面会交流

離婚と親権と面会交流―フレンドリーペアレンツも踏まえ

離婚にあたり、こどもの親権が争われる場合は、本来、一番大切なのは、こどもの気持ちです。しかし、両親が別居中である場合は、こどもが同居している親の意思に反する言動を行うことは事実上困難であり、こども自身の正直な気持ちをいかに聴取するかは難しいところです。このような場合、家庭裁判所調査官による調査が行われることもありますが、そのほか、こどもの手続代理人の制度や、こどもの心の問題を専門的に取り扱う児童精神科医の関与を求めることもあり得るところです。  こどもの手続代理人は、離婚調停や面会交流の調停・審判などこどもが参加できる手続において、こどもと会って手続の説明をしたり、こどもが自分の意見や気持ちをしっかり言えるよう援助したり、他の関係者との調整活動を行ったりして、こどもの最善の利益を実現する活動をします。個人的にも家裁調査官が見逃した、再婚事例での乳児を施設に預けていることが発覚した事例があり、弁護士の調査能力の高さを示すものと考えられます。  面会交流は、父母と子との面会及びその他の交流のことです。夫婦が離婚をしても、こどもにとっては親であることに変わりはありません。両親との継続的な交流はこどもの成長にとって大切な役割を果たします。近時の裁判例では、別居している8歳について、親権と離婚をめぐって争った訴訟で、千葉家裁松戸支部が平成28年3月29日、妻が娘との面会について妻が月1回程度としましたが、夫は隔週の週末や年末など年間100日確保するとの計画を提示しました。そこで、子が両親の週末や年末など年間100日確保するとの計画を提示したことなどから、「子が両親の愛情を受けて健全に育つには、夫を親権者とするのが相当」として夫を親権者とする判断を示し注目されました。この訴訟では、平成29年1月26日、東京高裁が、面会交流の意向を中心に親権者を決めるのではなく、一要素と指摘し、「年100日」という父親の提案では、こどもの体への負担のほか、学校や友人との交流にも支障が生じること、月1回程度という母親の提案は十分と指摘し、最高裁判所は上告不受理決定をしました。もっとも、カナダのハリファックスの州法を準拠法とした東京高裁決定では、共同監護を前提に、平日の監護も認める、という長期の分割監護を認める判断を示しています。それにより、相談内容にあたっては子の福祉の観点からこの点をよく説明する必要があります。 弁護士の視点から  以前は、こどもは「被害者的地位」において、何も決めなくて良いということで罪証感を抱かせないということに重点がありました。しかし、最近はこどもは、自分で自己決定をする傾向が依然より強まったように思います。たしかに、別れることになるかもしれないけど、どう思う、とこどもが聞かれると、なかなか分かれて欲しくない、とは答えづらいものがああります。そして、「別れていいよ」といういことになると、自分にも離婚に責任を感じていることになると考えらえる面もあります。  そして、内心ではどちらと一緒に過ごしたいということもなかなかいえません。こどもが本当に言いたいことを代弁する役割をとってくれる大人がいてくれることは、こどもが大人全体に対する信頼感を失わないで育っていくためにも、無力感を感じさせないことが大事です。こどもの判断は、監護親に大きく影響されることは既に常識です。しかし、その事実は、こどもに判断能力がないことを意味しません。そしておとなが想像する以上に状況を察する力のあるこどもたちが、心理的な苦境に立たざるを得ないという循環機序にあることを理解すべきなのです。こどもの代弁者にはこうした観点から、こどもの心への理解が求められます。

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