男性の子連れ別居が違法とされるケース

東京高裁平成29年2月21日 男性による子連れ別居について 相手方母親は,未成年者出生後,専業主婦として未成年者の監護を行い,就職した後は抗告人と協力して監護を行い,この間も食事作りは専ら相手方が行い,短時間勤務に変更後は監護の時間が増えていたのであり,抗告人と同居中は主たる監護者であったと認められる。相手方と未成年者の関係は良好で,未成年者は順調に成育していたことも併せると,相手方には監護者としての実績,継統性があり,十分な適格があると認められる。     これに対し,抗告人は,相手方が未成年者の前でも抗告人に対して暴力をふるい暴言を吐き,未成年者にも影響を及ぼしていたと主張する。しかし,記録によれば,相手方が抗告人に対してメールで感情的な表現を送信した事実は認められるものの,夫婦間の口喧嘩の域を出るものではなく,「配偶者からの暴力(DV)」に該当するような暴言,暴力があったとは認められないし,未成年者の前で激しい口論が繰り返されていた事実も認められず,相手方の監護者としての適格に疑問を抱かせるような事情はうかがえない。抗告人は,相手方と未成年者との関係が希薄であったとも主張するが,同居中に関係が希薄であったような事情は認められない。未成年者が相手方と離れて生活している現状において相手方の話をしないとしても,関係が希薄であることを示すものではない。   (2) 抗告人は,平成28年5月以降,未成年者を監護し,未成年者の成育や生活に問題はなく,抗告人と未成年者との間に重大な問題はみられない。抗告人は,相手方との同居中の平成26年10月から平成28年3月ころまで,夕方以降は未成年者の監護を多く行っていたことも併せると,抗告人も未成年者の監護者として一定の適格を有しているといえる。ただし,前記のとおり,同居中の主たる監護者は相手方であったといえるし,平成28年5月以降の監護に関しては,後記(3),(4)の問題がある。   (3) 抗告人は,2(4)のとおり,相手方に告げず,未成年者を連れて自宅を出て別居を始めた。抗告人は,相手方から度重なる暴言や暴力を受けていたため危害から守るとともに未成年者の健全な育成のための別居であると主張するが,前記のとおり,「配偶者からの暴力(DV)」に該当する暴言,暴力があったとは認められず,抗告人は相手方とのいさかいが続き,非難されることに耐えられず,未成年者を巻き込んで家を出たもの認められる。その行動には,未成年者の監護養育を第一に考え,夫婦間で真摯に話し合い,関係の修復に努力しようとする姿勢はみられず,別居を決めるに際して未成年者の福祉を考慮したとは認められない。その結果,未成年者に環境を激変させる負担を与えたほか,相手方との連絡を絶っていることも,未成年者の成育に極めて不適切である。抗告人が未成年者を連れて家を出た行為は,抗告人の監護者としての適格について,大いに疑問を抱かせるものであり,また,平成28年5月以降の抗告人による監護がこのような経過で開始されたものである以上,その実績や継続性を尊重することはできない。

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