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HOME > 親権に関すること > 面会交流について間接交流を相当とする事案

最近、私の執務上でも間接交流を相当とする事案が出てきています。

もともと債務名義があったのですが間接交流になったということで高裁での判断が注目されるところです。

ところで、比較的新しいのが東京家裁平成27年2月27日です。

二(1) 非監護親と子の面会交流は、子の福祉に反すると認められる特段の事情のない限り、子の福祉の観点からこれを実施することが望ましい。
 そこで、本件において、面会交流を実施することが子の福祉に反すると認められる特段の事情があるかどうかについて検討する。
 (2) この点、相手方は、平成二三年八月四日に、未成年者らを連れて家を出て、申立人と別居するに至っているが、別居当時、長男は三歳、二男は一歳五か月であったところ、それから約三年六か月以上が経過していること、その間、申立人と未成年者らの面会交流は実施されてこなかったことからすると、そもそも二男については、申立人を父として認識・記憶しているかどうかすら怪しく、また、長男については、申立人に関する記憶があいまいなものになっている可能性があるほか、同居中の申立人の相手方に対する態度や物にあたる場面を目の当たりにしたことや、相手方が、申立人との長年にわたる裁判等のストレスにより、心的外傷後ストレス障害(心因反応)との診断を受け、現在も通院を続けている様子を間近に見ることなどによって、(相手方が主張するように)長男が申立人に対してマイナスイメージを有しているとしても不自然ではない。
 このような未成年者らの状況を踏まえると、現時点において、直ちに申立人と未成年者らとの直接的な面会交流を実施することは相当とはいえず、将来的に申立人と未成年者らとの直接的な面会交流の実施を考えるとしても、まずは申立人と未成年者らとで間接交流を実施し、これにより未成年者らが申立人を父として認識し、かつ、父と子の信頼関係を構築するプロセスを経る必要があるというべきである。
 (3) もっとも、このような未成年者らが申立人を父と認識し、かつ、父と子の信頼関係を構築するような間接交流を実施するには、相手方の協力が不可欠である。
 この点、相手方は、本件審判期日において、将来的な申立人と未成年者らとの直接的な面会交流の実施を視野に入れた上で、未成年者らが申立人を父として認識することができるよう、未成年者らの写真を申立人に送付するだけでなく、双方向の手紙のやりとりや、申立人から未成年者らに誕生日やクリスマス等のプレゼントを送付するなどの、より実質的な間接交流の実施を提案している。
 その一方で、相手方は、このような間接交流を実施する前提(条件)として、父と子の信頼関係を構築するために、申立人から未成年者らに対し、同居中、物に当たったり、大声を出したことはよくないことであり、反省している旨を手紙にして渡してほしい旨の要望を出している。
 これに対し、申立人および同代理人弁護士は、申立人が、未成年者らの前で大声を出した事実はなく、間接交流を実施するのに、そのような手紙を未成年者らに渡す意義が理解できないなどと主張し、直ちに直接的な面会交流に応じようとしない相手方を激しく非難する姿勢を崩していない。
 しかし、前記認定のとおり、申立人は、相手方との同居中、口論の際に、立腹して、ガラスのコップを割る、掛け時計を素手で殴打して壊す、コードレス電話の子機を床に投げつけて壊す、携帯電話を壁に投げつけて壊すなど、物に当たった事実があり、相手方は、次第に、申立人に言い返さないようになる一方、申立人は、相手方を激しく責め、未成年者らの前でも、相手方を罵倒するようなこともあったほか、上記(2)に指摘した事情をふまえると、相手方の上記要望には相応の理由があるといえる。
 それにもかかわらず、相手方の要望を拒絶し、相手方を激しく非難する申立人の姿勢は、同居中の申立人の相手方に対する姿勢とも重なるものであり、このような申立人の姿勢が相手方に強いストレスを与え、相手方を心的外傷後ストレス障害(心因反応)による通院治療を要する状態に追い込んでいるということもできるのであって、申立人がこのような姿勢を維持する現状において、相手方に申立人とのやりとりを前提とする面会交流(間接交流を含む。)に対する協力を求めることは無理を強いるものといわざるを得ない。
 そして、このような申立人と相手方の関係に鑑みると、現時点において、申立人と未成年者らとの面会交流を無理に実施すれば、未成年者らが申立人と相手方の間に挟まれて苦しむことは容易に想像することができる。
 加えて、○のF医師は、長男に対し心因反応(情動不安定状態)、二男に対し心因反応(不安状態)の診断をし、また、○のH医師は、未成年者らに対し情緒障害の診断をしているところ、これらの未成年者らの症状は、申立人との長年にわたる裁判等のストレスにより相手方の精神的安定が保たれない状態が影響を与えていることがうかがわれ、このような未成年者らの置かれている状況に照らしても、無理な面会交流の実施は避けるべきといわざるを得ない。
 以上によると、相手方と申立人とのやりとりを前提とする面会交流(間接交流を含む。)を実施することは、子の福祉に反する特別の事情があるといえる。
 この点、調査官は、平成二四年一二月一九日付けの調査報告書において、面会交流を控えなければならないような未成年者側の事情はないとの意見を述べているが、他方で、申立人の相手方に対する暴力的な言動や、婚姻費用の支払方法等を鑑みると当事者間で面会交流を調整することは極めて困難で、面会交流を実施するとしても、第三者機関の支援が必要な事案と思われるが、当事者の対立は深刻であり、そこまでの協力態勢が整うかは今後の課題であるとも述べているのであって、当事者間で第三者機関を利用するために必要な協力関係を築くことも期待するのが難しい現状を踏まえると、調査官の面会交流を控えなければならないような未成年者側の事情はないという調査官の上記意見をもってしても、上記結論は左右されない。
 もっとも、相手方が、申立人に対して、定期的に未成年者らの近況を撮影した写真を送付することは、申立人とのやりとりを前提とするものではないから、その限度において間接交流をさせるのが相当である。

