしている場合は保全の必要性は認められにくいと考えられています(東京高決平成15年1月20日)。

子の引渡の判断基準は、いずれの親に監護された方が、将来の子の福祉に適するかという実質的な観点から判断されます、具体的な判断基準などについては、弁護士にご相談ください。専門家のアドバイスを受けながら慎重に判断されることをお勧めいたします。

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