面会交流

家庭裁判所の現場からの面会交流

1 面会交流については、家庭裁判所の事件では唯一、比較的増加傾向をしており審判は1800、調停は1万2000程度である。いずれも2割程度増加をみている。 2 ベースラインとして、家裁が扱うのは、絶縁もしていないし往来が自由なケースもある。 そういう場合は家裁が利用されないので、中間的葛藤状態の親子の面会交流が求められている。 3 少なくとも調停の段階では、父母の紛争の程度と相手方への否定的感情、②父母それぞれの性格、③父母それぞれのこどもとの関係についての考え方、④こどもの年齢、心情、以降、⑤祖父母の関係、⑥面会交流の開始時期、⑦家族をとりまく関係者のかかわりを総合的に判断して決めている。 服部弁護士と結城青人とのパースペクティブ シュシュ:面会交流っていっても、アルマーニ問題が今話題だけどこどもって成長するでしょう。 服部:そうなんだよね。学校や家庭の状況が変わることもあれば、成長に伴ってこども自身の気持ちが変わることもあり、実施要領が合わなくなることもあるんだ。 シュシュ:でも、僕の場合は、ママの方からすれば、毎月面会できていたのに「会わせない親」ってレッテルを貼って父母間の紛争が拡大し、円満な面会交流が難しくなるよね。 服部:そういう意味では、現在というよりかは将来も踏まえて、親権者指定・変更やその他の子の監護をめぐる紛争(監護者指定)と同様、こどもとのそれまでの関係を踏まえ、将来における親子の生活の変化をある程度予測しながら、持続可能な実施要領を定めるのが「理想」だよね。 シュシュ:「理想」っていうことは、やはり現状を踏まえるのが裁判所実務だよね。昔、「事情変更があるか否か」って判断されていたけど、成長しているんだからね。ある程度予測が可能な生活の変化については、こどもの成長に伴う学校の状況の変化が典型例といえます。 例えば、小学校4年生になると部活動が始まり、また、中学受験の検討のため塾に通うとかだよね。僕は、家庭教師と補講(エチュード)、バレーボールの主将をやっているので、平日も週末もいそがしいんです。正直、パパとの朝、夜のご飯もあるし、フランスでは誕生会を盛大にやるんです。ですから、よばれることも多くて。僕、「人気者」だから。 服部:そのような観点に照らして考えると、父母は、こどもがただでさえ負荷の多い生活の中のいることを理解したうえで、面会交流をこどもの生活に合わせたものとする責務がある。 シュシュ:たださあ、僕、ママが不倫して出て行っちゃって、一時期、ふさぎ込んだじゃん。だから、いそがしいとも限らないと思うケースもあると思うんだよね。将来の予測にも限界があり、新たな紛争の発生を含め、面会交流の見直しはしてもらわないとこどもも困るよ。 服部:シュシュはさあ、ママと手紙、贈り物、写真の送付又は電話とかはすることあるの?メールや写真データの送信とか、スカイプとかラインとか。 シュシュ:僕はスカイプで、友人のお父さんからフランス語を習っているので必須アイテムです。でも、面会に使うという考え方はないかなあ。顔が見えていると話を遮って切りにくいよね。 服部:親は、こどもが生まれた前から出会う日を心持ちし、その誕生を喜び、幼少期は体の調子に一喜一憂しながら過ごし、こどもの成長と様々な出来事を共有しながら家族の歴史を刻む。監護養育の実情は、父母の分業の状況によって様々であろうが、同居している限り、父母はいずれもこどもの成長を共有するのが一般的であると思います。しかしながら、父母の関係が悪化し、別居や離婚によって、離れて暮らすことになるとき、こどもはいずれかの親と離れて暮らすとき、そこから父母とこどもとの新たな関係が始まります。 シュシュ:教科書で読んだよ。こどもは、父母のどちらかも愛され、遊んでもらい、気にかけてもらい、励まされ、時には叱られて自立に向けて成長することを父母に求める立場にありますけどね。ただね、離れて暮らすことになっても、こどもが親との交流を続け、限られた時間の中ではあっても、親から愛情やサポートを受ける機会はあってもいいと思うんだよね。だけど、主たる養育者でなくなってしまったらね。本当に困ったときだけだと思うんだよね。神戸家裁部総括判事の永井尚子は、「こどものために実施されるべきものであって、監護親に、面会交流させるか否かの自由な選択権があるものではないし、非監護親の権利といえるものでもない」と指摘されているんだよね。 服部:発想を考えてみるとさ、こどもが非監護親と過ごしている時間を、監護親が自身のために有意義に使う機会にすることも可能である。また、親との関係に難しさを感じることも多い思春期のこどもにとっては、非監護親と面会交流することで気分展開ができれば、監護親として良い関係を保つことにもなるよね。 4 面会交流の拒否制限事由 ① こどもへの虐待 母が、父によるこどもへの身体的・精神的虐待について主張した場合は、客観資料からみることになります。具体的には、写真、診断書、聴取があります。また、この点を父に確認することになる。いずれにしても、こどもは父母の近い場所で、大なり小なり、紛争に巻き込まれてきたのであるから、こどもの非監護親に対する現時点での心情や意向を丁寧に把握する必要があるとされています。こどもの年齢にもよりますが、こどもとの面接や観察を通じて、こどもの父に対する心情や意向及びそれを形成している要因、あるいは、面会交流の考えを聴くことができる。 しかし、安易に間接交流が面会交流拒否事由がないにもかかわらず、認めないとするとこどもの発達の程度も出てくるので妥当ではないと思われる。 ② 連れ去りの恐れ  現在は警察の介入があるので拒否事由にならない。 5 こどもの拒絶  シュシュ:面会交流はこどもの拒絶があれば、東京では会わなくてもいいんだよね。僕はもうね、ママと会わなくてもいいよ。  服部:でもね、パパさんからの働きかけ、あるいは、パパさんへの気遣いによりパパさんの意向に同調したり、父母の紛争をそばでみたりかんじたりして嫌気がさしたりして、面会交流を拒むことがしばしばみられるんだよね。  シュシュ:ママは不貞だからね。パパがかわいそう、って気持ちもあるね。  服部:婚姻関係の破綻が、非監護親の不貞である場合は、監護親及びその親族から、非監護親はこどもを捨てたひどい親であるなどと悪口をいって、面会交流を拒むこともあるよね。やはりパパからいわれたことをこどもは間引きしてきけないよ。ストレートに受け止めちゃう。  父母の葛藤を経験し、精神的にそう熟しているように見えるように見えても、まだ、ママのことを思っていることもあり、つながっていたいという気持ちをもっていることもあります。  シュシュ:僕は、ママと不倫相手の写真がインスタにアップされていたの見ましたから、もういいです。  服部:シュシュはゆるぎなく強固だなあ。それでも間接的な交流を続けるのは大切だよ。パパへの気遣いがなくても本当に逢いたくないのか考えてみる必要がありそうだね。 6 保護命令  最近は、Me Too運動や性暴力がキーワードになることも多いけど、保護命令を受けた男性は面会できるのか。  この点、ママがパパと接触を持つことに依然として大きな不安があり、その不安がこどもの監護養育にも悪影響を起こす恐れがあり、面会交流を実施できるか慎重な検討が必要である。裁判官が女性の場合は形式的な理由で却下しているケースが多いです。裁判官が男性の場合は、紛争の家庭で突発的に生じたものであるのかを聞き取り、監護親の不安を緩和するための期間や方法について検討するほか、こどもが幼い場合は、面会交流補助者や第三者機関の利用を検討することを考えられる。それ以外は間接交流となろう。

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