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HOME > 親権に関すること > 面会交流の間接強制に制限を加えた高裁が公表

最近の判例時報で、面会を拒む意思を強固に形成している10歳の長女との父子面会について、間接強制の申立てを却下した事例として、大阪高裁平成24年3月29日が出されていましたが、特別抗告がされてもすぐに棄却されるでしょうし、2年以上前の裁判例が公表されました。それによると、ある程度の年齢の子が面会に明晰に拒絶している場合は非代替的作為義務として間接強制はできないという余地を認めたものです。しかし、年齢が大きくなれば強制執行はできなくなりますし、その余地はもともとあったもので、下記で述べるように平成25年の最高裁が出されているため、今更感が漂う判例といえます。

しかし、その間、間接強制に関する指導的な、最高裁平成25年3月28日民集67巻3号864頁が出され、面会交流審判は子の心情は考慮済みとして、間接強制はできる、との決定をしており、大阪高裁平成24年3月29日は、指導的立場を失っています。最高裁の決定は、実体と執行の区別を法理論上きちんとするもので妥当なものです。間接強制について実体判断をするならば、本案の債務名義を変更するのが筋でしょう。

匿名コメントでは、最高裁の射程距離は7歳のこどもまでであって、10歳のこどもには及ばないといいたいようですが、10歳前後で区別するのではなく、家事事件手続法や人訴法で規定のある15歳で区別をするならば、立法的合理性がありますが10歳か否かとなると、未だ小学生であり監護親の影響を強く受けているでしょうから、平成25年の最高裁の射程外と考える余地はないでしょう。

結局、10歳前後は、もっとも面会交流の攻防の対象になりやすく、これに間接強制を否定するのは、まったく民法の改正の経過を理解しないものといえます。

そもそも、債務名義をみるならば、本当に非代替的作為義務であるのか自体立法政策で見直した方が良いのではないのだろうか。子の引渡しが代替的作為義務であるのに対して、それよりも量的に少なく、一般的に子の福祉に前向きな影響を与える面会交流が非代替的作為義務と考えるのは、論理的に矛盾があるように思います。匿名コメントは「10歳」を強調しますが、10歳を分水嶺とする法令上、論理的根拠は何もなく、屁理屈の類ではないかと思います。また、裁判官が、児童の権利条約に法令解釈上触れることはないことから、本件匿名コメントは、裁判官執筆によるものとは考えられず、すでに規範的効力を失った判例と思われます。しかしながら、13歳から15歳以上が明示的に拒否の意思表示をしたときは、作為義務の履行に第三者の協力を要する場合といえるかもしれません。

しかし、いたずらに本案のリターンマッチを間接強制の執行抗告でできると考えず、子の最善の利益の立場から判断されるべきように思われます。

最判平成25年3月28日が同時に3つの裁判をして、間接強制への動きを決定的にしたのに対するものなのでしょうが、3つの裁判例すべてでそういえるか大変疑問です。
一事例の最高裁のあてはめをみてみましょう。

「4(1) 子を監護している親(以下「監護親」という。)と子を監護していない親(以下「非監護親」という。)との間で,非監護親と子との面会交流について定める場合,子の利益が最も優先して考慮されるべきであり(民法766条1項参照),面会交流は,柔軟に対応することができる条項に基づき,監護親と非監護親の協力の下で実施されることが望ましい。一方,給付を命ずる審判は,執行力のある債務名義と同一の効力を有する(平成23年法律第53号による廃止前の家事審判法15条)。監護親に対し,非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判は,少なくとも,監護親が,引渡場所において非監護親に対して子を引き渡し,非監護親と子との面会交流の間,これを妨害しないなどの給付を内容とするものが一般であり,そのような給付については,性質上,間接強制をすることができないものではない。したがって,監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において,面会交流の日時又は頻度,各回の面会交流時間の長さ,子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合は,上記審判に基づき監護親に対し間接強制決定をすることができると解するのが相当である。
 そして,子の面会交流に係る審判は,子の心情等を踏まえた上でされているといえる。したがって,監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判がされた場合,子が非監護親との面会交流を拒絶する意思を示していることは,これをもって,上記審判時とは異なる状況が生じたといえるときは上記審判に係る面会交流を禁止し,又は面会交流についての新たな条項を定めるための調停や審判を申し立てる理由となり得ることなどは格別,上記審判に基づく間接強制決定をすることを妨げる理由となるものではない。
 (2) これを本件についてみると,本件要領は,面会交流の日時,各回の面会交流時間の長さ及び子の引渡しの方法の定めにより抗告人がすべき給付の特定に欠けるところはないといえるから,本件審判に基づき間接強制決定をすることができる。抗告人主張の事情は,間接強制決定をすることを妨げる理由となるものではない。」

 上記のように、最高裁は「給付の特定」のみを求めているのであって、第三者の協力といっても未成年者で15歳に至るまでのこどもについて本案で裁判がなされているのであるから、リターンマッチ訴訟はできず、その給付の特定のみを問題にしていることは明らかであって、匿名コメントのような考え方をする余地はないでしょう。

 第一判例は10歳、第二判例が11歳、第三判例が14歳で、いずれも給付が特定されていれば間接強制ができる、と判断されています。匿名コメントでは、最高裁のこどもの年齢を7歳と記載していますが事実誤認があり、第一、第二、第三判例をみると、14歳の子まで執行できるとされています。

 したがって、匿名コメントの理論的正当性は承認されないでしょう。むしろ、裁判所は、監護親と同居している場合、監護親に遠慮して非監護親に拒絶的態度を示すものというドグマティークを形成しつつあり、むしろ継続的な面会交流こそ、安定的な面会交流につながっていくものと考えるべきではないでしょうか。こうした問題は、導入期の問題であり、行政の支援など一番難しいところが架橋できれば安定するものですが、執行の裁判でリターンマッチをすると、今度は本案の債務不履行で損害賠償訴訟が提起されるでしょうし、大阪高裁の決定はこどもの手続代理人なども関与しておらず、その判断形成過程は、究極的に推し進めていけば賛成できる余地はあるものの、その手続も本案があるのに執行裁判所が本案に踏み込んで否定するなど、あまり多くの法律家の賛同も得られないでしょう。

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