この判例でポイントなのは、家裁調査官が面会交流拒否事由はないとしていても、特段、結論を左右されており調査官報告書の意見を明示的に採用しなかった例としても注目・引用ができるかもしれません。

高裁も大筋ではアファームしています。家裁調査官との関係についてをみてみましょう。名古屋高裁では家裁が調査官調査をしなければなすべき調査もせずに違法とするものもあるようですが、最終的には裁判官が決めるという例としては、良いと思いますが間接交流よりも初来の協議再開時期を明示する審判の方が妥当ではないかと思います。期限も分からず、これで間接交流という名の「縁切り」になってしまわないか、と懸念します。他方、こどもが心因反応などを発症したとしてもその機序を解明する必要があるのではないでしょうか。監護親の負担感をこどもに伝染させているだけであれば、あまり妥当とはいえないかもしれません。ただし、本件はDV案件であるので、結論においては妥当なのかもしれません。分析を経ていないのでご紹介にとどめます。

東京高裁6月12日
抗告人は、①相手方が未成年者らに対する接近禁止命令の申立てを取り下げたのは、相手方が、抗告人が未成年者らとの関係が良好であることを認めたものであり、担当裁判官も、抗告人が未成年者らと面会しても、相手方への接近禁止命令の妨げとはならないと判断したものである、②試行的面会交流ができるか否かを探るための調査官による調査が平成二四年一〇月三〇日に発令されたために、相手方は、面会交流についての自らの窮地を免れるために、精神科医師らの診断結果を求めて未成年者らに障害事由を生じさせるに至った旨主張する。
 しかし、①の点については、相手方が未成年者らに対する接近禁止命令の申立てを取り下げた理由は、前記認定のとおりであり、抗告人の主張するように解すべき根拠がないことは明らかである。②の点については、複数の精神科医師が未成年者らを複数回直接診察して結論を導いており、相手方が面会交流についての自らの窮地を免れるために、未成年者らに障害事由を生じさせたもので、その診断結果を信用することができないということはできない。
 したがって、抗告人の上記主張は、採用することができない。
 (3) そして、間接交流は、直接交流につなげるためのものであるから、できる限り双方向の交流が行われることが望ましいと考えられる。原審が命じたように未成年者らの近況を撮影した写真を送付するだけでは、双方向の交流とはならず、将来の直接交流ひいては抗告人と未成年者らとの健全な父子関係の構築にはつながらないというべきである。また、相手方は、抗告人から未成年者らに対し、同居中、物に当たったり、大声を出したことはよくないことであり、反省している旨を手紙にして渡してほしい旨要望しており、相手方の立場に立つと、上記要望に相応の理由があることは否定できないものの、必ずしも双方向の交流を開始する上で、上記のような手紙を渡すことが不可欠とまでいうことはできない。
 他方、抗告人が、直ちに、未成年者らの福祉に沿うために、相手方に対する暴力や暴言について謝罪し、相手方との関係の改善を図ろうとする姿勢に転ずることは期待することができないので、間接交流によって相手方の負担を増大させることで、未成年者らに悪影響を及ぼすような事態を生じさせることは避けなければならない。
 上記の各点に鑑み検討すると、相手方に抗告人の未成年者らへの手紙を未成年者らに渡す義務のみを課す(未成年者らに返事を書くことを指導するなどの義務は課さない。)こととするならば、相手方に大きな負担を課すことにはならず、かつ、双方向の交流を図ることへつながる可能性があるというべきである。

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