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 この場合は事業の口座はひとつであることが多く,全額引き出してしまうと事業の存続維持が困難になってしまいまう。そこで銀行としては,夫が反対の意思を表明している場合又は夫の意思を確認できない場合については,直ちに払い戻しに応じるべきではないとの運用がなされています。

 銀行としては、債権者の知り得ないことであることを理由に払戻しを請求された夫名義の預金の供託を検討することもあるようです。

 この点は結局、預金者は誰であるのか、という事実認定の問題となることがあります。一般的には自らの出費、自己の預金から契約をしたもの、横領したなどの特段の事情がない限り、出費者が預金者と事実認定されるものと考えられます。

 もっとも,普通預金については、口座を開設後お預入が容易であることから,口座の名義人に預金債権を帰属させるという裁判例があり,出費者だけに限られないことを注意しておきましょう(最判平成15年2月21日民集57巻2号95頁)。

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