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親権争いは実は、真正面から争いになることは少ない。

それは監護権をめぐる前哨戦があるからだ。

こどもの監護権、つまり誰がこどもと一緒に生活して養育をするのかをはじめ、人事訴訟事項になる前の「審判」で事実上の決着がつくことが多く、離婚そのものから切り離されています。

少し分かりにくいのですが、こどもの親権は前哨戦の子の監護者指定・引渡しで争いになることが多く離婚訴訟から切り離されるようなイメージとなっています。離婚の親権争いも、子の監護審判も、調停がダメになった次のステップなのですが、手続の流れが違ってきます。監護権に関する部分は自動的に審判に移行し、審判がスタートすることになります。そうすると、離婚訴訟の有無と関係なしに裁判所が審判で決定してしまうことになるのです。

実は離婚訴訟で親権が決まることはありません。激しい争いの場合は、子の監護権で争いが起きているので、審判で監護権についての判断がなされると、裁判所は親権者について新しい裁判をすることが少ないからです。

一般の人からすれば、離婚訴訟が勝負の場ではなく、親権争いは調査官の関与度も大きく、しかも見立てと呼ばれる結論の決めつけに沿った調査官報告書が作られ監護者が指定されてしまうと、なかなか親権者で優位に立つのは困難といわざるをえないように思います。審判では多くの事件で調査官調査が入りますが、多忙庁の場合、見立てという決めつけの下に結論ありきで、それに沿った証拠の収集しか調査官は行いません。したがって、親権争いの場合で、男性など一般的に不利な方は、早々に離婚訴訟に切り替えた方が良いといえます。離婚訴訟では、調査官調査は5915件中669件にすぎないといえます。これは弁論主義が妥当し、当事者が証拠提出責任があるうえ、白黒をつける調査官調査になるため裁判所が弁論主義の名の下に当事者に肩入れしていることは否めないといえるからでしょう。

ご相談にこられる方でも、多くの調査官調査報告書をお持ちで、悪口がたくさん書かれているケースがあります。例えば「時に深い思慮を欠き」など、要するにバカにしているのだろうか、という記述の報告書を面会交流やら子の引渡しやらで、たくさん不利なものをもっている方がいます。

しかし、これでは離婚訴訟は勝負の場にはなりません。弁護士の助言に従って、適時に離婚訴訟に切り替える勇気が必要になると思います。特に審判は「密室の裁判」と呼ばれており、当事者を審問することもできますが、法律要件の審理をどこまでしなければならないという決まりもありません。そこで調査官報告書だけで監護者を指定したり変更したりすることが多く行われています。そして、審判は「期日」がありませんから、知らない間に負けてこどもは連れ去れて住所も分からず調停も起こせないというパターンもあります。

これに対して離婚訴訟ではこうしたことはできません。今後は、離婚訴訟に対する早期切り替えも一つ重要な弁護士のアドバイス事項となるでしょう。

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