引き渡し・連れ去り

夫に子どもを奪われた妻の方の対応

 夫婦仲が悪く離婚を考えていましたので子どもを連れて実家に帰りました。ところが、3ヶ月後に夫が保育園から子どもを強引に、自動車に乗せて連れ去ってしまいました。夫は引き渡しを拒んでいます。  この場合はどうしたらよいのでしょうか。まず最愛の子どもということは、離婚する夫婦では同じ気持ちを持っていますので話し合いがまとまる可能性は低いといえますので直ちに法的手段に移るために弁護士事務所に相談されるべきでしょう。  まずは家庭裁判所で子の引き渡しを求める申立を行い、同時に仮処分を併せて行うことにより、迅速な審理を求めることになります。家庭裁判所は、調査官により子の福祉の見地から調査命令に基づく調査を行いますが、民事訴訟と比較して迅速に進行しますが、それでも結構時間がかかるという印象です。  あまりに緊急事態だ、という場合は人身保護手続きを考えなければなりません。実はこの手続き、最高裁の判決により認められる例が非常に狭められており、現実に申立をするケースは少ないかもしれませんが、地裁に人身保護請求の裁判を提起します。これにより審判前の保護処分も進行が早くなる可能性があります。この点、子どもに国選代理人弁護士がつき国選弁護士による調査が行われます。また、手続的な迅速さはトップクラスといえます。  しかし、人身保護請求は最高裁により、認められるケースが少なくなっており、結果的に審判前の保全処分の申立が現実的な可能性があります。特に審判前の保全処分を無視した場合に人身保護請求を行う可能性があるということです。裁判所により人身保護命令が出され期日が決まります。期日では直ちに判決がなされ、子どもの引き渡しを行うということがあります。しかし、実体要件は、身体の自由が拘束されていること、つまり逮捕・監禁されていること、拘禁の態様といったところです。したがって、人権が著しく侵害されている場合に限られていますので、この要件を満たす場合は、虐待親などの場合やネグレクトがある、子の意思に著しく反し環境も劣悪といった場合に限られますので、なかなか利用できる場合が限られるかもしれません。  しかし、子に餓死など、緊急の必要性が高い場合は、直ちに弁護士を代理人にして人身保護請求を行うべきです。

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